土蔵修繕」カテゴリーアーカイブ

土蔵の修繕(3)鶏小屋の撤去

前回、土蔵の庇下に置かれていた農業資材等を片付けました(ブログ記事は遡って書いており、実際には3年前。下写真はその片付け後の状態)。

その後、主屋の改修工事が始まったため、この状態で1年経過。
主屋のほうが一段落したことで少し心に余裕ができたのか、再び土蔵のほうが気になってきました。

土蔵の庇下の一画(南東)には鶏小屋(後に物置きとして使用)が設けられています。

中に置かれていた物を片付けたことでスッキリしたものの、鶏小屋付近だけ何か感じるものがあります・・・。

この鶏小屋の構造を見ると、土蔵が築造された当初(明治中頃)には鶏小屋は無く、後に(昭和初期?)庇下を利用して追加されたものだと思います。
主屋の屋根裏に、昭和初期発行の『養鶏法』なる書籍がありましたので、それを参考にして作ったのかもしれません。

昭和初期には既にコンクリートが使われるようになっていたようで、基礎や土間にコンクリート(無筋)が使われています。

しかし、基礎コンクリートは劣化し、大きなクラックが入っています。

梁や土台などの木材の状態も良くなさそうですので、鶏小屋の板壁などを解体・撤去して確認することにします。

梁の状態です。

これは酷い!

柱の下部と土台の状況です。

これまた酷い!!

少し大きい地震がくれば倒壊の可能性大です。
古民家が一概に地震に弱いということはないはずですが、このような状態で放置してあるものは間違いなく地震に弱いですね(^_^;

ガラクタ置き場と化している土蔵なので地震で倒壊しても構わないのですが、約15年前に結構な金額をかけて庇部分の屋根を下地からやり直しているのが悩みどころです(直すなら、下から全て直すべきでした・・・)。

使ってもいない土蔵にこれ以上のお金をかけるのは勿体ないですが、少なくとも梁や柱などの構造部分は大工さんにお願いするしかありません。
幸い鶏小屋以外のところはそれほど悪い状態ではありません(養鶏に伴う水や湿気が悪さをしたのかもしれません)。
主屋の改修工事をしていただいた大工さんに相談したところ、鶏小屋のところの構造部分だけであればそれほど費用はかからないとのこと(実際に安価でした)。
そこで、構造部分だけは大工さんにお願いし、そのほかの基礎の補修や土壁作り、壁板張りはDIYにて行うことにしました。

<続きます>

土蔵の修繕(2)外部の片付け

主屋の軒下にツバメの巣がありますが、今年もツバメが飛来し既に雛が大きくなっています。

(昼間の様子)

※雛は6羽。親鳥に餌をねだる鳴き声で賑やかです。

(夜間の様子)

※顔を突き合わせて休むのでしょうか?親鳥は巣に入るスペースがないため別のところで休んでいるようです。

ところで、この巣は何年も使われているものですが、昨年はヘビに襲われ、雛は巣立つことができませんでした。
しかも、そのときの影響で巣が剥がれ落ちそうな状態になっていたのですが、泥を使って上手に補修したうえで巣篭もりするようになりました(下写真が修理中の状態)。

実は昨年、ヘビに襲われた後、親鳥は別の場所(下写真)に新たな巣を作り、こちらで無事雛が巣立っています。

てっきり今年は新しいほうの巣に巣篭もりするものと思っていましたが、古いほうを修理してまで使い出したのには驚きました。
ツバメに聞かないとわかりませんが、元々の巣のほうが居心地が良いのでしょうかね?

さて、ツバメが泥を使って巣を修理している様子に触発され、私も土蔵前の土間の補修(前回のブログ記事に記載のとおり三和土の施工)をおこなうことにしました。
施工は既に終わっているのですが、土蔵の修繕に関してはこれまでにいくつかのことを行っていますので、先にこれらを書いておきたいと思います。

3年前に遡りますが、建築士さんに主屋(古民家)の建物調査をしていただいているときに敷地内もひと通り見ていただきました。
そのとき土蔵の庇下が物置き状態になっている様に「置きっ放しになっている物(農業用資材等)は移動させたほうが良い」とのアドバイスをいただきました。
その頃は主屋のことで頭が一杯だったのですが、時間を見つけて少しずつ片付けることにしました(下写真はこれでも片付け後のものです・・・)。

いろいろと物を詰め込んであったダンボール箱はこの有り様(シロアリに食われてボロボロ)。

ダンボール箱はシロアリに食われても問題ありませんが、このダンボール箱が接していた建物土台にまで被害が及んでいるのを発見!!

幸い土台には堅木が使われているようで表面だけの被害に留まっていますが、建築士さんが言われるようにこのような場所に物を置きっぱなしにするのは厳禁と言うことですね・・・。

使い残しの化学肥料を1箇所に集めてみるとこんなにもあります。

化学肥料はシロアリに喰われることはないとしても、今後使う見込みはなく(自然農に切り替えているため)、置いておいても建物の風通しを悪くするだけです。
そこで、化学肥料を使って畑作等をやってみえる方に引き取っていただきました。

化学肥料については活用いただける方がみえて良かったものの、問題は農薬やマルチシートなどの廃プラです。
農薬はとうに有効期限が切れ、とても使えるような代物ではありません。
しかし廃棄する場合、もちろん適正処理が必要となりますが、産業廃棄物となるため厄介です(山中にこっそり不法投棄してあるのを見かけることがありますが、土壌や地下水汚染の原因となりかねません)。
幸い地元の農協が年1回、農協販売のものに限って低料金で回収してくれています。

この年1回のチャンスに軽トラ1車分(農薬30kg、廃プラ40kg)を処分します。

組合員向けの低料金サービスとは言え、これだけで数万円かかったような・・・。
買うよりも処分するほうが高くつくのではないか?と思わずにいられません。
そう言えば、現在、建築資材として多用されている石膏ボードも、同様に処分費のほうが高額になると聞いたことがあります。
便利な反面には不便が潜んでいると言うことでしょうか。
その点、泥だけで巣を作るツバメは後のことなど考える必要もなく、気楽で良いものですね。

屋根裏に積んである木杭なども一旦降ろします。

予想はしていましたが、天井板はボロボロです。

とりあえずは物が片付いて、異様な雰囲気だった小屋内(土蔵の庇下に設置、元は鶏小屋)も明るくスッキリしました。

<続きます>