薪ストーブの導入(3)煙突の概略設計

前回、薪ストーブの設置場所を決めました。

一方、煙突瓦の位置を決めるには、煙突に近接する梁や瓦の割付けの制約などの条件があるため、煙突の概略を設計したうえで決める必要があることが分かりました。

stove2-2

今回は煙突の概略を設計し、煙突瓦の位置を決めたいと思います。

煙突瓦は4枚の平瓦から構成されます。
その中心が煙突の芯になるとして設計してもよさそうです。
(下の写真は土葺き仕様のもので、今回使うものではありません。)

img_1023

瓦の割付位置は、通常、屋内からはわかりません。
しかし、今回の改修工事で採光用としてガラス瓦(平瓦と同じ寸法)を使用したことから、それから追っていくことが可能です。

stove2-3

まずは南北断面(東立面)で煙突を配置してみます。

chimney1

煙突は、薪ストーブ用として一般的な口径φ150mmのものを使う予定です。
屋外部分や煙道内は、燃焼効率や安全のため二重構造の煙突(二重煙突)とし、その二重部の外径はφ200mmです。
二重煙突であっても、梁などの可燃物とは150mm(安全側にみて200mm)以上の離隔(クリアランス)を確保する必要があります。

上の図面では、もっとも近接する丸太の桁からも301mmの離隔が確保されています。
あと瓦1枚分、桁方向に近づけると200mmの離隔を確保できなくなりますので、南北断面はこれで決まりとします。

続いて東西断面(南立面)です。

chimney2

こちらは、屋根の梁や大和天井の梁などの障害物が多いです。
また、薪ストーブの背後は壁であり、炉壁を設けるとしても炉壁から300mm以上の離隔が必要となります。
ストーブを壁から離すと、煙突が梁(可燃物)と近接してしまいます(200mm以上の離隔を確保できない)。

そこで、上図のとおり45°曲管2個を使って梁をかわすことにします。
燃焼効率や維持管理を考えると曲がり配管にしたくないのですが止むを得ません。

以上で煙突の概略が設計できました。
煙突瓦の位置は、上の図面から次のとおりとなります。

○南北方向:軒桁から南(棟)に向かって3、4枚目(軒からは6、7枚目)
○東西方向:ガラス瓦から西に向かって2、3枚目

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<続きます>

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