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竹ボイラーの導入(18)煙突の屋根出し

前回、塩ビ製(可燃材)の雨樋が煙突に近接することから、ガルバ製(不燃材)のものを自作し、これに取り替えました。

樋に続いて、屋根(倉庫の庇)についても防火対策を講じることにします。
既設の屋根材はポリカ製の波板で可燃のため、現在、これを取り外した状態になっています(上写真)。

これに代わる不燃材のものとして思いつくのがトタンの波板です。
トタンの波板であれば、安価で施工も容易です。
しかし、既設波板の波の種類(形状)は「スレート小波」と呼ばれるもので、一般的な「鉄板小波」とは異なります。

<波の幅・高さ>
「鉄板小波」<「スレート小波」<「鉄板大波」<「スレート大波」

「スレート小波」タイプのトタン波板は市販されていないようですし、かと言って「鉄板小波」タイプのものを使えば既設部分との接続がうまくいきません。
ところで、名称に「スレート」が冠されているように「スレート小波」は元来、スレート板(下写真の屋根材)のために作られた規格だと思われます。
と言うことで、当然のことながらスレート板には「スレート小波」タイプのものがあります。

スレート板はセメントを主原料としており、法定不燃材のため煙突周りの屋根材として使うことができます。
そこで、既設のポリカ製波板(「スレート小波」タイプ)のうち煙突周辺の2枚をスレート板(「スレート小波」タイプ)に置き換えることにします。

スレート板はホームセンターではあまり見かけないため、隣市にある製造工場(ミエスレートさま)に伺って直接購入(6尺もの1枚約2,500円)。
長さ6尺のものを3尺2枚として使うため、ディスクグラインダーにダイヤモンドカッターを取り付けて切断します。

スレートと言ってもセメントを固めたものですので容易に切断できます。

予めフックボルトの穴をあけておくため、取り外した波板を重ね合わせて穴の位置を写し取ったうえドリルであけます。

穴の位置がずれるとフックボルトの取り付けに難儀しそうですので、重ね目(1.5山)を重ねた状態で穴あけ。

次に煙突貫通口の穴あけです。
煙突貫通口の位置は既設の波板を取り外すときに調べてありますので、フックボルトのときと同様に写し取れば良いです。

問題はどうやって煙突口径(φ115mm)の穴をあけるかです。
本職であればホールソーを使って綺麗にあけるのでしょうが、もちろん私はφ115mmのような大きなものを持っていません。
円周上をドリルで多数の穴をあけていく手もありますが、先ほどのディスクグラインダーを使ってみることにします。
波の高さがあるため両面から切り込むことにし、中心に目印になる小穴をあけたうえ両面に罫書きます。

両面から少しづつ切り込み、それなりに丸い穴をあけることができました。

加工したものを屋根に載せ、フックボルトで固定します。

フックボルトは既設のものを流用しましたが、上写真のとおりナットや傘がサビサビです。
既設の波板(ポリカ製)は2年前に更新し(下写真が更新直後)、そのときにフックボルトも新しくしているのですが、材質が鉄(ユニクロメッキ)なので2年でこの状態です。

その更新前のもの(FRP製、約30年経過)が下写真になりますが、そのフックボルトの一部は朽ちて無くなっているものもありました。
ポリカ製の波板であれば耐用年数が短いため鉄製のフックボルトでも十分なのでしょうが、耐用年数が長い屋根材の場合にはスレンレス製を使ったり塗装を施す必要がありそうです。

<続きます>

竹ボイラーの導入(17)ガルバ製雨樋の自作

前回、ボイラーの煙突を下写真の状態まで設置できました。

ところで、可燃材の屋根材(ポリカーボネート製)を取り外した状態になっていますが、実は可燃材はこの屋根材だけではないのです。

煙突からの離隔距離300mm内に塩ビ製(可燃材)の雨樋もかかっています。

この樋と煙突との離角距離を測ると下図のとおり15cm弱しかありません。


<平面図>

樋も防火対策を講じる必要がありますが、今なら屋根を取り外していますので、この機会に不燃材の樋を取り替えることにします。
ただ、一般的な樋であれば不燃材のもの(ガルバ鋼板製、銅板製等)が市販されていますが、この樋は倉庫などで使われる大型の角樋ですので不燃材のものを入手するのは難しそうです。
そこで自作することにし、取り替える必要がある延長を上図から求めると600mmとなります。

この区間の樋を塩ビ用の手鋸で切って取り外します。

取り外したものから断面形状を確認すると、この角樋の種類は下図の「M型120角」のようです。

新しいものはガルバ生地のトタン(不燃材)を使って作る考えですが、問題となるのは既設(塩ビ製)のものとどうやって接続するか?です。
トタン板は薄い(0.27mm厚)ため、既設のものの上に被せる形(上図で朱色線)で接続すると良さそうです。

このことを考慮して展開図を描きます(展開図を描くほどでもないのですが、いずれ更新するときの覚え書きになるだろうと、後になって作成しました)。

以前、作製した防護カバーなどと同様の手順で作っていきます。
まずは、トタン板に先の展開図を罫書きます。

上写真でトタン板の奥側にあるのが取り外した角樋です。
設置して30年以上が経過しますが、それほど劣化しておらず、まだまだ使えそうです(緑色の付着しているものはスレート屋根を塗り替えしたときのペンキです)。

万能ハサミで切断し、組み立てます。

既設のものは耳が外側に付けてありますが、今回作ったものは内側に折っています(既設のものの上に被せるため)。

既設との取り合いを確認すると良い感じです。

作製したものを取り外した区間に取り付けます。

既設との接合は、更新の際に外しやすいように小ネジとナットを使っています。

底も同様に接合します。

小ネジだけでは隙間が残りますので、シーリング材を充填しておきます(透明色のシーリング材のため分かりづらいです)。

既設の樋の色がシルバーでトタンの色と近いため、それほど違和感なく仕上がりました。

<続きます>