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井戸の再生(24)エアーリフトポンプ(改良)

前回、エアーリフトポンプの能力(揚水量)をアップすべく下図のとおり改良しました。

<当初>

<改良後>

揚水量をアップさせるには送気量を増やせばよいと考え、エアー源として当初のコンプレッサー(100L/min)に加えブロワ(80L/min)を稼働させられるようにしたわけです。
これにより最大180L/min程度の送気が可能です。

では、実際に稼動させてみます。
まずは、ヤフオクで落札したブロワ(ジャンク品)の動作確認を兼ねてブロワ(80L/min)のみを稼働させて揚水します。

写真では伝えられませんが、どういうわけかコンプレッサー(100L/min)使用時よりも勢いよく水が出てきます。
コンプレッサーよりも送気量が少ない(△20L/min)ため、揚水量は減るはずなのですが??

疑問に思いつつ、ブロワーに加えコンプレッサーも稼働させて(計180L/min程度)揚水してみると、揚水管の吐出口から出てくるのはエアーばかりで肝心の水が出てきません??

想定に反し、送気量を増やしても揚水量が増えないどころか、0(減少)になってしまいました。
今回の改良において揚水管(VPφ20)は変えていませんので、送気量を増やしたことでエアーの流速が早くなっています。
どうやら、この流速は大きくても小さくてもいけないようで、ある速度のときに最大の揚水量が得られるようです(ちゃんとしたデータを取って検証したのではなく、あくまでも感覚的なものです)。

当初、コンプレッサー(100L/min)の送気量だけでは少ないと考えたのですが、実は少ないどころか、揚水管(の口径)に対して多すぎたわけです。
エアーリフトポンプの改良は送気量を増やす方向ではなく、意外なことに減らす方向に行うべきだったのです。

ちなみに、揚水管がVPφ20(口径20mm)の場合、送気量80L/minで揚水量がmaxになるとし、そのときの流速(V=送気量×4/π/揚水管の口径^2)を求めると4.2m/secとなります。

V=80(L/min)×4/π/20(mm)^2=4.2(m/sec)

揚水管の口径に関わらず、この流速で最大の揚水量が得られると仮定すれば(実際にはこのように単純ではないと思います)、コンプレッサー+ブロワ(計180L/min)を稼働させる場合の揚水管の最適口径Dを求めることができます。

D=sqrt(180(L/min)×4/π/4.2(m/sec))=30(mm)

上記のとおり、揚水管を現在のφ20mmからφ30mmのものに変更すれば、コンプレッサー+ブロワの能力(計180L/min)を最大限発揮できるのかもしれません。

しかし、ブロワ(80L/min)だけでも井戸浚いには十分な揚水量のように感じています。
あと、この井戸は隣家の近くにある(我が家からは離れている)ためコンプレッサーだと大きな動作音が気になっていたのですが、その点、ブロワは静音です。
そんなことで、ブロワのみでエアーリフトポンプを稼働させ、井戸浚いを行っていくことにします。

井戸の再生(23)ヘドロ

井戸浚い(さらい)をするため、前回、エアーリフトポンプを試作しました。

今回は実際に動作させ、土砂混じりの水を揚水できるか確認することにします。

井戸の近くで作業することになりますので、安全対策(転落防止)として歩み板(ブリッジ)を使って足場を設けます。

エアーリフトポンプの揚水管(塩ビ管)を井戸内に入れ、コンプレッサーを始動。

ちゃんと揚水され、井戸底に近づけると土砂混じりの水が揚水されてきます。
写真のため動作状況を伝えることができませんが、通常のポンプ(水中ポンプやエンジンポンプ等)のように時間的に一定の流量があるのではなく、間欠的な揚水です。
動作状況を表現すると「ゲボー・・・(数秒)・・・ゲボー・・・(数秒)・・・ゲボー」のような感じです。

とりあえずは揚水できることがわかり一安心です。
ところで、井戸底から揚水される土砂混じりの水は、黒い泥状で、匂いが相当キツイです。
まさにヘドロなのです。
降雨時には地表面から土砂だけでなく枯れ葉なども流入していたはずで、それが腐ってヘドロ状になって井戸底に溜まっているようです。
先にポンプの動作状況を「ゲボー」と人が吐くときのような表現になったのは、このヘドロ状の水が勢いよく吐出されるのを見て、あたかも井戸が吐いているかのように感じたからなのです。

揚水管(塩ビ管)で井戸底の様子を探ると、凸凹があるようです。
凸部分を吸わせると土砂混じりの水ですが、凹部分でヘドロ状のものが出てきます。

コンプレッサーは空気吐出量が100L/min(0MPa時)のものを使っていますが、レギュレーター(流量調整)全開で揚水量が最も多くなるような感じです。
エアーリフトポンプで井戸浚いができそうなことはわかりましたが、土砂の堆積量が相当ありそうなことを考えると、揚水量をもう少し増やしたいところです。
そこで、今回の試運転の結果を踏まえてエアーリフトポンプを改良することにします。

揚水量を増やすには、(1)揚水管の口径を大きくすることと、(2)エアー量を増やすことが考えられます。
揚水管の口径とエアー量からは流速(=エアー量×4/π/口径^2)が決定しますが、エアーリフトポンプによる揚水には一定の流速が必要であるように(感覚的に)思います。
従って、揚水管の口径だけを大きくすると流速が遅くなり、その結果、揚水されなくなることがありえます。
そこで、揚水管の口径(φ20mm)は変えずにエアー量を増やすことにします。

追加のエアー源としては、浄化槽(曝気)用のブロワを用いることにします(現在、レギュレータ全開でコンプレッサーがフル稼動状態のため、ブロワと併用することによりコンプレッサー側の負荷を小さくしたいとの考えもあります)。
ブロワでも合併浄化槽用のものは能力が高く、80L/min(10kPa時)程度の空気吐出量があります。
新品を購入すると5万円程度しますが、ヤフオクでジャンク品(日東工器 LAG-80(N))を3千円弱で入手しました。

ブロワの配管はVPφ13相当ですので、散水等で使う一般的なゴムホースを接続することができました。
そこで、揚水管にはゴムホースを接続するように下図のとおり変更し、そのゴムホースへコンプレッサーとブロワから送気できるようにします。

<変更前>

<変更後>

揚水管(VPφ20)にチーズ(φ20×φ13)を取り付け、ゴムホース(内径15mm)を接続できるようにします。

ゴムホースの元側では、コンプレッサーとブロワのそれぞれからのエアーの流入させられるようにします。

コンプレッサー(100L/min)に加えブロワ(80L/min)を稼動させることで、最大180L/min程度のエアーを送気できるようになりました。