井戸再生」カテゴリーアーカイブ

井戸の再生(18)竹の立水栓

昨年、井戸ポンプを設置した際に塩ビ管を利用して立水栓を自作しました。

塩ビ管むき出しで情緒のかけらもありませんが、いつかレンガを積んで化粧すれば良いと考えていました。
(それを見越して蛇口を取り付けている位置を柱の外面から離しています。)
その後、レンガを積まなくても、竹筒でカバーすれば簡単だし塩ビ管の紫外線劣化対策にもなるのではないかと思いつきました。

材料に使う竹(真竹)は年末に門松を作る際に伐って、そのまま山に置いてあります。

立水栓の柱として使っている塩ビ管(VPφ65)の外径はφ76mmですので、内径がそれ以上の竹が必要となります。
真竹は肉厚が小さいと言っても、これだけ太いものだと10mm程度はありますので、外径では100mm以上(>76mm+10mm×2)のものとなります。
外径100mmは真竹だと最も太い部類になります(孟宗竹だと外径150mmでも珍しくはありません)。
今回は外径108mm、内径88mmのものを使うことにします。

鉈で半分に割り、玄能で節を取り除きます。

立水栓の柱をカバーするように取り付け、棕櫚縄を巻いて固定します。

二つに割った切れ目が上写真手間側にきていますが、意外に目立ちません。

蛇口より上部については、二つに割るのではなく上から被せるようにしますが、蛇口の取り付け管(VPφ20、外径φ26mm)をかわす必要があります。
そこで、電動ドリルに取り付けたホールソー(φ25mm)で穴を開けて加工します。

加工したものを取り付けます。

うまい具合に納まりました。

全体像です。

流し側から見るとこのような感じです。

竹筒はいずれ劣化し取り替えが必要となりますが、それまでの間、中の塩ビ管を紫外線から守ってくれることでしょう。

ところで紫外線と言えば、ガス給湯器の配管部分のビニールテープが紫外線の影響でボロボロになっています。

上写真はそのビニールテープを剥がした状態です。
よく見ると断熱材にも亀裂が入っているところがありますので、断熱材が劣化しないように亡き父がビニールテープを巻いて養生したようです。
ビニールテープで養生してあったため断熱材自体はそれほど痛んでいませんので、同じようにビニールテープを巻いておけば良さそうです。
そこでホームセンターの配管資材コーナーでビニールテープを探していると、「ビニールキャンバス」なるものを発見。店員さんに尋ねると、これでも断熱材を保護できるとのこと。
色はブラックとグレーの2種類。ブラックが100円なのに対して、なぜかグレーは200円です。

このビニールキャンバスには糊がついていませんので、始・終点を両面テープなどで貼り付けることになります。
しかし糊がついていない分、作業が容易です。
雨水が浸透しないように下方から螺旋状に巻きつけていきます。

完成。

100円をケチって色をブラックにしたので、少し目立つような(^_^;

<続きます>

井戸の再生(17)地下水の流れ

前回、下図で井戸3とある古井戸の再生案を検討しました。

井戸1、2、3は下図のとおり地下水位高が同じであることから、同一の水脈であると考えています(あくまでも素人考えです)。

では、この地下水はどの方向に流れているのでしょうか?
地盤高は井戸1から3に向かって低くなっており、地下水の底となる不透水層も同様の勾配であると考えると、地下水は井戸1から3に向かって流れていることになります。

そう考えていると、その先の山裾に農業用のため池跡があることに気づきました。

ここは我が家の敷地ではありませんが、以前、土地の相続登記をおこなう際に法務局で交付してもらった公図(旧土地台帳の添付図)から地目が「ため池」の土地があることを知りました。
現状では薮と化しており、ため池があったとは思えません。
地元の長老に尋ねたところ、昔(昭和30年代頃まで?)は水田用に小さなため池があったと教えていただきました。

ということは、この周辺(山裾)から地下水が湧出しており、それを見た古人がここに農業用ため池を設けたように考えられます。


(水平・垂直方向の縮尺は異なります。実際の斜面は20°程度の勾配です。)

現地を確認すると農業用ため池らしき痕跡が残っています。

水は溜まっておらず、山側から湧水があるような気配もありません。
山は荒れ、井戸も使わなくなったことで、水みちも変わったのかもしれません。

井戸もため池も今の世にあっては無用の長物ですが、これらの遺構からは、古人が水の流れなど熟知し、うまく自然とつきあっていたことが偲ばれます。

次項も思いつき程度のものですが、地下水の流れがこの方向にあることを示しているのかもしれません。

  • 地下水の流出側になる山の斜面に竹が少ない
  • 下図で黄色の着色箇所は周囲に比べ竹が少ないです(感覚的に1/3程度の密度)。
    竹は成長に多量の水を必要にするにも関わらず、水の流れがあるところを嫌うということを聞いたことがあります。
    真偽は不明ですが、水の流れを嫌って竹が生えにくいのかもしれません。

  • 井戸の下流側にフキが群生している
  • 下図で緑色の着色箇所にはフキが群生しています。
    フキは沢筋など水が豊富で、半日陰のところに自生します。
    ただ、ここのフキは栽培種のような感じですので、戦前に祖父がこの場所に柿の木を植えたときにフキも植えただけなのかもしれません。
    それでも絶えることなく現在も群生しているということは水が豊富なのでしょう。

<続きます>