5年前に主屋の改修工事が一段落して少し余裕ができたことから毎年、春の陽気が良いときに庭の整備を進めています。
具体的には砂利敷きのところを芝で緑化するとともに、人が通るところは昔あった敷石(石畳)を再生しています。
下写真は3年前の状態で、既に主屋側の一部は芝生になっています。
この庭の整備にあわせて上写真に写っている井戸の周辺(笹薮状態・・・)も整備し、将来的にはこの井戸(1号井)も再利用するようにしたいと考えています(2号井は既に使用しています)。
井戸の再利用にはポンプの設置やパイプの敷設が必要になりますが、芝を張るとパイプの敷設が面倒になるため、昨春の芝張り(下写真で青色のネットを被せてあるところ)では井戸側は保留しました。
井戸の再利用はまだ先のこととしても、とりあえずパイプだけは敷設しておかないと庭の整備を進められません(下図で朱色破線内が今春の予定箇所)。
そこで、パイプを含む設備関係の計画を立てることにします。
井戸水を主屋で使えるようにするため、井戸の近くに電動の汲み上げポンプを設置するとともに主屋まで配管します。
また、井戸の隣には天然石の流し(下写真)があるため、配管を途中で分岐させて流しの近くにも水栓を設けることにします。
ちなみに、この井戸と流しを昭和30年代に撮影したものが下写真です(流しの位置が現在とは異なります)。
井戸に蓋はされていないものの、使われている様子はありません。
当地では昭和30年代に簡易水道が供用されていますので、それに伴い井戸が使われなくなった頃のようです。
上写真は亡き父が撮影したもので、わざわざ写真に撮るぐらいですので父もいずれは井戸や流しを再利用したいと思ったいたのかもしれません。
井戸が使われなくなって半世紀以上が経過し、今、再利用に向けて動き出せることを思うと感慨深いものがあります。
井戸と流しの位置関係を示すと下図のとおりになりますが、これだと使い勝手の良いところに水栓を設置できないだけでなく、ポンプの設置場所にも悩みます。
水栓やポンプの設置場所を考えると、下図のとおり流しを前方に移設させたいところです。
しかし、問題は相当な重量がある流しを移動できるかです。
流しの重量は大きさから1t近くあると思います。
とりあえず長い鉄パイプをテコにして試してみると少し上がりました(持ち上げた際、下写真で朱色丸印の石を詰めてみました)。
しかし、人力(1人)ではこれが限界で、流しの移設については業者(重機使用)に頼んだほうが良さそうです。
今春の施工箇所でもう1点検討すべきなのが、通路部の敷石(下写真で朱色点線)です。
既設箇所はゴロタ石を並べて石畳のようにしてあります(下写真は施工時)。
このときは昔あった敷石(埋まっていた)の再生だったため材料のことを考える必要がありませんでした。
しかし、今回は新設になるため材料を準備する必要があります。
ゴロタ石は敷地内にあるものの、手頃な大きさで、しかも敷石用に平らな面をもつものとなると足りそうにありません。
そこで、何か使えないかと考えて思いついたのが下写真の石材です。
これは昔、米倉の踏み石(沓脱ぎ石)に使われていたもので、戦後間もなく米倉を解体して以来、ここに置いてあるのだと思います。
草刈りの邪魔にもなり、なんとかならないものかと思っていたのです。
形は土台の基礎に使われる延べ石に似ていますが、それよりも大きくて(断面:240mm×170mm)重いです。
敷石にするにはこれほど大きい必要がありませんし、何より重くて扱いにくいです。
上写真で朱色点線で示す箇所で挽き割って半分の大きさ(170mm×120mm)にすれば軽くて扱いやすくなりますし、倍の面積を敷石できます。
しかし、こちらも問題は半分に挽き割れるかです。
短手方向であれば、これまでに何度かやっているようにダイヤモンドカッターとタガネを使ってできるとしても長手方向はさすがに無理なので馴染みの石材屋さんに頼むことにします。
実は、このあたりのことは昨春の庭整備後に進めており、昨年中に石材屋さんに切断してもらってあります。
半分に挽き割ったことで4個になりましたので、これを下図で朱色のとおり通路の縁に配置することにします。
ちなみに踏み石の切断は石材屋さんの工場において行われたのですが、その往復の運搬にユニック(クレーン付きのトラック)が使われました。
クレーンがある!と言うことで、そのときに流しを吊って下写真のとおり移設してもらいました(石材屋さんだけあって石の移設もお手の物でした)。
これでパイプを敷設する準備が整いました。
上写真で配管ルートの一部を掘ってありますが、これは庭木の太い根が横断しているため敷設の支障にならないか試掘して確認したものです(結果、根の下に敷設することに)。