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サイクロン集塵機の自作(9)前方設置 or 後方設置?

前回、木工用集塵機(下写真で左下の青色の機械)を入手したため、自作サイクロン集塵機を改良することにしました。

サイクロン集塵機は自作してから5年が経ちます。
色々と改良したいところはありますが、今回のメインは現在サイクロン集塵機のブロワ(送風機)として使っている家庭用掃除機に代わり、よりパワーのある木工用集塵機を使う点になります。

ところで、サイクロン集塵機は下図のように粉塵混りの空気から粉塵を分離して回収するものです。

ここで上図にある家庭用掃除機(F)は粉塵混りの空気をサイクロン装置に送り込む役割を果たすものであり、単純に木工用集塵機への置き換えが可能です。
上図(現状)では家庭用掃除機はサイクロン装置の後方(アウトレット側)に設置していますが、サイクロン装置の前方(インレット側)に設置してもサイクロン装置は機能するはずです(下図)。

家庭用掃除機は粉塵混りの空気を送れないこともあってサイクロン装置の後方に設置するしかありませんでしたが、木工用集塵機は粉塵混りの空気を送れるため前方に設置することも可能になります。
前方に設置することのメリットのひとつは、上図からもわかるようにサイクロン装置周りがシンプル(アウトレット管がほぼ不要)になることです。

サイクロン集塵機は身近なところにも使われており、そのひとつがコイン精米機です。
下写真はよく利用するホームセンターに設置されているコイン精米機ですが、配管を見ると前方設置タイプであることがわかります。

前方設置タイプであればアウトレット管は要らなそうなものですが、サイクロン集塵機の粉塵回収率は100%ではないため客に粉塵が掛からないよう吐口をサイロの後方に向けるようにしてあります。

また、大工さんの作業場などで使われる本格的なサイクロンのシステム(下図)も同様に前方設置タイプです。

マキタ 総合カタログより

サイクロン装置周り(配管)がシンプルになることから今回は前方設置タイプにしようかとも思ったのですが、前方設置にするぐらいなら木工用集塵機に付属のダストバッグを使えば良いのであって、そもそもサイクロン装置なんて要らないと言うことにも・・・

一方、後方に設置する最大のメリットは、集塵機の前方で粉塵が集塵されるため集塵機の負担(粉塵によるファンの損傷等)が小さくなることだと思います。


家庭用の充電式クリーナもサイクロンにするためのアタッチメントが市販されていますが、これは後方設置タイプで、ゴミがクリーナ本体に到達する前にサイクロン装置で集塵するようになっています。

なにしろ、以前充電式クリーナをメンテしたときに痛感したとおり、クリーナのフィルターだけでは粉塵を捕捉しきれずに本体内にも入り込んでしまうのです(下写真)。

マキタ社のカタログ(2枚上の写真)では「ゴミ捨て簡単、サイクロン」と謳っていますが、サイクロンアタッチメントを装着するメリットはクリーナ本体の保護のほうが大きいように思います。
せっかくサイクロン集塵機にするのですから、充電式クリーナと同じく後方設置タイプにすることにします。

ところで、木工用集塵機は家庭用掃除機に比べ、かなり重いです(大きさは余り変わらない)。
これまでのように設置すればサイクロン集塵機が不安定になって転倒しかねません。
かと言って、横に置くとスペースを取りますので、下図(右側)のようにサイクロン集塵機の下部に木工用集塵機を設置できるようにしてスペースを節約するとともに、その重さを生かしてサイクロン集塵機を安定化させることにします。

また、基本的な仕様として、インレット管を木工用集塵機の大風量にも耐えられるようにアルミダクト(換気扇に使われるものでペラペラ)からダクトホースに変更します(口径は木工用集塵機にあわせてφ75mm)。
一方、アウトレット管は今回、後方設置タイプとし粉塵による断面阻害がないため口径を絞り(φ75mm→φ40mm)、塩ビ管(VU40A)を使って配管することにします。

<続きます>

サイクロン集塵機の自作(8)木工用集塵機を入手

前回、洗面脱衣室に脱衣カゴ置きを設置しました。

天板は古材を再利用し、加工にはいくつかの電動工具を使用しました。
電動工具は便利なものの、デメリットもあり、そのひとつが凄まじい粉塵を排出することです。
肺を悪くしないためにも集塵機を併用する必要があり、ガレージでは現在2台の集塵機を使っています。
ひとつが下写真の掃除機タイプのもので、丸ノコ等の粉塵が細かく少ない電動工具を接続しています。

もうひとつが下写真のサイクロン集塵機で、こちらは自動カンナやテーブルソーなどの粉塵が多い電動工具を接続しています。

このサイクロン集塵機は5年前に自作したものです。
サイクロン集塵機は簡単な仕組みながら粉塵だけを分離回収してくれる優れもので5年経った今も大活躍しています。
ただ、自動カンナを接続する場合(特に幅広の板を切削して大量のおが屑が発生する場合)、ホース(インレット側)におが屑が詰まってしまうことがあります。

詰まるのはホースが細い(φ38mm)からだと考え、ホースを太く(φ100mm)にしたりしましたがイマイチなのです(ブログ記事にはしていませんが、この5年間に3回改良を重ねています・・・)。
そうしたなか、マキタ社の木工用集塵機(モデル:410)を使わせてもらう機会があり、その風量の大きさに驚きました。
自動カンナなどで発生する大量のおが屑を集塵するにはそれだけの風量がいるのであって、自作サイクロン集塵機におが屑が詰まる主原因は風量不足だったわけです。

と言うことで、ヤフオクで木工用集塵機を入手しました(下写真で右下の青色の機械)。

この木工用集塵機(リョービ VC-2001)はマキタ410と同じ能力ですが、風量の強・弱を切り替えられるのが決め手になりました。
木工用集塵機は風量が大きい分、騒音も凄まじいため接続する工具に合わせて風量を下げたいと思っています。

木工用集塵機は単体で使用できるのですが、これまで使ってきたサイクロン集塵機の素晴らしさも捨てがたし・・・。
そこで、サイクロン集塵機の送風機(現在、家庭用掃除機を使用)として木工用集塵機を使おうと思います。
また、これに伴いサイクロン集塵機を全面的に改良することにします。

サイクロン集塵機の改良を行う前に、もう1台の集塵機(掃除タイプ)に不具合が生じていますので、それのメンテを行っておくことにします。

この集塵機は中古品を入手した際、電気部分のメンテとともに動きの悪いキャスターを新品に交換しました。
そのとき交換したのは3個のうちの1個だけだったのですが、残りの2個もついに寿命に達しました。

新しいキャスターを2個購入して古いものと取り替えます。

ちなみにメーカー(マキタ)から純正品のキャスターを取り寄せると1個500円ほどします。
マキタ社がキャスターまで作っているわけでもないでしょうから、同じサイズのものMonotaroで購入し(1個250円程度)、それを使っています。

スムーズに集塵機が移動できるようなって満足度高し(^_^)