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井戸の再生(34)管防護カバーの作製・設置

前回、土間コンを復旧するとともに、散水栓(ボックス)を設置しました。

配管するため外壁に開口部を設けましたが、これが上写真のとおり開いたままの状態になっています。
これでは昆虫や小動物が建物(床下)に侵入します。
また、軒はあるものの暴風時には雨が入ってしまうおそれもあります。
そこで、これらを防ぐとともにパイプを保護するためのカバーを設置することにします。

こうしたカバーはさすがに市販されていませんので、自作せざるをえません。
耐候性があり、かつ加工しやすいものと言うことで、いつものトタン(ガルバ生地)を使って作ると良さそうです。

まずは、形状やサイズを検討します。

開口部を正面から見て、カバーのサイズは開口部よりひとまわり大きくします(隣接する床下換気口の位置に留意)。

<正面図>

側面側も、パイプ(給水管&排水管)をカバーするようにサイズを設定します。

<側面図>

カバーの形状は単純な直方体でも用は足りますが、薄い板とは言え、直方体の角が立っているのは見た目にも危なく感じます。
このため、正面側の1辺を面取りした形状にしています。

形状とサイズが決まったことから、上図をもとに展開図を起こします。

面取りしているため、展開図も少しややこしくなっています。
また、トタン板は914mm角のものが市販されていますので、そのサイズに収まるようにしています。
製図においては、一度でピタリとサイズが決まったわけではなくて試行錯誤しました。
こうした場合、CADによる製図は修正が容易で威力を発揮するように感じます。
もし、手書きで製図していたとすれば、横着な私のことですので、修正の手間を惜しんで材料のほうを大きなものに変えているに違いありません・・・。

図面ができたことから作製していきます。
トタン板を使った工作については、これまでにもブログにいろいろと書いていますので、今回は簡単に流れを示すに留めたいと思います。

まずは罫書き。

カット。

曲げ。

リベット接合(ハンドリベッター使用)。

取り付け箇所の加工。

取り付け(タッピングビス使用)。

完成。

<続きます>

井戸の再生(33)土間コン復旧と水栓ボックスの設置

前回、給水管と排水管を敷設しました。

給水管については、上図のとおり雨水排水路のキワに散水栓を設置することにしています。
散水栓は一般的に地面に設置したボックスのなかに格納されます。
ボックスは樹脂製の既製品が市販されています(2千円程度)。


(上写真は3年前に手水鉢用に設置したもの)

こうしたものを使っても良いのですが、今回の設置場所には石積みがあるため納まりが悪いように感じます。
そこで、これから行う予定の土間コンの復旧にあわせてコンクリートでボックスを作ることにします。
そうすれば、自由に形や大きさを決められますし、合成樹脂製の余計なものを買わずに済みます。

ボックスを作るには、その底高を決める必要がありますので、基準となる散水栓を取り付けます。
散水栓(Pjオネジ)は、塩ビ管に給水栓ソケット(Rpメネジ)を接続したうえ、それにねじ込んで取り付けます。

このとき、散水栓の最も高い箇所(ハンドル部分)が土間コンの天端より低くなるようにしています(散水栓が地面から飛び出していると蹴つまずいたりして危険なため)。

型枠を合板(端材)から切り出し、ボックスの内面側に当てます。

こうしておけば土間コンの打設の際に、この型枠の外にもコンクリートを流してやれば、ボックスが形成されることになります。

土間コンの基礎として砕石(+土間コンをハツったときに発生したものをミックス)を敷き均します。

生コンを練って打設(骨材に土間コンをハツったときに発生したものを再利用)。

面倒なのは、下写真のような端部の処理です。
手を抜いて雑に仕上げると、いかにも素人工事といった感じになってしまうため丁寧に仕上げます。

翌週末、型枠を外します。

底は土の状態で、このままでは雨などで土が流されてしまうため、底にモルタルを敷いておくことにします。
モルタルを敷く際に散水栓が邪魔になりますので、一旦取り外し、その代わりに栓を取り付けておきます(ゴミ等の侵入防止)。

必要となるモルタルは少量のためバケツで練ります。

狭小箇所につき柳葉コテ(上写真で左下、中塗り用)を使って仕上げます。

このとき、雨水排水路側(上写真で手前側)に若干勾配をつけ、ボックス内に水が溜まらないようにしています。

さらに翌週末、仮設の栓を散水栓に取り替えます。
今回は本設になりますので、ネジにシールテープを巻いて水漏れしないように取り付けます。

水栓及びボックスの完成です。

屋外部はこれで完成といきたいところですが、上写真のとおり外壁の貫通部があいた状態になっていますので、その雨仕舞いを行う必要があります。

<続きます>