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古民家の自然換気(50)室外機カバーを自作①

前回、主屋裏(北側)の芝生を拡張すべく播き芝を行いました。

こうして芝生にするのはもちろん除草の負担を軽減したいと言うことがありますが、そのほかに夏の暑さ対策の目的もあります。
なるべくエアコン(電気)に頼らないで生活を目指して、主屋(古民家)の天井の一部は竹天井にして室内の熱気を屋根裏(厨子二階)に逃すようにしています。

室内の熱気を屋根裏に逃がす代わりに屋外から空気が入ってくることになります(自然換気)。
このため、主屋の周囲を芝生など緑豊かにして外気温(微気候)を下げたいわけです。

とは言え、近年の酷暑になると、このような自然換気では太刀打ちできないときがあります。
そこで、こうしたときはLDKの一角にある和室(6畳)に避暑できるように、ちょうど1年前の今頃、エアコンをDIYにて設置しました(下写真で右側の室外機。左側は撤去済)。

室外機は軒下にあるものの、雨が降ると雨だれとともに土を被ります。
雨だれ避けにと、とりあえず不用なプラ段(下写真で朱色矢印)を置いておいたのですが、そのまま1年が経過・・・。

プラ段では紫外線劣化しますので、ちゃんとした室外機のカバーを作ることにします。
また、室外機の外観が古民家と馴染まないため、カバーによって古民家と合うようにもしたいと思います。

カバーは室外機よりひと回り大きいサイズとし、下図のものを考えました。

角材を組んで骨格を作り、それに板を張って雨だれを避ける考えですが、その板は室外機の排気ができるように隙間をあける必要があります。
そこで、思いついたのが犬矢来です。
犬矢来は京町家の軒下などで見かけることがあり、趣があってなかなか良いものです。
犬矢来には雨だれが建物の下部にかからないようにする目的もあり、主に竹で作られます。
我が家(古民家)の軒下にも雨だれ避けのため設置したいと思い、既に材料(割り竹。小舞竹の余り)は準備してあるのです。
今回、犬矢来の実験を兼ねて室外機カバーに割り竹(下図で緑色)を使うことにします。

実際に作っていくことにし、まずは木取りから。
縦框(45mm角)は垂木材(杉)を使うことにしてホームセンターで調達。
横框(34×30mm)は、いつものように間柱材(杉)を挽き割って木取りします(105×30mm→34×30mmを3本)。

節、反りともに大きいです(それでもホゾで組むとバッチリ決まるので驚きです)。

これらの横框を縦框に対して2方向から挿す形になりますので、両端が留め(45°)になるように所定の寸法で切り出します(こうしましたが、ホゾを加工したのち留め切りするほうが良いように思います)。

ホゾ穴をあけます。

ホゾを加工します。

ホゾの端部を留め(45°)にすることで、ホゾ穴(縦框)の中で下写真のとおり組まれることになります。

<続きます>

縁台の自作(2)竹を利用

前回、新しく縁台を作り直すことにして木取りするところまでできました。

ホゾにより組むことにしていますので、まずはホゾの加工から。

中学の技術ではホゾ穴からあけると習ったように覚えていますが、機械を使うと正確に加工できることもあってホゾから加工することが多いです(若干、ホゾが長くなるようにしています)。

続いてホゾ穴をあけます。

面取りやサンダーをかけて各部材を仕上げます。

前回のブログ記事に書いたとおり材が大きく反っています。
脚などの短い部材は問題ないとしても、貫の部材は長さが1.2mあるため反りを考慮して組むようにします。

反りの向きから上写真で朱色矢印に力が作用することになります。
今回は中央に中貫を入れますので、上写真のとおり組めば(木表が外を向く形)反りが補正されるはずです。

組み立てます。

もしホゾではなくビスで組むとすれば、これだけ反りがあると組み立てに難儀するのではないかと思います。
しかし、ホゾ組みだと多少の反りもカバーします。
ホゾ組みは加工に手間がかかるものの、木の性質を生かした方法だと改めて感じます。

とりあえず木材(バタ角)利用部の完成です。

一見それなりの出来栄えのように見えますが、細部を見ると・・・

朱色矢印のところに隙間が!?
実は面取りする際、脚の付け根のところも一気にカンナで面取りしてしまったのです。
見た目だけの問題とは言え・・・。
鼻歌を歌いながらやっているとこの様です。

それでも、もとの材がバタ角だったことを思えばまずまずの出来栄えだと自己満足(^_^)
現在の社会において、こうした材(間伐材等)の一部はバタ角などとして利用されるもののの、経済性からバイオマス発電の原料として焼かれる方向にあるのだと思います(CO2排出)。
一方、今回は縁台の材料として利用しましたが、この縁台を20年、30年と使うことができれば、その間、木材としてCO2を保持できることになります。
バイオマス発電や薪ストーブはカーボンニュートラルで環境に優しいと言われますが、木工や木造建築はカーボンマイナスでさらに上をいくのかもしれませんね。

閑話休題。

続いて、竹を利用する部分(座板)を作っていきます。
直径1寸(30mm)程度の丸竹(2年半前の冬に伐採して倉庫に保管)を縁台の長さで切ります。
これを仮配置し、並びが良くなったところでマーキング。

この並びを保ったまま、シュロ縄で編みます(編み方は井戸の竹蓋竹天井と同じ)。

これを取り付ける前に木材部を塗装しておくことに(オイルステイン:VATON オーク)。

そして完成です!

睡蓮鉢の前に設置(古い長椅子は解体してボイラーの燃料にしました)。

ここでお茶しながらメダカの様子を眺められそうです(^_^)

ちなみに、睡蓮鉢には今春株分けしたハスを植えてありますが、現在(5月30日)下写真の状態です。

今年は2株を植え付けたため、葉が多すぎてメダカが日光浴できないほどです。
このサイズの睡蓮鉢だと1株がちょうど良いようです。