前回、位牌のデータを印刷して蛇腹式に綴じるところまでできました。
これに表紙をつけて本体を保護することにします。
市販の過去帳の表紙がどうなっているか確認すると高級感があるものの、いかにも抹香の臭いが漂ってきそうな感じです!?
今回これと同じサイズで作っているため、これから表紙だけを切り取って流用することもできます。
しかし、ここまできたら表紙も自作するしましょう。
表紙に使う材料は加工のしやすさや耐久性から木材が良さそうです。
何か良い木材はないかと考えて思い浮かんだのが、以前伐採した庭木(チャボヒバ)です。
既にこれを使って表札や傘掛け(の土台)を作りましたが、まだ残っているのです。
下写真は傘掛けを作ったときに撮影した断面ですが、庭木で苛めてあるため年輪が詰まっています。
これなら緻密な木目の板材が取れそうです。
早速、バンドソーを使って挽きます。
今回は表紙用に薄板が2枚必要になります。
できるだけ芯材(赤身)部分になるように中央付近から約12mm厚で2枚取りました。
これを自動カンナにかけて9mm厚の薄板に仕上げます。
板厚が薄いため反りを心配しましたが大丈夫でした。
続いて、所定の寸法で長方形に切ったうえ面取りを行います。
トリマーを使って面取りとともに飾り加工も施します。
サンドペーパーで磨いて仕上げます。
節が入ってしまったものの、木目の緻密さが年月を感じさせ、過去帳の表紙として良い感じになりました。
再び市販の過去帳を確認すると表紙にはタイトルを書けるようになっています。
おそらく、ここには「○○家過去帳」と書くのでしょう。
今回の表紙にも文字入れすることにしますが、やはり木材には彫刻したいところです。
しかし、表札の場合と違って文字のサイズが小さくなるため彫刻するのはかなり難しそう・・・。
「電熱ペン」(1万円程度。ウッドバーニング)を買って文字を焼き付けるしかないかとネットで調べていると、最近は同じ位の金額で「レーザー彫刻機」(DIY用)を購入できるようになっているとの情報を入手!
レーザー彫刻機はレーザー光線を照射して彫刻するもので、木材のほかにも竹や皮、プラスティック等にも彫刻が可能です。
今回の文字入れだけでなく、いろいろと活用できそうなので、AliExpressで下写真のものを購入(1万円弱)。
おもちゃレベルのもので期待はしていなかったのですが、試しに彫刻してみると全然綺麗に彫刻できるではありませんか(ただし、耐久性は??)。
表紙の板にも彫刻。
これで表紙自体は完成です(塗装は行いません)。
次に、これを先に作製した過去帳本体に取り付けます。
本体の前後には空白のページをそれぞれ1ページ設けてありますので、そのページに糊付けして表紙を接着。
紙と板との接着はデンプン糊を使うと綺麗に仕上がるのですが、今回は強度を優先して木工ボンドを使用しました。
さらに、この上に「きき紙」を貼って仕上げます。
きき紙には下写真の図柄入りの和紙を使うことにします。
今度はデンプン糊を使って貼ります(前もって霧吹きで水分を含ませておくと貼り付けたときにシワになりません)。
そして、過去帳の完成です!
これで過去帳は完成しましたが、位牌から過去帳に移行するには菩提寺のご住職に次の法要をお願いする必要があります。
- 位牌からのお性根抜き
- 過去帳へのお性根入り
たまたま現在、菩提寺の役員を務めていることもあってご住職にお願いしやすいのですが、これらの法要は仏壇仕舞い(仏間への棚(机)の設置)にあわせてお願いしようと思っています。
と言うことで、棚(机)の設置についても早い時期に行うようにしたいと思っています。