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里山再生:竹製のポット&名札の作製

自宅敷地に隣接する里山について、この冬も竹の間伐を中心として整備を行ってきましたが、無事終了しました(ブログ記事は遡って書いており、実際には3月末までの作業)。

上写真のエリアは竹(マダケ)の密度が坪1本程度になるように間伐してあります。

一方、下写真のエリアは最終的に竹を無くすべく段階的に減らしており、現在、雑木の間に竹が点在しているような状態になっています。

間伐により発生する伐採竹のほとんどは林内に棚積みしてありますが、直径が7分〜1寸程度のもの(枝が付いていない部分)は使い勝手が良いため、自宅敷地まで引き上げてきてあります。

最終的には倉庫内で保管しますが、しばらく倉庫に立てかけて雨露を払います。

今では珍しい竹屋さんの店頭に、このような感じで立てかけてあるのを見ますが、なかなか良いものです。
ちゃんと並べれば、ヨシズのように夏場の日よけになるかもしれません。

2年前、同様に里山から引き上げてきた竹は既に竹天井の部材として使われています。

今シーズンのものはまだ使う当てが決まっていません。
書きながら思い付いたのですが、土蔵の2F床(1Fの天井)を板から竹に変え、夏季の寝床にすれば面白いかも(^_^)

そんなことはさて置き、春の到来に伴い種播きや移植などを行うことが多くなりました。
そこで、伐採した竹を使って大きめのポットを作ることにします。

里山内に棚積みしてある竹から、ある程度太く(直径3寸程度)、既に乾燥して軽くなっているものを選んで玉切り。

節を底にして深さ25cm程度になるようにしています(後日、実際に使ってみると少し深すぎたため20cm程度に短くしました)。

節部分(ポットの底)に排水用の穴をあけます(10mmドリルを使用)。

9個分のポットが完成。

何を播種したのか分かるように名札もあると便利ですので、これも竹を使って作ります。
鉈を使って適当な幅で割ったうえ、先端を尖らせます。

竹の表皮は油を含んでいますので、油性ペンを使って記名できるか試してみます。

問題なく書け、視認性も良いです。

作製した名札は竹筒に収納し、いつでも使えるようにしておきます。

プラ製のものを買ってくるのに比べると手間は掛かりますが(製造から廃棄までのトータルでみれば最も手間要らずのはずですが)、自然素材だからこそ使い終わればそのまま畑に放置できる(いずれは肥料)と言う点が何より良いですね。

古民家の自然換気(28)小舞竹と間渡し竹

昨年、主屋の自然換気と採光を図るため竹天井を設けるなど、LD部分の化粧工事をDIYにて行いました。

井桁形の照明器具まで自作し、工事は終わったようにみますが、実はまだ残っているところがあるのです・・・。

下写真は施工中のものですが、天井の上に位置する土壁(1Fからは天井に隠れて見えない)に割れが生じています。

15年ほど前に行ったリフォーム工事で丸太梁を現しにするため土壁(垂れ壁)の一部(上写真で朱色点線)を撤去したことにより、その上部の土壁が支えを失ってズリ下がり割れが広がりつつあるのです(貫でもっている状態)。
この土壁は外壁にもなっていますので、地震などのことを考えれば、このまま放っておくのはマズそうです。

割れの進行を食い止め、しっかりした壁にするには15年前に撤去した部分に再度、土壁を作り直し(下写真で朱色着色範囲)、当初の状態に戻すのが一番のように思います。

15年前に撤去していなければ、やらなくて済んだことなのですが、それだけ当時は(今も?)丸太梁を現しにするのが流行っていたと言うことなのでしょう。

土壁自体の施工については、ちょうど2年前に近所の長老に教えを乞って土蔵軒の土壁を作ったことがありますので(構造部分は大工さん)、そのときのやり方でできそうです(下写真はエツリし終わったところ)。

実際の施工は今夏以降を考えていますが、現在、里山整備で竹を伐採していることから、土壁の骨組みとなる小舞竹を準備しておくことにします(竹の伐り旬からも冬にするのが良いと思います)。

小舞竹は竹を割って作りますが、下写真の竹割り器(5ツ割り、ホームセンターで購入)を使うと容易に行えます。

ところで、小舞竹として用いるにはどれだけの幅になるように割れば良いのかですが、長老の教えによると「エツリ(小舞掻きのこと)は指1本の隙間(5分程度)をあけるものとし、エツリ竹の幅はそれより広い程度」とのこと。
所有している竹割り器は5ツ割りのものですので、小舞竹の幅を7分(21mm)とすれば直径1寸(30mm)程度の竹を割れば良いことになります。

21mm×5分割/π=31mm

実際には適当に割り、太ければ鉈で小割りして調整すれば良いだけなのですが、竹はいくらでもありますので、直径1寸程度、かつ節に枝が付いていないものを使うことにします(壁土で隠れてしまうのですが・・・)。

竹は末口から割りますが(木とは逆)、3m程度の長さで伐り出してきた竹は元と末でほとんど径が変わらないため、どちらが末口が見分けづらいです。
こうした場合、下写真のとおり節から判別することができます。

末口から竹割り器を押し込んで割っていきます。

竹は本当に気持ち良いぐらいスイスイと割れます!

割った竹の内側には節が突起状に出ていますので、これを落とします。

鉈を滑らせるようにして、これまた気持ち良く節を落とせます(青竹なので刃をこぼすことはないと思います)。

全て完了。

とりあえず保管しておくため、12本ずつまとめておきます。

5セットで60本あることになります。
復旧する土壁の面積は1坪もありませんので、これほど必要ないのですが、余ったもので犬矢来を試作したいと思っています。

施工まで軒下で乾燥させておきます。

こうして準備した小舞竹は下写真のように藁縄や棕櫚縄を使って縦横に編んでいくことになりますが、その縄を掛けるために貫とは別に間渡し竹を入れます。

当地ではこの間渡し竹に、「ヒダチ」と呼ばれる真竹のなかでも細いもの(直径5分程度)を用いています。

間渡し竹として使えそうなものも山から引き上げてきておきます。

上写真で上側にあるものは竹垣(四目垣)などに使いやすい直径7〜8分程度のものです。
真竹と言っても様々な太さのものがあり、それに応じて使い途があるものです。

<続きます>