月別アーカイブ: 2021年4月

手押しカンナのメンテナンス(1)ベアリング交換

1年前、集塵機のメンテナンスとして電源コードの交換などを行ったブログ記事をUPしました。

先般、そのブログ記事に「とても参考になった」との嬉しいコメントをいただきました(^_^)
ブログ記事にするときは、ブログのテーマ(里山や古民家の再生)から離れているようにも感じ、どうしたものかと思ったのですが、こうして参考にしていただけたとのことで記事にしておいて良かったと思っています。
まあ、里山や古民家の再生には集塵機を含む各種道具が不可欠です。
その道具も再生と言うことで、今後は道具のメンテナンスも積極的に取り上げていきたいと思います。

ところで、私はiPhoneを使っているのですが、その液晶画面にヒビ割れが生じたため先日、自分で交換しました。
もちろん、私のような素人が自力だけで作業できるわけがなく、iFixit(修理を愛する人たちが作った、あらゆるモノへの修理ガイド)と言うサイトにUPされている詳細な手順を参考にさせていただきました。
このiFixitは「使い捨て消費社会からの脱却」(下図のリペアマニフェスト)を目指して様々なデバイスの修理情報を公開しています。

このリペアマニフェストに「修理できないのなら、所有していることにはなりません」とありますが、まさに同感です。
修理できないと言うことは、壊れた途端にゴミになると言うことです。
「ゴミを所有する」なんて表現しないように、そのようなゴミと紙一重のものは所有することにはならないと言うことなのでしょう。
iFixitが対象にするのはデジタル機器をはじめとする各種デバイスですが、同じことが大は住宅から小は玩具まで多くの物について言えるかと思います。
昨今、断捨離がブームになっているのには様々な理由があると思いますが、そのひとつにはこのような「所有している」と呼べないような代物に対する人々の潜在的な嫌悪感があるように思えてなりません。
一方、先にメンテナンスした集塵機を含む電動工具類は業務用と言うこともありますが、修理する前提で設計・製造されているのが本当に素晴らしいですし、こうしたものであれば「所有している」と呼んでも良いのではないでしょうか。

と言うことで、再びボロい電動工具(下写真の手押しカンナ)をヤフオクで入手しましたのでメンテして使えるようにしたいと思います。

手押しカンナについては、以前に自動カンナと一体になったものを所有していたのですが、使用頻度が少ないことから処分(ヤフオクで売却)しました。
しかし、小物をちょっとカンナ掛けする場合などに便利だったなあ・・・と処分したことを後悔して今回、場所を取らない小型のもの(切削幅5寸)を買い直しました。
買ったのは上写真のとおりかなり汚いだけでなく、肝心のカンナ刃や安全カバーも無くなっていて、このままでは使える状態ではありません。
しかし、この手押しカンナも修理が可能な製品で、必要な部品をメーカーから取り寄せられます(部品代は1万円もかからないとして本体の購入金額とあわせて2万円以内に収まるだろうと目論んだわけですが・・・)。

とりあえずモーターの動作を確認するためスイッチを入れてみると爆音が!!
単に音が大きいだけでなく、あきらかに異音で、私のような素人でも主軸かモーター軸のベアリングが逝っているのがわかります(涙)
そう言えば、出品者の説明に「少し動作音が大きい感じがします」とあったのを思い出しました。
恐るべしヤフオク・・・。

この調子だとほかにも悪いところがありそうですので、全て分解して確認することにします。
まずは、定盤を筐体からはずしたうえ、定盤の裏に取り付けられているモーター(下写真で紺色)及びカンナ屑排出用の筒(下写真で黒色)をはずします。

そうするとカンナ胴が現れ、その両側にベアリング(下写真で朱色矢印)があることがわかります。

上写真で奥側(プーリーの付いていないほう)のベアリングを側面から確認すると・・

ベアリングの各ボール間にある保持器が壊れたり無くなってしています。
それに、このような機械で使われるボールベアリングは普通側面がシールされているはずで、そもそもこうやってボールが見えること自体おかしいです。

反対側のベアリングはプーリーの奥に位置して確認できませんし、いずれしてもベアリングを交換する必要があるため主軸(カンナ胴の回転軸)を定盤からはずします。

ベアリングを引き抜く前にプーリーを何とかする必要があり、ベアリングのように軸に差し込んであるのだろうと思って引き抜こうとするもビクともしません・・・。

こうした場合によくやってしまうのが力任せに作業して部品を痛めたり壊してしまうことです(怪我や事故につながる可能性も)。
急いで作業する必要は全くありませんし、こうした場合は一旦作業を中止するのが吉です。
そうすると意外と新たな考えが思い浮かぶもので、今回の場合、プーリーの回転と逆方向のネジで取り付けられているのではないかと思いつきました。
実際やってみると、そのとおりで、無事取り外せました!(主軸側:正ネジ、モーター側:逆ネジ。下写真で主軸の先端にネジ切り加工が施されているのがわかります)。

プーリーを無事はずせたので、本題のベアリングです。
ベアリングについては専用の治具(アマチュアベアリングプーラ。下写真で左側)がありますので、それを使って引き抜きます。

ベアリングの状態を確認すると、プーリー側のベアリングについては特に問題なさそうですが、こうしたものは両側同時に交換するのが基本かと思います。
また、ベアリングは主軸だけでなく、モーター(アマチュア軸)にも使われていますので、この機会にモーター側のベアリングも新しいものに交換しておくことにします。

<続きます>

自然農:簡易温室の作製

自宅に隣接する畑ではダイコンなど冬野菜の花が咲き誇り、春爛漫と言った様相です。

このところの菜種梅雨がこれらの花をさらに咲かすとともに、夏草の発芽も促しているのでしょう。
と言うことで、夏野菜栽培に向けて準備することにします。
畑は自然農(不耕起、無肥料、無農薬)で耕作しており、基本的には直播き(目標は自生)ですが、雑草に負けないように苗をたてるものもあります。
また、畑の地力が少しずつ増してきており、昨年からは多肥を要するナスも収穫できるようになってきました。
ナスは自家採種してありますので、それから苗を作るつもりですが、どうしても収穫時期が遅くなるため温室で育苗したいと思っています。
温室については畑にビニールトンネルを作る方法が簡単な一方、水遣りする際にビニールをまくらなければなりません。
そこで、容易に開閉できるビニールトンネルとして下図を考えました。

割り竹を土に挿して固定する代わりに角材で組んだ枠に挿そうと言う考えです。
大きさは中にビニールポット用のトレイ(または育苗箱。サイズ:60cm×30cm程度)を2個入れられるようにしています(1,400mm×550mm)。

早速作ることにし、まずは割り竹を固定する枠から作っていきます。
この材には野縁材(40mm×30mm程度)を使うのが良さそうに感じましたが、ここは安価な胴縁材(40mm×16mm)を2枚貼り合わせることにします(→40mm×32mm)。
費用面のメリットに加えて、こうすればノミで穴を掘らずとも溝切りにより固定用の穴を設けられます。

4mものの胴縁材を2本購入し(300円/本×2本=600円→今回の材料費)、所定の寸法で切断。

固定用の穴(24mm×6mm)を設けるため深さ3mmの溝を切ります(片側3mm×2=6mm幅の穴)。
溝切りは、いつもならテーブルソーを使うところですが、今回は先般入手&修理したスライド丸ノコを使ってみます。

スライド丸ノコにはノコ刃を降ろす際に一定の高さで止めるストッパーが付いています。
これを使えば溝切りができるわけで、一度この機能を試してみたかったのです。
溝切りできる長さが限定されるものの、テーブルソーのように送材しなくて済む分、安全に作業できるように感じます。

こうして溝切りしたものをボンドと釘を併用して貼り合わせます。

そして、枠に組みます。

角材どうしは相欠き(これもスライド丸ノコを使って加工)により組んでいます。

相欠きなら分解も容易です。
この簡易温室を使うのは1年のうち2ヶ月程度ですので、使用しないときは分解して保管したいと思っています。

続いて、今シーズンの里山整備で伐採した竹を適当な幅(穴の長さ24mm弱)で割って割り竹を作ります。
そして、割り竹の両端を角材の穴に挿し込んでトンネル状に組みます。

ガスバーナーで竹を炙ったこともありますが、竹の表面が油で光って、いかにも雨を弾きそうです。
これを見て、木部をどうしようかと思い始めました。
廃油でも塗っておけば十分なのでしょうが、生憎無いため木材防腐剤(クレオトップ)を塗っておくことに。

そして、透明のマルチシートを張って完成です!

マルチシートと言えば、亡き父が購入したものが大量にあったのですが、私は使わないため(廃棄するのが厄介。そもそも自然農では不用)欲しい人にあげるなどしてほとんどを処分しました。
透明のものを1本だけ残してあったのですが、父亡きあと初めて使います。

こうして完成した簡易温室を現在育苗中のポット苗に被せて保温します。

簡易的なものですが多少は効果があることでしょう。