上写真の二つの容器は仕込みからそれぞれ3週間(左)と2週間(右)が経過した時点のものです。
昨年は仕込み後に撹拌するのをサボってしまい、コンニャク状に凝固したものができてしまいました。
その経験を踏まえて、今年は仕込み後しばらく(約2ヶ月間)は1日1回撹拌するようにしました。
毎日の撹拌のなかでも、初期段階で数回、突然と撹拌に手応えを感じるときがありました。
どうやら、この凝固現象は徐々に進むものではなく、あるときに急に起こるようです。
このときに撹拌をサボってしまうと、一気にコンニャク状のものができて台無しになってしまうわけですね。
ということで、今年はサボることなく撹拌しましたので、コンニャク状のものはできず、程良く粘度のある柿渋になっています(仕込みから3ヶ月経過)。
色は少し濃くなった程度で、あまり変わりありません。
柿の種類が左右の容器で異なるのですが、そのためか右のほうは左に比べ粘度が小さいです。
ここまでくれば、もうコンニャク状に凝固することはないと思いますので、2年程度このまま放置して熟成させます。
ところで、コンニャク状のものができてしまった昨年の柿渋(下写真)をどうするか?
一見、色が黒く、よい具合に熟成しているように見えますが・・・
実は、このようなコンニャク状の固まり(分厚く重量あり)ができてしまっているのです。
窓の光で透かしてみると。一体これは?
『柿渋』(今井敬潤著)には「この凝固は柿渋製造において最も恐れられているもので、コンニャク状になると樽全体がダメになる。」(正確な引用ではありません。)とあります。
肝心のタンニンがこれに凝集されてしまい、残りの液体は残念ながらカスだということでしょうか・・・涙。
ただ、捨ててしまうのも惜しいので、液体だけをとっておくことにします。
カスとは言え、少しは効果があるかもしれませんので、いちど木材に試し塗りしてみることにします。