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雨水対策(15)雨樋掃除器①検討

2階建ての離れは里山に隣接して建っているため、雨樋が枯葉ですぐに詰まります。
過去に雨樋の故障に端を発して里山の斜面が崩れたこともあって、昨年から雨水対策としていろいろと行なってきました。
その一つとして、昨年6月には雨樋(軒樋)に枯葉防止ネットを設置しました。

しかし、滞りなく排水されていたのも束の間、設置から4ヶ月後の10月には集水器付近から雨水が溢れるようになりました。

このときは集水器付近のネットの中に溜まっている細かい枯葉を取り除くことで対応できました。

その後、冬(落ち葉)と春(杉の花粉&笹の葉)を越す頃には集水器付近のみならず途中からも雨水が溢れる事態にまで悪化・・・。

雨水が溢れている箇所で枯葉が溜まっているものと考え、その前後の枯葉防止ネットを取り外して確認してみることに。
しかし、取り外したネットには枯葉が溜まっていないのです。
おそらく、その下流のどこかで堆積していて、軒樋の微妙な勾配の関係で違う箇所から雨水が漏れているようです。
こうなると全ての枯葉防止ネットを取り外して掃除するしかありませんが、ネットは軒樋の中に据えてあるだけとは言え、軒瓦との間に挟まれて簡単には取り外せないため厄介です。

それでも、どうにか全撤去。

1箇所だけでなくて複数箇所で枯葉が堆積しています。

写真では分かりづらいですが、筒の断面積の1/3程度堆積しているような状況です。

この堆積状況からすると、半年に1回程度の頻度で全ての枯葉防止ネットを取り外して掃除する必要がありそうです。
もちろん、このためには二連梯子を掛ける必要があるのですが、それならネットが無いほうが掃除しやすくて作業時の危険も少ないぐらいです。

そんなわけで、枯葉防止ネットは再設しないことにします。
とは言え、年に数回、二連梯子をかけて2階の軒樋を掃除するのは手間が掛かりますし、何より危険です。
ほかに方策はないものかと考え、思いついたのがコンプレッサーのエアー(圧縮空気)を吹き付けて枯葉を飛ばす方法です。
枯葉は風で吹き飛ばされて軒樋に溜まるのですが、さらに風を送って軒樋から吹き飛ばそうと言う考えです。
また、枯葉防止ネットは枯葉を溜まらないようにする方策ですが、発想を転換し、あえて軒樋に溜まらせ、溜まったものを吹き飛ばす作戦です。

エアーを吹き付けるのに二連梯子を登っていては意味がありませんので、2階の軒樋まで届く竿を使って作業できるようにします。
竿の必要長さを建物の断面図から検討します。

上図から竿の長さは5mあれば良さそうです。

5mの竿として、竹を使うことを最初考えて試すものの、1本ものを使うと重すぎ、細いものを2本継げば接続箇所が安定せず中々うまくいきません。
次に金属製パイプとして農業用ハウスの支柱(φ19.1mm)が安価で良いと考え、ホームセンターで実際に持ってみると重すぎ。
結局、軽いアルミパイプしかないと言う結論に。
アルミパイプの口径は、たわみを考慮してφ25mmにします(4m+1m、2本継ぎ)。

竿の先端には、エアーの吐出口を固定するとともに、軒樋に引っ掛けて安定させるための金具を取り付けます。

この金具は加工のしやすと、竿の材質(アルミ)との関係(ガルバニック腐食)からアルミ板を加工して作ることにします。

エアーの発生源となるコンプレッサーは離れの1階に保管してありますので、そこからエアホースを伸ばして接続すれば良さそうです。

こうすれば反対側(東側)の軒樋も同様に掃除できるようになります。

<続きます>

雨水対策(14)コンクリート殼の再利用と減勢工

雨樋の排水が集まる箇所(排水不良)の排水性を改善するとともに、地中への雨水浸透も期待し、竹を利用した排水路(土水路)を設けることにしました。
そして前回、溝を掘って竹を投入するところまでできました。

竹の投入について、畑の畝作り(下図)であれば、まだ分かる話しかもしれません。

しかし、排水路に竹を入れるなんて言うことは、わざわざ水の流れを阻害しているようなもので、一般的な土木構造物ではあり得ないはずです。

さすがにこんな馬鹿なことをやっている人はいないだろうと、ネットで検索してみました。
そうしたところ、「大地の再生(講座)」に取り組んでみえる方のブログを見付け、そこに大地の通気性や透水性の改善を図るため、溝に竹や炭などを投入するとあります。

雑木の庭造り(高田造園設計事務所)

竹を投入することについて、私自身は単に溝を埋まりにくくすると言う物理的な側面からしか考えていませんでしたが、「大地の再生講座」ではこれで動植物の力も活かすことも考えられており、本当に目からウロコの内容です。
さらには、コンクリート殼でさえ溝に入れて利用すると言う事例も掲載されています。
このコンクリート殼の再利用は、「大地の再生講座」の矢野智徳さんが阪神淡路大震災で大量の瓦礫がゴミにされるのを見て始められたそうです。

DIY施工でもハツリなどでコンクリート殼が発生することがあります。
発生したコンクリート殼は、最後まで責任を持つという意味で敷地外に搬出処分するのではなく、可能な限り再利用(コンクリートの骨材など)していますが、それでも径が大きいもの(直径40mm以上)は使う当てがなく敷地内に仮置きしてある状況です。

奇遇にも今回の排水路に隣接した場所に仮置きしてあり、まさに出番を待っていたのかもしれません。

「大地の再生講座」の知恵を拝借し、排水路(竹の上)にコンクリート殼を投入します。

嵩上げのため、さらに竹を投入してコンクリート殼をサンドイッチします。

最後に剪定屑で被覆します。

これで排水路本体は完成ですが、前回地面を掘り起こしたところ、排水路流末の地中から昔の土管と減勢工が出てきました。

土管は2本あり、その内の1本は状態が良いため再設して流末部(段差部)を下写真のとおり処理します。

その後の降雨時に状況を確認すると・・・

これだけ水の勢いがあると草は生えづらく、地面がえぐられてしまいます。
やはり、元々あったのように減勢工を設ける必要があります。

以前行った敷石(石畳)作りと同様に石の形状を見極めて組み上げます。

その後の降雨時の状況。

良い感じで流れており、見ていても気持ち良くなります。
前回の降雨時は水が濁っていましたが、今回は濁りが取れています。
排水路に投入した竹やコンクリート殼が泥を濾してくれているのかもしれません。

排水路を設けたことで通路に排水が流れることはなくなりました。
今後は雑草の力とともに土の流出は抑えられることでしょう。

天然石を使った減勢工が良い感じのため、別の雨樋流出口(外便所の解体に伴う雨樋の移設箇所)にも同様に設けることにします。

石積みに使うには少し小さい石も、こうした用途に使うことができますね。

<続きます>