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井戸の再生(44)立水栓設置と配管

前回で立水栓が完成しました。

参考として立水栓の作製に使った材料と要した費用を下表にまとめておきます。

材料はどれもホームセンターで入手できる一般的なものです。
費用については、安物の立水栓でも5,000円程度はすることから安価に抑えられたのではないかと思います。

立水栓が完成したことから予定の場所(下写真で朱色丸印)に設置することにして地面を掘ります。

深さは基礎コンクリートの天端が少し(1cm程度)地面から出るようにします。

こうした柱状のものは傾いていると変な感じがしますので、2方向から水平器で確認しながら据え付けます。

次に、立水栓から上流に向けて配管していきます。
配管ルートは下図のとおりですが、とりあえず芝張りができるように今春は朱色線の区間を施工することにします。

ところで、ブログでは一連の作業をまとめて書いていますが、実際には時間があいたときに少しずつ進めています。
この日は、とりあえず立水栓周りの埋め戻しができるだけ配管することにし(下写真で朱色点線)、その区間を掘ります(分割して施工すると継ぎ手箇所が多くなるため、本来は一度に施工するほうが良いです)。

塩ビ管(VP13A)を敷設。

配管自体は直管とエルボ等の役物を専用の接着剤(溶剤系)で繋いでいくだけで容易な一方、厄介なのは上写真のような樹木の根などの支障物です。
手戻りにならないためにも、ある程度の延長を掘ってから敷設するようにするのが良いと思います。

埋め戻しの際、パイプ周りは砂等を使ってパイプを保護するものとされていますので(施工要領)、掘削した土をフルイにかけ、それで埋め戻します(こうすれば砂を買ってくる必要がなくなりますし、土砂採取から山林を守る小さな一歩にも)。

あとはフルイに残ったもので埋め戻します。

縁石と苔の植栽も復旧しておきます。
今日の作業はここまでとして、パイプ内に雨水が入らないようにパイプ先端にキャップを取り付けて養生しておきました。

今回設置した立水栓を見ると、吐水パイプ(竹)の先端がもう少し低くなるようにしたほうが良さそうな感じです。

流し(水盤)に落ちた水は排水孔を通って(上写真で水色矢印)流出されるようになっています(移設時に石材屋さんが調整)。
排水は、今のところ排水路(3、4年前に整備した土水路)に流す考えですが、睡蓮鉢に入るようにして、ここでもハスやメダカを育てるようにしても面白そうです。

翌週末、引き続き配管していくことにして地面を掘ります(勾配はレベル)。

上写真で手前側に分岐箇所(チーズ)を設けていますが、これは将来的に、ここから配管を延長して芝庭にスプリンクラーをつけたいと考えているからです。
スプリンクラーは芝生への水やりが主目的ではなく、酷暑の夕方に散水して打ち水効果を得ようと言う思惑です。
分岐に要する材料費は100円もしない一方、後で追加しようとすると手間がかかりますので前もって分岐させておくことにしたのです。

塩ビ管(VP13A)を敷設します。

井戸の汲み上げポンプの設置もまだ先のことですが、分岐箇所(チーズ)を設けて地上部までパイプを出しておくことにします。

井戸ポンプへの立ち上がり部は、チーズ(T字管)を本管に対して斜め45°の角度で接合します(塩ビ管のエルボは90°と45°の設定しかないため、選択肢はいずれかの角度だけです)。

埋め戻します。

配管については今春はここまでとします。

立水栓は設置したものの、そこから水は出ないのです・・・。
井戸ポンプの設置は来年以降になるとしても、もうひとつの井戸の配管が近くまできているため、冷たい水が恋しくなる夏にそこまで配管を延長して立水栓や流しを使えるようにするかもしれません。

井戸の再生(43)立水栓の自作②

前回、立水栓を作ることにして、基礎のコンクリートを打つところまでできました。

その後、コンクリートが固まったため作業を続けます。

冬季の凍結防止のため保温材(パイプカバー)を全体に施しておきます。

その上にキャンバステープ(保温材の紫外線劣化防止)を巻きます。

上写真で止水栓のところはキャンバステープを巻いてありませんが、それは止水栓の継ぎ手箇所について通水試験を行って漏水がないことを確認しておきたいと思ったからです。
通水試験については、簡易的に井戸の揚水ポンプの圧を使って行いますが、問題はそれに今回作製の立水栓をどうやって接続するかです。
そこで、役立つのが以前に発見!?した散水栓の吐水口のネジ(G1/2)です。
これを使えば立水栓(R1/2)との間をフレキパイプ(G1/2)でつなげられます。

接続。

散水栓をあけると、当然ながら立水栓の吐水口から水が出ます。

立水栓側の止水栓を全閉にするとともに、散水栓を全開して立水栓に水圧をかけます。
この状態でしばらく様子をみます。

継手箇所からの漏水はなく問題なしです。

立水栓本体ができましたので、次に竹のカバーを作ります。
昨冬に伐採した竹のなかから、立水栓本体をカバーできる太さのものを探してきました。

鉈を使って半分に割ります(節も抜きます)。

止水栓のハンドル及び吐水パイプの取り付け箇所の穴をあけます(ホールソーを使用)。

吐水パイプ及び天蓋用の竹も加工します。

ところで、止水栓より先の配管は柔軟性をもたせるため散水ホース(下写真で朱色矢印)を用いています。

柔軟性はあるものの、実際に竹のカバーを取り付けようとすると変に動いてしまって具合が良くありません。
そこで、自在に変形でき、かつその形で固定されるフレキパイプに変えることにします。

フレキパイプ(袋ナット:G1/2)だと止水栓(Rp1/2)に直結できるため配管もシンプルになりました。

ただ、フレキパイプを使うことで心配なのは冬季の凍結時にどうなるかです。
気休めかもしれませんが、フレキパイプにも保温材を施しておきます(水が溜まる区間のみ)。

竹のカバーを取り付けます。

止水栓のハンドルが竹のカバーの外に出る形になります(メタリックなハンドルも竹や木製にする手も!?)。

天蓋と吐水パイプを取り付ければ立水栓の完成です。

見た目は竹の筧でありながら一般的な立水栓のように使えるようにしたのが今回工夫した点です。