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縁台の自作(1)バタ角を利用

アプローチの整備について、前回で今春予定分(配管・敷石・芝張り)を終えられました。

ところで、上写真で朱色矢印で示すところ(主屋の軒下)に木製の長椅子が置いてあります。
4年前、倉庫で埃まみれになっていたものを洗浄・塗装したうえ、ここに置いて使うことにしたのです(下写真は整備直後)。

戦前に作られたもので傷みがありますが、作業の合間にちょっと座って休むには十分で重宝しています。
しかし、先般、来客者と話しをするのに座ってもらおうとして、さすがにこれに座ってもらうのは恐縮だと感じました・・・(4年経って汚れも酷くなっています)。

あと、以前から気になっているのが背もたれが右に向かって下がっている点で、どうにも落ち着きません。
これは後に歪んだわけでなく、当初の作製ミスによるものです。
大工さんがこのようなミスをするはずがありませんし、細部の作りも雑なことから、どうやら祖父(DIYer!?)が手作りしたもののようです。

祖父の失敗作をいつまでも人目に触れさせておくのも何なので、新しく作り直すことにします。
同じものを真似して作っても良いのですが、今のものは背もたれ付きで洋風な感じ(大正ロマン!?)がします。
古民家には、やはり昔ながらの縁台のほうが似合いそうです。
それに縁台なら背もたれがない分、作るのも容易です。
ただ、普通の縁台を作っても面白くありませんので、ここでも竹を有効活用することにして下図のものを考えました。

座板の代わりに直径1寸程度の丸竹(真竹)を使おうと言う考えです。
縁台の長さ(1,200mm)や高さ(400mm)については、既存のものがちょうど良いため同じ寸法にしています。

材については、最初、安価な間柱材(90mm×27mm)を使おうと思ったのですが、縁台程度であればもっと断面が小さくても十分ではないかと。
そこで、ホームセンターでさらに安価なバタ角(75mm角。グリーン材)を買ってきました。

3mもので約700円です。
これを半分に挽き割り、断面74×35mmの角材を6(=3×2)mとる考えです。
これから全ての部材を木取りできますので、縁台の作製にかかる材料費は700円になります!

もちろん値段相応の材で、節はもちろんのこと、腐れもあったりします。

このような材を使うのはさみしい懐事情と言う消極的な理由がある一方、敢えてこのような材を使いたいと言う積極的な理由もあります。
と言うのは、昨年、近くの山で伐採した杉の丸太を自家製材して薪棚を作りましたが、今回購入したものと同じようなレベルの材で十分に作れたからです。

今回購入した材も間伐材ではないかと思います。
杉であれば樹齢20年程度の間伐材から、このような材(75mm角)をとれそうです。
と言うことは、昨年から杉などを植林していますが、20年もすれば自分で伐採し、このような材が手に入るわけです。

一方、現代は木材も遠く離れた国から輸入しています。
経済的にみれば合理的であっても、さらに大きな観点からは非合理的なことで、その内側は矛盾だらけのはずです。
その矛盾はいつかは表面化するでしょうし、今般のコロナウイルスもその矛盾のひとつが顕在化したものだと言えなくないと思います。
コロナウイルスと言えば、日夜対処に追われる医療従事者に頭が下がるばかりです。
知識も経験もない私のようなものは何もできませんが、木を植え、それを使うことがコロナウイルスを含めて根本的な対策になるはずだと信じています。
と言うわけで、今回の縁台作製は新型コロナウイルス感染症に係る「特別定額給付金」を有効活用して実施してまいります(^_^)

閑話休題。

縁台を作っていくことにして、まずは木取りから。
購入した材(75mm角)をバンドソーで半分(仕上がり寸法:74×35mm)に挽き割りますが、3mのままでは長くて扱いにくいため短く切っておきます。

スライド丸ノコで一発切断。
スライド丸ノコは無くても済む機械ですが、一度使うと手放せなくなりますね・・・。

バンドソーで挽き割ります。

杉の芯持ち材なので、想定内とは言え、かなりの反りが生じました・・・(理屈通り木表側:上写真で朱色矢印に反っています)。
一方、グリーン材(未乾燥)でも店頭で自然乾燥が進んでいたようで芯まで乾燥している感じです。

プレーナーにかけて表面処理とサイズを揃えておきます。

所定の寸法で切って木取り完了です。

<続きます>

井戸の再生(43)立水栓の自作②

前回、立水栓を作ることにして、基礎のコンクリートを打つところまでできました。

その後、コンクリートが固まったため作業を続けます。

冬季の凍結防止のため保温材(パイプカバー)を全体に施しておきます。

その上にキャンバステープ(保温材の紫外線劣化防止)を巻きます。

上写真で止水栓のところはキャンバステープを巻いてありませんが、それは止水栓の継ぎ手箇所について通水試験を行って漏水がないことを確認しておきたいと思ったからです。
通水試験については、簡易的に井戸の揚水ポンプの圧を使って行いますが、問題はそれに今回作製の立水栓をどうやって接続するかです。
そこで、役立つのが以前に発見!?した散水栓の吐水口のネジ(G1/2)です。
これを使えば立水栓(R1/2)との間をフレキパイプ(G1/2)でつなげられます。

接続。

散水栓をあけると、当然ながら立水栓の吐水口から水が出ます。

立水栓側の止水栓を全閉にするとともに、散水栓を全開して立水栓に水圧をかけます。
この状態でしばらく様子をみます。

継手箇所からの漏水はなく問題なしです。

立水栓本体ができましたので、次に竹のカバーを作ります。
昨冬に伐採した竹のなかから、立水栓本体をカバーできる太さのものを探してきました。

鉈を使って半分に割ります(節も抜きます)。

止水栓のハンドル及び吐水パイプの取り付け箇所の穴をあけます(ホールソーを使用)。

吐水パイプ及び天蓋用の竹も加工します。

ところで、止水栓より先の配管は柔軟性をもたせるため散水ホース(下写真で朱色矢印)を用いています。

柔軟性はあるものの、実際に竹のカバーを取り付けようとすると変に動いてしまって具合が良くありません。
そこで、自在に変形でき、かつその形で固定されるフレキパイプに変えることにします。

フレキパイプ(袋ナット:G1/2)だと止水栓(Rp1/2)に直結できるため配管もシンプルになりました。

ただ、フレキパイプを使うことで心配なのは冬季の凍結時にどうなるかです。
気休めかもしれませんが、フレキパイプにも保温材を施しておきます(水が溜まる区間のみ)。

竹のカバーを取り付けます。

止水栓のハンドルが竹のカバーの外に出る形になります(メタリックなハンドルも竹や木製にする手も!?)。

天蓋と吐水パイプを取り付ければ立水栓の完成です。

見た目は竹の筧でありながら一般的な立水栓のように使えるようにしたのが今回工夫した点です。