月別アーカイブ: 2018年3月

雨水対策(10)自然植生による斜面安定化策

自宅敷地と里山との境界にあるスギが枯れたことから、先般伐採しました。

里山との境界は斜面になっており、この斜面は雨樋の故障や昭和30年代に起きた竹の一斉枯死を引き金として崩れたことがあります(下図で茶色矢印の円弧滑り)。

斜面崩壊の進行を食い止めるべく、亡き祖母が斜面の肩部分にスギの苗木(上図で緑色イラスト)を植えたのですが、その内の1本が先に伐採した木になります。
斜面がその後、再び崩れることはなく、スギが果たしてきた役割は大きかったわけですが、枯れたことで気になるのは今後の斜面のことです。

ところで、私自身は斜面が崩れたことや杉を植えたことは聞いて知っているだけですが、それでもこのエリア(下図で左下。偶然にも裏鬼門に一致します)は注意を払う必要があるように感じてきました。

現在の土木技術からすれば、この程度の斜面(h=8m弱)であればコンクリート製ブロック(間知ブロック)を積んで安定化させるのはそう難しいことではないと思います(ただし、費用は100m2×12千円/m2=120万円:仮設工事や経費を含みませんので、最低でも200万円はかかりますが)。

しかし、コンクリート構造物の強度は短期的には完璧であるものの、長期的に見れば自然には敵わないと思っています。
そこで、祖母がスギを植えたように自然の植生を生かした斜面安定化を図りたいと考えています。
具体的には、斜面の植生を次のようにし、それぞれの根の力を借りると言うものです。

  • 極表層:雑草
  • 表層:竹
  • 深層:雑木

要するに自然の山の状態で、本来はこのようになっても良いはずです。
しかし、剪定屑などの投棄による樹木・竹の倒壊や地盤の軟弱化、除草剤の散布や雨樋の故障による土砂の流出が進んでいることから、少し手助けしないことには上記の状態になってくれそうにありません。


(整備中の写真)


(整備前の写真)

これまでから取り組んでいる、里山整備(竹の間伐)や投棄ゴミの回収雨樋や排水路の整備は、この手助けのひとつだと思っています。

さて、枯死したスギですが、幸いなことに近くにはツバキなどの雑木が大きくなってきていますので、これらの力を期待できそうです。

これらの雑木の力に期待するものの、雨水が山側(斜面)に流れ落ちる際に土砂を流出させてしまう恐れがあります(離れの雨水排水は山側に流れないように昨年に雨樋や排水路を整備済)。

そこで、土砂を流出させないように、肩の部分に土留め(上図で朱色丸印)を施すことにします。

土留めを設置する区間は枯死したスギの木を挟んで南北それぞれ約10m(下図で黄・朱色線)とします。

スギの木の南側(上図で黄色線)については、昨年に既に土留めを設置していますので(下写真)、これを延長する形になります。

<続きます>

耕作放棄地の再生(20)雑木の伐採と薪割り

2年前から管理するようになった耕作放棄地ですが、今シーズンも作業を開始し、前回、隣地に向けて倒壊している竹などを片付けました。

今回は、上写真で朱色矢印で示すエノキやイヌビワなどの雑木を伐採することにします。
エノキもイヌビワも大きく隣地(写真向かって左側)に向かって曲がっていますが、これは以前竹が密集していて、その勢いに押されていたためです。

これらの木とは別にもう1本、大きなエノキ(下写真で朱色矢印)があったのですが、この木については昨シーズンに竹を整理するのに支障になったため既に伐採済です。

今回伐採するのは太いものでも直径20cmないため、一度に伐倒します(エノキ1本、イヌビワ1本、シロダモ1本)。

伐倒完了。

昨シーズンに伐採したエノキの切り株からは新たに萌芽していますし、イヌビワやシロダモもヒコバエを残しています。
今度は曲がらずに真っ直ぐに大きくなってほしいものです。

昨年伐採したエノキの新芽を芽かき(数本を残す)しようかとも思いましたが、下手に触って樹勢を殺いでもいけませんので、そのままにしておきます。

伐採したことで隣地側にせり出していた竹や木が無くなってヤレヤレです。

伐採した樹木の幹部分は、薪ストーブの燃料にするため玉切りします。

枝葉は焚付けや畑のマルチにするためバラします。

常緑樹のシロダモの葉っぱは良いマルチ材になりそうです。

葉っぱはガーデンバッグ(1m3程度)に収集。

軽トラに積んで持ち帰ります(写真は一部)。

持ち帰った葉っぱは早速、畑の畝上に被せてマルチとします。

玉切りしたものも、グズグズしていると固くなって割るのに苦労しますので(特に広葉樹。昨シーズンの反省・・・)、伐採毎に割ってしまいます(下写真で右上のもの)。

ちなみに上写真で左下に写っているものは里山から拾ってきた枯れ木を割ったものです。
枯れ木は乾燥しているため軽くて運搬が楽なうえ、すぐに薪ストーブで使えて案外良いものです。

<続きます>