薪ストーブの導入(30)漆喰塗り

前回で炉台・炉壁が完成しました。

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ちょうど明日(ブログの記事は遡っています。)、注文してあったストーブ本体が届くことになっています。

炉台・炉壁はできましたが、ストーブ本体を据え付ける前にやっておくべきことがひとつ残っています。
それは炉壁の背後となる壁の仕上げ塗りです。

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この壁は昨年の改修工事において新設したものです。
現在、中塗りのうえに下地を塗った状態となっています(ほかで下地材を使ったついでに塗布)。
その後に行った天井の張り替えなどの作業で汚れてしまっていますが、ここでの作業はもうありませんので、今回、仕上げ塗りをおこないます。

仕上げ材は漆喰を使います。

ちなみに、昨年の改修工事において主屋の南側(客間など、下写真で左側)は左官屋さんに珪藻土ベースの仕上げ材(キング鈴井商会「エコロジー(EC-5)」)で塗り替えていただきました。
一方の主屋の北側(居間など、下写真で右側)はDIYで漆喰で塗り替える予定としています。
そのうち改修工事で新設した壁は、左官屋さんに教えていただきDIYで中塗りまで終わっています。
この機会にすべての壁の仕上げ塗りをおこなえばよいのですが、ストーブ本体の配達が迫っているため、とりあえずこの壁だけにします。

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では施工します。
せっかく作った炉壁が汚れてしまわないように簡単に養生しておきます。

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(画像再掲)

漆喰は「大和しっくい」を使います。
近所のホームセンターでも購入でき、1袋(20kg)1,980円と格安です!
ちなみに主屋の改修工事で左官屋さんは「城かべ」という漆喰を使ってみえました。
ホームセンターでみかけないのでネットで調べてみると「大和しっくい」に比べ随分高価です。
どのみち素人施工では仕上がりに期待できませんので、もちろん安価なものにしました。

水を加えて練ります。

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練り具合です。

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作業中の写真はありませんが、わずかの面積ですのでアッという間です。
で、肝心の仕上がりですが、夜になって斜め横から照明を当てて撮影しました(こうすると陰影がよくでます)。

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素人感はありますが正面からみるとそれなりのような?
しかし、漆喰壁は横からみるとボロがよく分かると左官屋さんから聞いたことがあります(玄関口などの漆喰壁は本職に頼んだほうがよさそうです)。

その横から見てみます。

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白くて清潔感があるので良し!、ということにしておきましょう・・・

この壁は中塗りもDIYで行っているため下地に凹凸がありました。
それをわずか数ミリの仕上げ塗りで修正するのは本職でも難しいのではないでしょうか。
仕上げ塗りをおこなってみて、いかに中塗りが重要かということが身に染みます。

主屋の改修工事を通じて、荒壁・中塗り・仕上げ塗りとひと通り経験できましたが、素人施工での難易度は次のように感じています。

(容易) 荒壁 < 仕上げ塗り << 中塗り (困難)

荒壁は昔は「結わい」と言って自分たちで塗っていたように、確かに素人でも十分可能だと感じました(技術より体力勝負!)。
仕上げ塗りは、本職が仕上げた平滑な中塗りやボード下地であれば、素人でもそれなりに仕上がりました。
一方の中塗りは、中塗土の塗りつけはできても、平滑な面を出すのが難しく、さらに仕上がりも求めるとなると素人には敷居が高く感じられました。

主屋の改修工事で左官屋さんから「下地を塗ってあげるから、DIYで仕上げてみては?」と言われました。
そのときは「下地はDIYでおこない、最後の仕上げを本職にお願いするほうが良いのでは?」と思いましたが、なるほど下地が肝要なのです。
まあ、壁塗りだけでなく、何ごとも下地(基礎)が大切なのに変わりありませんね。

とは言え、出来栄えさえ気にしなければ、DIYでおこなうのは楽しいものです。
そんなわけで出来栄えは別にして無事塗り終えました。

塗布面積が狭いため漆喰は少ししか練りませんでしたが、それでも少し余りました。
そこで、まったく意味はありませんが、鏝使いを練習すべく鉄骨倉庫出入口の基礎ブロックに塗ってみました。

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思った以上に手間取り、先の壁塗りよりはるかに時間がかかってしまいました・・・

バケツなどについた漆喰は、水で溶いて畑に撒いておきます。

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漆喰は消石灰が主原料です。
消石灰は畑作にも中和剤として使用されます。
上写真のようにスギナが生えているところは土壌が酸性気味になっていると思いますので、漆喰(消石灰)を撒けばスギナ対策にもなります。

現在のほとんどの塗り壁材には化学化合物が加えられているため、余った材料の処分に困ることがあります。
その点、自然素材の漆喰はこのように畑にも還すことができるので本当に良いです。

<続きます>

薪ストーブの導入(29)炉壁のタイル貼り

前回、炉壁の見切り材を設置しました。

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これで炉壁にタイルを貼る準備が整いました。

タイルは、炉台に敷いたものと同じもの(天然スレート)を使います。
このタイルは頂いたものですが、まだ余りがありますので最大限活用させていただきます(^_^)

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炉壁の下地(ケイカル板)への貼りつけにはモルタルを使用します。
モルタルよりタイル専用接着剤(合成樹脂系)を使ったほうが施工は容易です。
しかし、炉壁という高温になる環境下でも合成樹脂系の接着剤に耐熱性があるものなのか分かりません。
その点、モルタルであれば耐熱性が期待できます。

具体的には、下地にモルタルを塗り(5mm程度)、そこにタイルを貼り付けます(圧着貼り)。

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炉台でも事前に検討したように、タイルの割り付けを検討します。

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炉壁は単純な長方形です。
炉台と同じタイルを使用しますので、目地の位置(左右方向)を炉台と通します。
しかし、そうすると左右両側に切断が必要となるタイルが生じます。
また、上下両側のタイルも切断が必要となります。
今回は切断するタイル(上図で朱色着色箇所)が多くなり、大変そうです・・・

では、タイルを切断します。
炉台のときと同様にディスクグラインダーにダイヤモンドカッター(ウェーブタイプ)を装着して切断します。

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地道に切断して、完了。

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炉壁に使用するタイルはこれだけの分量(12×12=144枚)になります。

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枚数の多さに貼り付け前から気が重くなります・・・

タイル貼り付け用のモルタルを塗る前に、炉台のときと同様にケイカル板にシーラーを塗布します。
シーラーとして「NSハイフレックス」(セメント混和材)を水で1:3の割合で希釈したものを使います。

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シーラーを塗布したら次にタイル貼り付け用のモルタルを練ります。
まずは、セメントと珪砂を1:1の割合で空練りします(炉台のタイル敷きにおいて目地材を作るのに使った「hiメトローズ」も適量加えています)。

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そこに、「NSハイフレックス」を水で1:2の割合で希釈したものを加え、耳たぶ程度の硬さになるように練ります。
「NSハイフレックス」(セメント混和材)を加えることでモルタルの接着力が増強します(接着モルタル)。

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中塗り鏝で炉壁下地(ケイカル板)に塗り、櫛目を入れます(自作の櫛ヘラ使用)。

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タイル貼り初心者ですので、貼り付けに時間がかかるに違いありません。
時間が経つとモルタルの接着力が落ちそうですので、欲張らずに3段分ずつモルタルを塗っています。

全てのタイルを貼り終えました。

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今回、「NSハイフレックス」などを配合して貼り付け用のモルタルを作りましたが、微妙な水加減に苦労しました。
水分が多いと、タイルを貼ってしばらくするとタイルの自重で少しずり下がってしまいます。
かと言って水分が少ないと、貼ったタイルが剥がれてきます。
それが適量だと、吸い付くように貼り付き、しっかり固着されます。
しかし、初心者がピタリと水加減や配合を決めるのは難しいように感じました。
接着モルタルはプレミックス(配合済)のものがありますので、それを使うほうが良いかもしれません。

また、炉壁のタイル貼りは、炉台のタイル敷きに比べかなり難易度が高かったです。
私のような素人が行うときは、炉台のタイル敷きで慣れてから炉壁のタイル貼りを行ったほうが良さそうです。

それでもタイルの貼り付けが終わりましたので、炉台のときと同様に目地を埋めます。

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汚れをよく落とします。

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これで、炉台・炉壁の完成です!

<続きます>