耕作放棄地の再生(31)「風の草刈り」の先へ!

自宅裏の里山の整備を1月中にほぼ終えられたことから、2月からは下写真の水田(朱色破線内)と、それに隣接する山林(一部)の整備を始めることにしました。

水田部分については長年(約30年間)の耕作放棄によりノイバラや篠竹のジャングル状態になっていたのを、4年前から少しずつ手入れし続けた結果、現在、隣地(休耕)と同程度の状態にまでなっています。

年3回定期的に草刈りをすることで、ノイバラや篠竹が姿を消するとともに草刈りに要する労力も減ってきています。
しかし、約1反(1,000m2)の面積を草刈りするには平均5時間程度を要します(→年間では5h×3回=15時間)。
労力だけならまだしも、もちろん刈払機を用いるため、その燃料としてガソリンを消費します。
環境負荷の低減を目指しているはずが、ガソリンを耕地にばらまいているような状況に矛盾と徒労感を感じざるをえないのが正直なところです。
また、草刈りの労力や刈払機の燃料消費はたかがしれているとは言え「塵も積もれば山となる」。
それがボディブローのように効き、現在の田舎の疲弊感にも繋がっているように思います。

そんなことで、できるだけ草刈りかかる労力や化石燃料を減らすべく、一昨年から「風の草刈り」(超高刈り)の手法を取り入れました。
その結果、草刈りに要する時間は次のとおり変化しました(過去のブログ記事が役に立ちました^_^)。

時期により草刈りにかかる時間は異なりますが、「風の草刈り」を取り入れることで3分の2程度に縮減できたことになります。
「風の草刈り」は超高刈りのため草刈り直後の見た目は悪いですが、ひと月も経てば低刈りした場合と変わらない状態になります。
さらに高刈りにより植生の変化も生じ、成長点が低いイネ科の雑草が劣勢になるとともに、ミゾソバなどの広葉雑草が優勢になり、かなり面積を占めるようになってきました。
下写真は昨年7月上旬の状態で、朱色破線で囲む箇所でミゾソバとセリが群生しています。

ミゾソバの草丈は下写真のとおり比較的低く(50cm程度)揃っています。
ミゾソバは牛の好物のようですが、見た目も柔らかい感じで悪くありません(牧草地に見えなくもない?)。

このため、昨年7月に草刈りした際は、ミゾソバやセリの群生地については「風の草刈り」よりさらに高刈りにして頭を揃える程度に留めました(庭木を刈り込むような感じ)。

その草刈り後の状態が下写真です。

見た目も悪くありませんし、草刈りに要した時間が2時間(田面だけなら1時間強)とさらに省力化を図れました。

それから2ヶ月後の9月上旬の状態が下写真です。

ミゾソバの勢力範囲がさらに広がっています。
草丈が低くて揃っているうえ色も綺麗なため、ミゾソバの群生地は高刈りすらする必要がないような感じ。
そこで、隣地との境界(土手)やセイタカアワダチソウなどが生えているところだけを草刈りすることにしました。

完了。

9月の草刈り時には草が硬くなってきているため、いつもは草刈りに時間がかかるのですが、今回は2時間もかかわらず終えられました(何しろ大半の面積は草刈りしていないのですから)。

そして、現在(2月上旬)の状態が冒頭と同じ下写真です。

イネ科等の雑草が生えていたところは9月の草刈り後に伸びたものが立ち枯れしていますが、ミゾソバの群生地は枯れて何も無かったかのようにスッキリしています。

草刈りの所要時間について、先の表に追加すると下表のとおりになります。

5月上旬の草刈りは1時間程度でできそうですので、年間では5時間(=1h×1回+2h×2回)となります。
当初の15時間(=Ave.5h×3回)に比べると1/3に縮減できたことになります。
そして、刈払機の消費燃料も所要時間に比例して1/3になります。
刈払機は1時間当たり0.5リットル程度のガソリンを消費するとして削減量を計算すると

(15h − 5h)× 0.5L/h = 5L

年間5リットルものガソリンを無駄にせずに済んだことになります。
ついでに、これを二酸化炭素排出量に換算すると

5L × 2.32kg-CO2/L = 11.6kg-CO2/L
11.6kg × 509L/kg = 5,904L

たかが草刈りと言えども、6,000リットル近くもの二酸化炭素排出を縮減できたことになります!
万々歳と言いたいところですが、それでも刈払機を使うことで3,000リットルの二酸化炭素を排出するわけですので、あくまでも化石燃料による二酸化炭素排出量0(人力!?)の方向を目指していきたいと思っています。

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