竹利用」タグアーカイブ

傘掛け作製(1)古材&竹&庭木を利用

先般、玄関に置いてある観葉植物のプランターカバーを作りました。

上写真に写っているとおりプランターの向こう側に傘立てが置いてありますが、その中にたくさんの傘が入っていて、その重さに耐えかねて傘立てが変形しているほどです・・・。
たくさん傘があるから雨の日も安心と言いたいところですが、実際、雨の日に出掛ける際になって探すとまともなものがなく、ボロ傘で出掛ける羽目に・・・。
雨の日こそ、手入れの行き届いたお気に入りの傘で出掛けたいものです。

そこで、傘を整理するとともに、変形した傘立てを作り直すことにします。
既存のような傘立てだと、なんでも放り込んでしまって整理しにくくなってしまうため掛けるタイプのものにすることにします。
いつものとおり古材(母屋の改修工事で発生した松板)を再利用して作ることにして図面をおこします。

古材の松板の長さが3尺弱(900mm弱)のため、それを目一杯使うように側板の長さを設定しています。
しかし、これに男性用の大きな傘を掛けると長さが足りず、柄の先が地面についてしまいます。
あと4寸(120mm)程度嵩上げできないものか?
そこで思いついたのが2年半前に伐採した庭木(チャボヒバ)の丸太です。

この一部は製材して表札(下写真)にしましたが、まだ丸太を玉切りした状態のもの(上写真)が2本残っています。

丸太の直径が5寸(150mm)程度ありますので、座りをよくするため太鼓状に加工して下図のとおり土台(ウェイト、h=120mm)として使えば嵩上げもできます。

また、傘の持ち手を掛けるところは竹(φ30mm)を利用することにしています。
裏山の竹、古民家の古材、そして前庭の庭木、身近にあるものを最大限活用する考えです。
まあ、その分、作るのに手間がかかりそうな予感が・・・。
しかし、環境に負荷をかけるより自分に負荷をかける方を選ぶことにしましょう(もちろん無理は禁物)。

まずは古材の加工から。

上写真の松板を2枚使います。

若干大きめの寸法で木取り。

指物的なもので精度が求められることから、手押しや自動カンナを使って調整して所定の寸法(108×22、78×22)で仕上げます(実際には仕上がり寸法から図面をおこしています)。

辺材部の虫喰い跡が残りますが、これも古材再利用の証しとなることでしょう(パテ補修は行います)。

図面に従って墨付け。

ホゾ穴を角ノミを使ってあけます。

機械を使うため正確と言いたいところですが、まだ慣れていないこともあって墨線にピタリとあわせるが難しいです。

続いて、ホゾ側を加工します。

今回は幅の広い板と板との組みになるため2段のホゾにしています。

竹を取り付けるための穴(φ30mmの止まり穴)を座ぐり錐(フォスナービット)を使ってあけます。

これで部材のうち古材利用分の加工が完了しましたので、虫喰い跡をパテ補修したうえ全体をサンドペーパーで仕上げます。

里山再生:カシの苗木作り

冬季に行っている山仕事は、4月上旬までに終えました。
山仕事は、これまでは伐採(木や竹)を中心に行ってきましたが、今シーズンからは植樹(クヌギとスギ)も始めることができました。

クヌギ:4本
スギ:11本(+他の場所に6本)

伐採は、個人的には薪ストーブの燃料が入手できることにもなるため嬉しいものの、その反面、生きている木を伐ると言うのは辛いものもあります。
その点、植樹は木の生命力を感じることができて楽しいものです。

植樹を実際に行って感じたのは、植樹自体は容易(穴を掘って苗木を植え付けるだけ)なのに対し、苗木をタイミングよく準備しておくことの難しさです。
今回は、たまたま実験的に畑で育てていたものが移植にちょうど良い大きさになっていたため良かったのですが、計画的に植樹するにはそれを見越して苗木を育てておく必要があるわけです。

と言うことで、2、3年後の植樹を見越して苗木を準備することにします。
今年から5年かけて自宅に隣接する竹林を縮小する計画のため、その後に植える苗木を準備しておくと良さそうです。
苗木の樹種について、竹林の風下には隣家があるため、クヌギやコナラなどの落葉樹だと大量の落ち葉により迷惑をかけてしまうため不適です。
常緑樹で、しかも用材や薪炭材として使えて良いと感じているのがカシやツバキです。

カシであれば、自宅の庭にカシがあり、秋に落ちたドングリからたくさん自生します(苔庭のため、苔がゆりかごになって発芽しやすいようです)。
いつもは草取り時に抜いているのですが、昨年は抜かずにそのままにしておいたところ、冬を越して下写真の状態にまで育っています。

ここで大きくするわけにはいきませんので、山に植樹するまで一旦、竹ポットに移植して育てることにします。
移植ゴテで掘り上げてみると、既に根が深くまで入っているため直根を途中で切ってしまいます。

そこで、掘らずに引っ張ったところ、うまい具合に直根が切れることなく抜けてきます。

その代わり、細根がほとんど取れてしまっています。
今の時期であれば復活するでしょうし、何より掘り上げる必要がないため楽チンです。

草抜きのようにして幼木を採取。

しばらく水に浸けて水揚げさせておきます。

この間に幼木を植え付ける竹ポットを作ります。
竹は、この冬に伐採したものの中から太いもの(真竹、φ○mm程度)を使います。
節が底になるようにレシプロソー(竹用ブレード装着)で切断し(L=○mm)、底に水抜き用の穴を電動ドリルで1箇所(φ10mm)穿孔。

出来上がった竹ポットに幼木を植え付ければ完成です。

ただ、この状態では転倒しかねませんので、これまた竹を利用して固定用の支えを施しておきます。

ポット育苗の場合、畑への地植えの場合と違って水遣りしなければなりませんが、生育状況を観察しやすいのが良いですね。

下写真は昨春に自生えのビワを竹ポットに移植したもので、接ぎ木の台木にするつもりです。

元気よく成長し、台木としてちょうど良い大きさになっています。
接ぎ木することにし、園芸種のビワから穂木を採取して接ぎます。

実は昨春、地生えしているものに直接、接ぎ木したのですが、夏に雑草に埋もれ、草刈りとともに切ってしまいました・・・。
その点、ポット育苗だと安心です。

竹ポットでも問題ないことがわかりましたので、来春にも接ぎ木できるように自生えしているものを竹ポットに移植しておくことにします。

ビワの育苗は、なんとなく少し湿気っているところが良いように感じ、排水路に置いておくことにします。