竹利用」タグアーカイブ

果樹園の再生(21)ミカンの移植(実生木&接ぎ木)

前回、モモなどを接ぎ木する際の台木にしたいと考えてウメの種を播きました。

同じようにミカンの台木とするため、今春(4月初頭)にはユズの種を播きました

このユズはその後発芽して現在、下写真の状態にまで成長しています。

このポットは野菜用の小さなものですので、より大きい竹製ポットに移植することにします。

ところで、接ぎ木してまでミカンの苗木を作ろうとしているのは、一昨年と昨年に植え付けたミカンの成長が芳しくないためです。
幼苗時のミカンは寒さに弱いとのことで、咋冬は藁コモで囲って防寒対策を講じました。
その甲斐もあって今春にはたくさんの若葉が出たのですが、それも束の間、すぐに虫に喰われてしまいました。
そして、遂には最も弱っていたものが枯れてしまいました・・・。

この枯死したミカンは下図で33番のデコポンになります。

ここは風下(冬季)に隣家があるため、落ち葉のことを考慮して常緑樹のミカンを3本配置してあります。
枯死したもの以外の2本についても、やはり樹勢が弱くて若葉が虫に喰われている状態です。

実は一昨年にミカンの苗木を植え付けた直後から、同時期に植え付けた落葉果樹に比べて樹勢が弱いことを感じていました。
このため、昨年は違う場所(上図で39番)にもミカンを植え付けてみました。
そして1年経過後の現在、39番のミカンは樹勢が強く、既に一昨年に植え付けたものより大きく成長しているのです。

若葉もたくさん出て、しかも全く虫に喰われていません。

このことから、枯死したミカンがあったところはミカンの生育に適していないに違いありません。
そこで、辛うじて生き残っている2本(上図で32番、38番)を、梅雨が明ける前に39番の近くに移植することにします。
配置は下図のとおりとし、西側(左側)からデコポン(39番、H29)、伊予柑(32番、H28)、宮川早生(38番H29)の並びになります。

まずは伊予柑を移植。

移植した伊予柑は若葉が虫に食われてほとんど無い状態です。
木の大きさも一昨年の植え付け当初からほとんど変わっています。
今回の移植により樹勢を回復してくれるのを祈るばかりです。

続いて宮川早生を移植。

ちなみに上写真に写っている白いボール玉のようなものはニンニク(野草化)の花です。

宮川早生の根元からはトゲのある枝が伸びています。

このトゲのある枝はカラタチですので、やはりミカンの台木にはカラタチが使われているようです(昔はユズやナツミカン)。
このままではカラタチの木になってしまいますので、挿し穂側(宮川早生)に栄養が行くようにヒコバエを切除しておきます。

今回のことで、同じ敷地内であっても適地・不適地がありえることを痛感しました。
ちなみに、枯死したミカン(下写真で朱色矢印)があったところの近くに今春、サトイモを移植したのですが、ミカンとは対照的にすこぶる調子が良いのです。

また、付近には雑草のミゾソバが生えてきていることからも、ミカンにとっては水分過多の土壌だったようです。
直下流に馬小屋跡があり、その土間コンが排水を阻害しているようにも思えますが、これを逆手にとって湿潤なところを好む?イチジクを植えてみると良いかもしれませんね。

古民家の自然換気(33)竹による墜落防止策②

夏季は障子天井をオープンにして換気を図ることで、なるべくエアコンへの依存を減らしたいと考えています。

しかし、障子天井を開けると厨子二階(小屋裏)の床に穴が開いた格好になって危険なため、前回、下図のとおり竹を利用して墜落防止策を講じることにしました。

竹は容易に着脱できるように井戸の竹蓋(下写真)のように編んだものにします(2分割、1個のサイズW910mm×L725mm)。

(手順は以前作った井戸の竹蓋竹天井と同じですので、概要の記載に留めます。)

竹は直径が1寸(30mm)程度のものを使いますが、2年前の冬に伐採したものが少し残っており、これで何とか足りそうです(昨冬に伐採したものは、まだ青竹の状態)。
910mmで切り揃えたうえ、水拭きし、亜麻仁油で磨きます。

竹を並べ、長さが725mm程度になるように本数を調整します。

棕櫚縄(黒染め)を使って編みます。

竹は円筒形で表面が平滑ですが、棕櫚縄を使って頑丈に編めるものです。

同じものを、もう一つ作ります。

出来上がったものを厨子二階側から設置します。

これで、うっかり開口部に踏み込んだとしても墜落することがなくなり安心です。

ところで、天井に換気用の大きな開口を設けたりしているので換気量の計算による裏付けでもあるのかと思われるかもしれませんが、そのようなものは一切ありません・・・。
実は、昔も同規模の開口(換気用)があり、それを復活させているだけなのです。
学生のとき、換気量の計算(農業施設)を課題で行なったことがありますが、我が家のようなボロ屋の場合、そんな小難しいことをせずとも自然任せで良かったわけです。


(改修工事前)

昔の開口部には上写真の箱状のものが乗せてあり、これを見たときは「何のためのものなのか?」と疑問に思ったのですが、今になってみて、これも墜落防止のためのものだったことが良く分かります(昔の厨子二階は柴の保管場所として使われていたため、そのゴミが階下に落ちないようにするための目的もあり)。

さて、階下の居室側から見ると、竹の隙間から木漏れ日のように光が差し込んで良い感じです。

天窓のシェードと、この竹の設置により以前に比べて暗くなったものの、夏季はこの程度で十二分のように感じます。

見た目も涼しげな感じになりましたので、ついでに風鈴も取り付け、さらに夏バージョンらしくしてみます。
風鈴を竹(稈)に結んで取り付ければ良いのですが、高所のため容易に取り付けられるように竹にフックを取り付けておきます。
フックには、以前に作ったほうき掛けと同じく波板用セットフック(10本入りで100円程度)を用います。

ドリルで竹に穴をあけ、セットフックを取り付けます(傘金がうまい具合に使えます)。

一方の風鈴を出してくると、短冊部分が無くなってありません・・・。
短冊は厚紙や突板から作っても良いのですが、ここは竹天井に合わせて竹で作りたいものです。
以前、竹で育苗ポットの名札を作ったことがあり、それを使えると思ったのですが、そのままでは重すぎて風で揺らぎそうにありません。

そこで、鉈を使って半分の厚さに剥いで軽くします。

手元にあった乾燥竹を使っていますが、青竹ならもっと剥ぎやすいのかもしれません。

紐を通す穴をあけるついでに、ほかにも適当に穴をあけて装飾とします。

竹製の短冊を風鈴本体に取り付けます。

フックに掛けて完成です。

換気時の上昇気流で風鈴が鳴ると良いのですが、上昇気流だけでは厳しい感じです。

<続きます>