月別アーカイブ: 2018年4月

里山再生:シキミの植え付け

先般、枯死したスギの木を伐採し、その前後に土留めを施しました。

この近くには大きなクリの枯れ木があったのですが、これも既に伐採しました。

このクリの伐採跡の周囲には空いている(フキの自生地)ため、クリに代わる樹木を植えることができます。
これまでは近くにスギの木があり、これを伐倒するときのことを考えると新しいものを植えづらかったのですが、伐採したことで安心して植えられるようになりました。

で、何を植えるか?です。
果樹にしたいところですが、この場所は東側の離れと西側の里山に挟まれているため日当たりが良くありません。

日陰でも果実が生るような果樹があれば良いのですが、そうしたものは思いつきません。
以前クリの木があって、たくさん実っていたのが不思議に感じますが、昔の離れは平屋で、その屋根を超えて大きくなっていたため日照が得られたのでしょう。
かと言って、屋根を超えるほど大きくなれば、落ち葉により雨樋掃除に苦労することになりかねません。
そう考えると、常緑で、少なくともクリのように大木にならない樹木にするのが良さそうです。

そのような樹木で、しかも実用的なものとして思う浮かぶのが神事に用いられる「サカキ」です。
しかし、サカキは既に庭にありますし、里山にも自生しています。
では、仏事用の樹木と言えば「シキミ(当地ではシキビ)」や「ヒサカキ(当地ではビシャコ)」です。
ヒサカキについては温暖化の影響なのか至るところに生えていますが、シキミは見掛けたことがありません。

シキミはマツブサ科シキミ属の常緑小高木で、その実は死ぬ可能性があるほど有毒(シキミの語源は「悪しき実」からとも)だそうです。
もちろん仏前に供えるのは実ではなく枝葉のほうで、葉はこのような半日陰のほうが色艶が良くなるかもしれません。
そんなわけで、シキミを植えることにします。

ホームセンターで購入してきた苗木(1,000円程度)をクリの切り株のところに植え付けます。

周囲の土は既に腐葉土化していますし、今後もクリの切り株や根がシキミの成長を助けてくれることでしょう。

ところで、苗木を植え付ける際に切り株のところを掘っていたところ、地中から大きな石が出てきました。

以前、クリの木の根元には米蔵(昭和20年代に解体)に使われていた石が積まれていたため、その残存物のようです。

クリの幹の断面形状が三日月状になっているのは老木で中心部が朽ちたのだろうと思っていましたが、実は石が埋まっていたためだったのです。

米蔵を解体した昭和20年代にはクリの木は小さかったことになりますが、私には大木のイメージしかないためとても意外に感じます。

果樹園の再生(18)ビワの接ぎ木

敷地内にある下写真のビワの木(栽培品種)ですが、昨年は数年ぶりに収穫することができました。


(昨年6月撮影)

以前は何本かの主枝が横に大きく張り出していたのですが、2、3年前に降雪や台風が襲来した際、立て続けに折れました。
そして上写真のとおりスッキリした樹形になったことで、樹勢が回復して結実するようになったのではないかと思います。

一方、このビワの木の樹齢は40年程度です。
まだ40年と言う気もしますが、栽培品種の接ぎ木苗を植えたものですので、ひょっとすると寿命に近づいているのかもしれません。
そんなわけで、この木から穂木を採って接き木をして残すようにしておいたほうが良いだろうと思っていました。

接き木をするには、もちろん穂木だけでなく、親木とする木(台木)も必要になります。
里山(敷地沿いの林縁部)には自生(野生化)のビワの木があるため、毎年こぼれ種からたくさん発芽します。
ほとんどは草刈り時に刈ってしまうのですが、台木用に残したものが下写真のとおり大きくなっています(高さ1m程度)。

一昨年発芽したもの(2年生)です。
台木としてちょうど良いぐらいの大きさと太さですので、今回、これを使って接ぎ木をすることにします。

台木を途中で切り、そのうえに穂木(前年枝から採った接ぎ穂)を挿します。

それほど難しい作業ではないとは言え(小刀と接ぎ木テープを使用)、私自身、学生のときに農場実習で触った程度の記憶しかなく、間違った方法の可能性が大のため、手順は省略します・・・。
写真にも自信の無さが現れてしまったようで、肝心な部分がピンボケです(被写体が小さく、iPhoneのカメラでうまくピントが固定できませんでした)。

今回の接ぎ木は台木を植えたままの状態で行いましたが(居継ぎ)、水やりをしたうえ乾燥を防ぐためビニール袋を被せておきます。

ところで、里山に自生しているビワの木が大きくなって敷地側にせり出してきているため、その一部を昨年の冬に伐採しました。

伐採から一年が経過し、切り株から萌芽したものが大きくなっています。
これを見て思うのが「接き木の台木には先に行ったとおり実生のものを用いるのが一般的。では、切り株から萌芽したものに継ぐことはできないのか?」
詳しい方が見れば呆れるようなことかもしれませんが、物は試しで、ひとつの枝に継いでみることにします。

果たしてどうなるでしょうか。

<続きます>