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井戸の再生(48)井戸ポンプの電源を検討

前回で配管が完了し、今春設置の水栓(筧風)を使えるようになりました。

そして、配管からの漏水も無かったためパイプを敷設するために掘った溝を埋め戻し始めました。

さらに埋めて元の高さ(雨水排水路の底)にまで戻しますが、その前にどうしようかと考えていることがあります。
それは電気の配線です。
と言うのは、将来的には下写真のとおり1号井に電動の揚水ポンプ(P)を設置する計画で(現在、水栓から出ている水は2号井のもの)、その電源が必要になるからです。

ところで、井戸に電動ポンプを設置すると言うと、家族からも「井戸は地震時等の非常用水源になると言っても、地震が起これば停電になってポンプも使えなくなるから意味がない」と言われます。
確かに地震時には停電してポンプが動かなくなりますが、そのときは昔のように井戸(掘り井戸)にバケツを放り込んで汲み上げれば良いだけです。
ポンプが動かないことで水栓やシャワーを使えませんが、非常時にまず必要なのは飲料水(1人1日3リットル)です。
一方、井戸があるからと言っても普段使っていなければ水が滞留してとても飲めるものではありませんし、そもそも水みちが変わって井戸が枯れている可能性もあります。
ポンプの有無よりも普段から井戸を使うことが、地震等の非常時対策として重要なことのはずです(かと言って、私は地震対策のためアレコレしているわけでなく、こうして井戸の再生を行うのはあくまでも自然に近い生活を目指すためです)。

いずれにしても電動ポンプには電源が必要になります。
その電源を得る方法として次の2案を考えています。

  • 商用電力:主屋(分電盤)からポンプまでケーブルを敷設(下図で緑色線)
  • 太陽光発電:車庫の上に太陽電池パネル等を設置。ポンプまでケーブルを敷設(下図で朱色線)

太陽光発電のメリットはやはり地震時等の非常用電源になることです。
地震により停電や断水になっても暖かいお風呂に入れますし、シャワーも使えます(地震でお風呂がある古民家自体が倒壊しているかもしれませんが・・・)。
ちょうど、今夏このブログをご覧になって我が家に見学にみえた方が太陽光発電に興味をお持ちだったため、情報交換できればと思って設置予定のポンプ(荏原 20HPE0.15S)用に下図のシステムを考えてみました。

システムの詳細については省略しますが、ポンプ(定格245W。始動電流5.7A)の運転に必要となる最低レベルの仕様になります。
で、気になる費用ですが、太陽電池パネル自体は随分と価格が下がり、上図のものだと1万円未満で入手できるようになっています。
ただ、バッテリー(1.3万円)やインバータ(1万円)なども必要になり、システム全体の費用(ポンプを除く)を積算すると10万円近くかかるような感じです。
一方、商用電力の場合、電力会社に支払う電気料金は年間1,500円程度です(消費電力量:54kWh/年。単価:30円/kWh)。
いずれは自家発電も行いたいと考えていますが、費用だけでなく整備やメンテにかかる労力を考えると、とりあえずは商用電力を利用することにしてポンプの設置を優先するのが良さそうです。

商用電力を使うには主屋(分電盤)からポンプまでケーブルを敷設することになり、そのルートは前回敷設したパイプに並行させるのが最短になります(下図で緑色線)。

パイプの埋め戻しはまだパイプ周りだけですので(下写真は埋め戻し前)、この機会にケーブルも埋設しておくことにします。

井戸の周りには庭木があり、それらの根がケーブル敷設の支障にならないか試掘して確認しておきます。

特に問題なく敷設できそうですので、パイプとともにケーブルも敷設しておくことにします。

<続きます>

井戸の再生(47)連絡配管と通水

1号井側と2号井側の配管を連絡すべく、前回、2号井側の配管を分岐するところまでできました。

今回は反対の1号井側から行なっていくことにします。

1号井側の現状は下写真のとおりです(写真は今春撮影)。

既設のパイプ(VP13A)から朱色点線のとおり延ばしていきます。
ただ、問題はこの直後にパイプを横断する形で通路があり(下写真で水色矢印)、そこにU字溝(蓋付き)が設置されていることです(下写真はパイプを敷設するためU字溝を一時撤去した状態)。

この箇所で地面とパイプ(天端)との高低差を測ると約25cm。

これに対してU字溝の高さが約20cm(蓋部分を含む)あります。
つまり、U字溝とパイプが接触することはないものの両者間のクリアランスが5cm程度しか確保できません。
パイプへの影響を考慮するとパイプをあと10cm程度深くしたほうが良さそうです。
そこで、下図(縦断図)のとおり配管し、U字溝とパイプとのクリアランスを15cm程度確保することにします。

あと、配管の勾配を変えるには役物(エルボ等)を使いますが、その際、チーズを使って分岐させておくことにします。
と言うのは、この近くに車庫があるため将来的に洗車用の散水栓を設置できるようにしておこうと思います(後になって分岐させるのは前回のように手間がかかる一方、分岐にかかる材料費は100円もしません)。

文章やイラストで説明するとややこしく感じますが、下写真のとおりパイプを組むだけです。

これを1号井側の既設パイプに繋げます。

これから2号井側に向かってパイプ(VP13A)を敷設していきます。
U字溝を下越しするところは水平に敷設。

U字溝を越せば、少し勾配をつけて元の高さに戻していきます(エルボ等の役物は使用しません)。

そして、先に分岐配管した2号井側のパイプに接続します。

これで1号井側と2号井側が繋がったことになります。

パイプを埋める前に継ぎ手部から漏水がないか確認しておきます。
2号井側から通水して水圧をかけても漏水はなく一安心。
そして、今春に設置の水栓(筧風)を開くと水が出てきました!

この流しに井戸水が注がれるのは半世紀以上ぶりかと思います。
井戸水と言っても隣接する井戸のものではないのが少し残念ですが、それでも感慨深いものがあります。

それはさておき、作業を続けます。
掘ったときの土でパイプを埋めますが、パイプ周りは小石等を取り除いておきます。

一時撤去した石積み(一部)も復旧。


<続きます>