月別アーカイブ: 2018年7月

耕作放棄地の再生(25)風の草刈り

再生中?の耕作放棄地について、5月上旬に今年初めての草刈りを行ってから2ヶ月が経とうとしています。

<5月上旬:草刈り直後の状態>

草刈りは下記のスケジュールで年3回行うことにしていますので、今年2回目の草刈りを行うことにします。

今の時期は草刈り最盛期でもあり、週末は田圃関係や地区の草刈りの予定が入っているため、平日に早起きして少しずつ(1時間程度)進めていくことにします(人家から離れているため早朝でも刈払機のエンジンを回せます)。
で、現状は・・・

2ヶ月の間に草丈が1m近くまで伸びています。

ところで、以前に自宅敷地内に排水路(土水路)を設けた際、「大地の再生講座」のアイデアを拝借してコンクリート殼を再利用したことがあります。
大地の再生講座ではほかにも様々なことを実践されてみえ、その中のひとつに「風の草刈り」と呼ばれるものがあります。

水脈整備と風の草刈りで変わったこと(大地の再生〜百田みたからの集い 岡山/2)」(囲炉裏暖炉のある家 tortoise+lotus studio)

上記リンク先に詳しく紹介されていますが、「風の草刈り」とは風で草が揺れる高さで刈ると言うものです。
風で草が揺れる高さと言えば、草の種類や生育状況によって異なるとは言え相当な高さ(例えば地際から30cm)になります。
私自身、農地の草刈りは高刈り(5〜10cm程度)で行っているものの、それとはレベルが違う高さです。

風の草刈りを行うと、その後の草の成長が穏やかになるとありますが、確かにそうなるように思います。
と言うのも、庭木の剪定においても弱く剪定するほど、その後の伸びが小さくて樹木が落ち着く(強く剪定するほど徒長枝が多く出て木が暴れる)ことを実感しており、同じ植物の草も同じはずだと思うのです。
大地の再生講座を主宰する矢野智徳氏は造園技師とのことですので、もしかすると樹木から着想を得られたのかもしれません。

そんなことで風の草刈りの手法により草刈りしていくことにします。

<1日目:7月2日>

風で揺れる高さを目安にして刈るわけですが、風で揺れるところは柔らかくて刈りやすいところでもあり、一般的な高刈りよりも力を要さずに刈っていけます。
このため、刃を戻すとき(左→右)にも刈ることができて作業が捗ります。
1時間で田面(約1反)の1/3(333m2)程度が完了。

<2日目:7月3日>

<3日目:7月5日>

3日目(延べ3時間)で田面部分が終わりました。
昨年はブログ記事を確認すると5日(延べ5時間)かかっていますので、風の草刈りは省力化の面でも効果大です。

今週末には当地区の共同作業(草刈り等)があり、それまでに所有地の隣接箇所(道沿い)の草刈りを各自で済ませておくことになっています。
そこで道沿いを草刈り。

<4日目:7月10日>

ここは路肩が斜面になっていますが、特にこうした場所は路肩の保護のためにも定期的な草刈りが大事なのだと思います。

ほかにも山裾部分などを刈って完了。

<Before>

<After>

相当な高刈りのため地際で刈った場合に比べて見た目は悪いですが、以前のジャングル状態に比べたら良しとしましょう(^_^)

作業が早く終わって時間があるため、近くにある墓地(地域の共同墓地)にも寄って草刈り(芝刈り)をしておきます。


(5月上旬に撮影した写真)

芝が綺麗に生え揃い、一見するとどこの高級墓苑!?かと見間違えてしまうかも?

芝はもちろん高麗芝などのような園芸種ではなくて自生の野芝です。

定期的に草刈りが行われることで刈り取りに強い芝が残り、美しいターフが形成されるわけです。
ちなみに2年前、主屋(古民家)前の砂利敷きだったところを芝庭に変えましたが、実はこの墓地の芝が剛健に生育しているの見て決めたのです。

以前はろくに墓参りをしていなかったのですが、近くにある田畠を管理するようになってから必然的に足を運ぶ機会が増えました。
そう考えると今年、近くにある畑の管理が我が家の手に返ってきたのも、墓参も定期的に行うようにと言うことなのかもしれませんね。

<続きます>

果樹園の再生(21)ミカンの移植(実生木&接ぎ木)

前回、モモなどを接ぎ木する際の台木にしたいと考えてウメの種を播きました。

同じようにミカンの台木とするため、今春(4月初頭)にはユズの種を播きました

このユズはその後発芽して現在、下写真の状態にまで成長しています。

このポットは野菜用の小さなものですので、より大きい竹製ポットに移植することにします。

ところで、接ぎ木してまでミカンの苗木を作ろうとしているのは、一昨年と昨年に植え付けたミカンの成長が芳しくないためです。
幼苗時のミカンは寒さに弱いとのことで、咋冬は藁コモで囲って防寒対策を講じました。
その甲斐もあって今春にはたくさんの若葉が出たのですが、それも束の間、すぐに虫に喰われてしまいました。
そして、遂には最も弱っていたものが枯れてしまいました・・・。

この枯死したミカンは下図で33番のデコポンになります。

ここは風下(冬季)に隣家があるため、落ち葉のことを考慮して常緑樹のミカンを3本配置してあります。
枯死したもの以外の2本についても、やはり樹勢が弱くて若葉が虫に喰われている状態です。

実は一昨年にミカンの苗木を植え付けた直後から、同時期に植え付けた落葉果樹に比べて樹勢が弱いことを感じていました。
このため、昨年は違う場所(上図で39番)にもミカンを植え付けてみました。
そして1年経過後の現在、39番のミカンは樹勢が強く、既に一昨年に植え付けたものより大きく成長しているのです。

若葉もたくさん出て、しかも全く虫に喰われていません。

このことから、枯死したミカンがあったところはミカンの生育に適していないに違いありません。
そこで、辛うじて生き残っている2本(上図で32番、38番)を、梅雨が明ける前に39番の近くに移植することにします。
配置は下図のとおりとし、西側(左側)からデコポン(39番、H29)、伊予柑(32番、H28)、宮川早生(38番H29)の並びになります。

まずは伊予柑を移植。

移植した伊予柑は若葉が虫に食われてほとんど無い状態です。
木の大きさも一昨年の植え付け当初からほとんど変わっています。
今回の移植により樹勢を回復してくれるのを祈るばかりです。

続いて宮川早生を移植。

ちなみに上写真に写っている白いボール玉のようなものはニンニク(野草化)の花です。

宮川早生の根元からはトゲのある枝が伸びています。

このトゲのある枝はカラタチですので、やはりミカンの台木にはカラタチが使われているようです(昔はユズやナツミカン)。
このままではカラタチの木になってしまいますので、挿し穂側(宮川早生)に栄養が行くようにヒコバエを切除しておきます。

今回のことで、同じ敷地内であっても適地・不適地がありえることを痛感しました。
ちなみに、枯死したミカン(下写真で朱色矢印)があったところの近くに今春、サトイモを移植したのですが、ミカンとは対照的にすこぶる調子が良いのです。

また、付近には雑草のミゾソバが生えてきていることからも、ミカンにとっては水分過多の土壌だったようです。
直下流に馬小屋跡があり、その土間コンが排水を阻害しているようにも思えますが、これを逆手にとって湿潤なところを好む?イチジクを植えてみると良いかもしれませんね。