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井戸の再生(33)土間コン復旧と水栓ボックスの設置

前回、給水管と排水管を敷設しました。

給水管については、上図のとおり雨水排水路のキワに散水栓を設置することにしています。
散水栓は一般的に地面に設置したボックスのなかに格納されます。
ボックスは樹脂製の既製品が市販されています(2千円程度)。


(上写真は3年前に手水鉢用に設置したもの)

こうしたものを使っても良いのですが、今回の設置場所には石積みがあるため納まりが悪いように感じます。
そこで、これから行う予定の土間コンの復旧にあわせてコンクリートでボックスを作ることにします。
そうすれば、自由に形や大きさを決められますし、合成樹脂製の余計なものを買わずに済みます。

ボックスを作るには、その底高を決める必要がありますので、基準となる散水栓を取り付けます。
散水栓(Pjオネジ)は、塩ビ管に給水栓ソケット(Rpメネジ)を接続したうえ、それにねじ込んで取り付けます。

このとき、散水栓の最も高い箇所(ハンドル部分)が土間コンの天端より低くなるようにしています(散水栓が地面から飛び出していると蹴つまずいたりして危険なため)。

型枠を合板(端材)から切り出し、ボックスの内面側に当てます。

こうしておけば土間コンの打設の際に、この型枠の外にもコンクリートを流してやれば、ボックスが形成されることになります。

土間コンの基礎として砕石(+土間コンをハツったときに発生したものをミックス)を敷き均します。

生コンを練って打設(骨材に土間コンをハツったときに発生したものを再利用)。

面倒なのは、下写真のような端部の処理です。
手を抜いて雑に仕上げると、いかにも素人工事といった感じになってしまうため丁寧に仕上げます。

翌週末、型枠を外します。

底は土の状態で、このままでは雨などで土が流されてしまうため、底にモルタルを敷いておくことにします。
モルタルを敷く際に散水栓が邪魔になりますので、一旦取り外し、その代わりに栓を取り付けておきます(ゴミ等の侵入防止)。

必要となるモルタルは少量のためバケツで練ります。

狭小箇所につき柳葉コテ(上写真で左下、中塗り用)を使って仕上げます。

このとき、雨水排水路側(上写真で手前側)に若干勾配をつけ、ボックス内に水が溜まらないようにしています。

さらに翌週末、仮設の栓を散水栓に取り替えます。
今回は本設になりますので、ネジにシールテープを巻いて水漏れしないように取り付けます。

水栓及びボックスの完成です。

屋外部はこれで完成といきたいところですが、上写真のとおり外壁の貫通部があいた状態になっていますので、その雨仕舞いを行う必要があります。

<続きます>

井戸の再生(32)掘削と配管

前回、地面を掘って地中に埋設されている横断管を調べました。

そして、これらの横断管をかわして下図の水色線で示すとおりパイプを敷設することにしました。

地面を掘るのを再開し、管底の高さまで掘削します。

雨水排水路の側面が石積みになっているため、掘削にあわせて石を一時撤去しています。

深さ(70cm弱)に対して幅が狭い(35cm)ため掘るのに手間取りましたが、粘性土のため側壁が崩れてくるようなことはありませんでした。

いよいよパイプを敷設していきます。
水道管や煙突などのパイプ類は流れの向き(上流→下流)で施工していくのが基本だと思いますが、今回は下流側の接続箇所が決まっているため、下流から上流に向けてパイプを伸ばす形で作業を進めることにします。

下流側で接続するパイプ(HIVP13A)は、現在、自治体の上水道から水が来ています。
これを下写真で朱色線の箇所で切断・止水し、反対側に新たなパイプを接続して井戸水が来るようにします(上水道と井戸水配管との直結:クロスコネクションは厳禁)。

上水道の元栓(止水栓)を閉じ、適当な蛇口を開けて止水されていることを確認したうえ作業開始。
塩ビ用ノコギリを使ってパイプを切断し、上水道側にキャップを取り付けて止水。
反対側にはエルボ(90°)を接合してパイプを伸ばしていきます。

パイプの色が既設と新設のもので異なるのは、同じ塩ビ管でも次のとおり種類が異なるためです。

  • 既設(青灰色):耐衝撃性塩ビ管(HIVP)13A
  • 新設(灰色):塩ビ管(VP)13A

両者は材質が異なるだけで外径等の仕様は同じため、相互に接合することができます(ただし、HIVP管とVP管を接合する場合にはHIVP用の接着剤を使う必要有り)。

上水道側にキャップを取り付けられたことから、上水道の元栓を開けて水を通し、水漏れがないことを確認しておきます。

引き続き、上流に向かってパイプを伸ばしていきます。
幼少の頃に流行った「水道管ゲーム」のような感じです。

散水栓を設置する箇所はチーズ(T字管)を使って配管を分岐し、立ち上げています。

一方の本管側は45°の勾配で敷設しつつ、複数の横断管(上:給水管&給湯管、下:汚水排水管)の間を通り抜ける設計としていますが、無事そのとおり配管できました。

塩ビ管は扱いやすいため私のような素人でもできたようなもので、金属管や架橋ポリエチレン管では難しかったと思います。

給水管(VP13A)にあわせて排水管(VU65A)も敷設することにしているため、一旦、排水管の底高まで埋め戻します。
このとき、一旦撤去した石積みも復旧。

排水管を敷設していきますが、給水管側に散水栓のスペースを確保するため、排水管のセンターを反対側に100mmシフトさせます。

排水管には90°エルボを2箇所使っていますので、これを下図のとおり傾けてやれば100mmシフトできることになります。

今回は排水管のほうをシフトさせましたが、給水管のほうをシフトさせる手もあります。
ただ、その場合、給水管は45°エルボを用いているため45°エルボを傾けると3方向(XYZ軸)の移動量が発生してややこしくなります。
とうの昔に三角関数(合成角→約45°)なんて忘れてしまっていますので、排水管側をシフトさせた次第です・・・。

<続きます>