竹ボイラー導入」カテゴリーアーカイブ

竹ボイラーの導入(24)自作床暖房パネル④配管

前回、アルミ板(放熱板)に銅管の配管ルートを罫書くところまでできました。

アルミ板上に銅管を配管していくことにします。
銅管は下写真のナマシ銅管を使います。

φ9.52mm×5mもので、近くのホームセンターで3,000円弱で購入。
ラベルに記載のある「ミヤコ」は銅管継手で有名なメーカー(ブランド)のようですので、品質は万全でしょう(問題が生じれば、まずは私の技術力不足を問わねばなりません)。

ナマシ銅管は焼きなましにより曲げやすくなっています。
しかし、いくつかある曲げ配管(R47mm)箇所を、手の力加減だけで正確に曲げるのは難しいように感じます。

そこで、正確な寸法(R47mm)で曲げるための治具を先に作ることにします。
治具の材は、銅管の外径10mm弱に対して倍程度の厚さ(20mm)の板材(古民家の改修工事で発生した古材→虫喰いアリ)を使います。

板を84.5mm(=R47mm×2-φ9.52mm)幅で切断したうえ、その短辺側を半径42mm(=84.5mm/2)の半円に加工します(ジグソーを使用。下写真では未加工ですが、反対側には1/4円を設けています)。

この側面を定規にして銅管を曲げれば、曲げ半径R47mmになるというわけです。

治具を使って銅管を曲げつつ、アルミ板上に敷設していきます。
曲げる際に座屈させてしまうと銅管1巻きがパーになりますので(もしくはソケットで継ぐ)、慎重に作業。

実際に曲げてみると、治具を使っても曲げ半径R47mm(銅管の外径9.52mmの約5倍)は想像以上にきつく、これ以上曲げ半径を小さくするのは難しい(座屈する)ように感じました。

それでも、なんとか座屈させることなく敷設完了。

銅管とアルミ板との接合にはアルミテープを用いています。
この辺りのテクニックについては、下記リンク先のサイト(床暖房自作に関する貴重なノウハウを惜しげもなく公開されてみえます)を参考にさせていただきました。

床暖房自作 〜番外編〜

配管が裏側になるようにして、先に作成の框にはめ込みます。

銅管の起・終点の位置と、框に設けた穴(2箇所)もピッタリ合っています。
この床暖房パネル(の銅管)は、温水循環用の配管(幹線)に接続することになりますが、これへの接続方法はまだ決めかねています。
ただ、据え置きタイプの床暖房パネル(夏季は撤去)としていますので、少なくとも配管を容易に切り離せる必要があります。
そこで、銅管の起・終点にネジ継手のジョイントを取り付けておくことにします。

銅管とジョイントなどの役物との接合にはロウ(ハンダ)付けするものと思っていましたが、φ9.52mmのような小口径の場合にはリング(ソロバン玉)を使って圧着接合するようです。
そのリング式のジョイント(φ9.52mm用)が下写真です(1個400円程度)。

上写真で中央にあるものがリング(黄銅製、本体も同じ)で、左側のナットを締め付けることでリングが圧密変形して止水される仕組みになっています(ガストーチなど火を使う必要がないため、私のような初心者にとって施工しやすいです)。

ジョイントを銅管に挿し込み、スパナでナットを締め付けて取り付け完了。

ちなみに、ジョイントはネジ側が1/2インチ(15mm)のテーパオネジ(R1/2)になっているものを使っています。
繰り返し脱着させるため、本当はテーパネジ(R1/2)ではなく平行ネジ(G1/2)のものにしたかったのですが、そのような製品はないようです。
仕方なくテーパネジのものにしましたが、現物を確認するとネジの先端に平面があるため、おそらくパッキンを入れて平行ネジのように使えるのではないかと踏んでいます(diy施工ゆえにできる無茶ですが、一応は水圧試験をして止水具合を確認するつもりです)。

<続きます>

竹ボイラーの導入(23)自作床暖房パネル③熱交換器検討

前回で床暖房パネルの木工部分(床板の張りつけを除く)が出来上がりました。

この中に床暖房のシステムを仕込むことになりますが、その構造は下図のとおりとします。

熱交換器となる銅管は床板と断熱材との間に配管しますが、さらに床板との間に放熱板(アルミ平板 t=0.3mm)を挟むことで床板への伝熱量を増やしたいと考えています。
伝熱面を広くすることで熱抵抗を小さくしようというわけです(下式)。

熱抵抗 R=1/k(熱伝導率)・L/A(表面積)

上式からは伝熱量を増やす(熱抵抗を小さくする)ためには熱伝導率を大きくすることも有効であることがわかります。
このため、放熱板には熱伝導率の大きい銅板(k=398)を用いれば良いのですが、コスト面からアルミ板(k=236)を採用しています・・・(結露する環境下では銅管とアルミ板との異種金属腐食に留意が必要)。

同じ考えから銅管自体も表面積を大きくすれば(口径を大きく、延長を長く)、伝熱量を増やせることになります。

伝熱量Q=U・A(表面積)・△t(温度差)

(銅管の中に流すお湯の温度を高くし(上式で△t)、流量を上げれば更なる伝熱量の増加が期待できそうです。)
しかし、銅管の口径や延長をヤミクモに大きくするわけにはいきませんし、口径や延長、流量には密接な関連があるため、システム全体でバランスをとって決定する必要がありそうです(例えば、口径・延長とは無関係に流量を増やせば、管路抵抗が大きくなって流れなくなったり、流速が速くなりすぎてシステムに損傷を与えかねません)。

それでは、いくつの口径の銅管をどれだけの長さ配管するのが適当なのか?
本来はシステムの全体を設計するとともに暖房器具の詳細を詰める必要があるのでしょうが、私のような素人にとっては敷居が高すぎます。
そこで、いくつかのメーカーの床暖房システムの構成を断片的に調べてみると、熱交換器のパイプ(架橋ポリエチレン管または銅管)は口径2分(2/8inch、8mm)か3分(3/8inch、10mm)のものを使っていることが多いようです。
また、温水を循環させるポンプは揚程6m程度の性能のもの(グルンドフォスUPS25-60等)を採用し、それを使って10L/min程度の流量で温水を循環させているのではないかと思います。

そこで、これらを参考(真似!?)にして銅管は外径φ9.52mm(内径約8mm)のものを使うことにします。
この銅管に仮に流量3L/min(3系統あるとして10L/minの1/3)の温水を循環させるとき、管内の流速は1m/s程度(速くも遅くもない)になり、なるほどメーカーのシステムは良い感じになっていることが分かります。

流速 V=流量/断面積=(3/1,000×60)/(π×8/1000^2/4)≒1m/s

我が家のシステムでうまくいく保証はありませんが、φ9.52mmの銅管を用いることで見切り発車!(システム全体の検討はポンプの選定の際に行うつもりです)

一方の延長については床暖房パネル内(950mm×650mm)になるべく長く収まるように図を描きながら検討します。

今回用いるナマシ銅管は焼きなましにより曲げやすくしてあるため、役物(エルボ)を用いることなく曲げ配管が可能です。
ただ、一定の曲げ半径を超えると座屈してしまいます(パイプベンダーと呼ばれる道具を使えば相当小さく曲げることができるようです)。
手で曲げられる許容曲げ半径が分かると良いのですが分からず、口径(φ9.52)の約5倍となるR47mmとしています。
また、ナマシ銅管の販売単位は3m、5m、10mのため、5mを購入するものとし、無駄が生じないように配置しています。

銅管のサイズや配置が決定しましたので、作り始めることにします。
まずは放熱板となるアルミ板(t=0.3mm)の加工から。

サイズが455mm×910mmのものを2枚購入し、切り貼りします(アルミ板の余りで銅管のサドルを作る予定)。

2枚をアルミテーブで接合。

このアルミ板の上(完成形では下)に銅管を配管することになりますので、アルミ板に配管ルートを罫書きます。

<続きます>