耕作放棄地再生」カテゴリーアーカイブ

耕作放棄地の再生(22)竹と蔓と筍

前回、樹木(スギ、ヒノキ)の背後に迫っていた竹(モウソウチク)を田面から5m控えるように伐採しました。

竹が密集して薄気味悪い感じでしたが、光と風が入るようなって我がことのようにスッキリ感じます。

このように整備したところは下写真で青色矢印で示す区間になります。
上流側から作業を進めた関係でこの区間を先行しましたが、その下流の隣地との境界付近(下写真で朱色矢印)こそ整備しなければならないのです。

遠目には特に問題ないようにも見えますが、近づくと下写真の有り様です。

竹や樹木に蔓が絡まった状態で田面側に倒れてきています。

倒れてきているものを全て伐採したうえ、ここも田面から5m控えるようにします。
蔓が絡みついているもの全てを根元で伐って田面に倒します。

写真では伝わりづらいですが、太いモウソウチクどうしで相当な力がかかってため、かかり木の伐倒と同様に危険な作業です。
下手をするとチェンソーを跳ね飛ばされかねませんので、力のかかり具合によっては手鋸を使って様子を窺いながら切るようにしています。

全部倒せたかのようですが、実はモウソウチクの1本が蔓に絡まって宙吊りになっています。

重たいモウソウチクを吊り上げられるほどですので、蔓も腕ぐらいの太さがあります(フジ?)。

自宅裏の里山には大根足レベルの蔓がありましたので、それに比べるとまだカワイイものなのかも(^^;

伐倒するのも大変ですれが、それ以上に大変なのがその後のバラシ作業です。
ひとまずチェンソーで玉切りし、蔓を解いたうえで枝を払っていきます。

ボイラーの燃料用と思いながら棚積みします(使うよりも朽ちるほうが早いでしょうが)。

竹に巻き込まれて倒れていた樹木はカシの木でしたので、薪用に玉切りして持ち帰ることにします。

結構な太さがあるのですが、モウソウチクの太さに比べると焚き付け程度に見えます。
上写真で右側に写っているチェンソーに至ってはオモチャのようです。

何にせよ、これで水田の隣接箇所(5m幅)は全て伐採が完了しました。

今後は定期的な草刈り等により現状を維持すれば、隣地に迷惑を掛けることもないでしょう。

水田の隣接箇所はとりあえず整備できたものの、その奥は言うと・・・

モウソウチクが密集しているだけでなく、直径60cmを超える大木が倒れています。
大木と言えどもモウソウチクの勢いには敵わなかったのでしょう。

作業時に近くの道を地元の長老が通っていかれ、このモウソウチクについても話を伺うことができました。
今回竹を伐採したところの奥に平坦な場所があり、そこは以前、畑として使われていたとのこと。
山にも竹は生えていなかったが、畑を耕作されていた方が畑の片隅にモウソウチクを植えたのが始まりだとか(昭和30年代から40年代)。
その後の耕作放棄とともに竹の勢いは凄まじく、ひと山全体に広がってしまったそうです。

ところで、このブログ記事は遡って書いており、実際には今回の作業を含めて3月末までに終えています。
先週末、その後の状況を確認しがてらタケノコを収穫しに行きました。

4月14日の状況です。

田面が緑の絨毯で覆われています(5月下旬に1回目の草刈りを予定)。

今年はタケノコの生り年のようで、至るところに上がっています。
大きいものは勿体ないですが根元をノコギリで切って放置。

小さいものを中心に持ち帰ったものだけでも、これだけの量になります。

<続きます>

耕作放棄地の再生(21)モウソウチクの伐採

前回、隣地にせり出していた雑木(エノキ、イヌビワ等)を伐採しました。

<Before>

<After>

これまで上流側の隣地(下写真で左側)には迷惑をかけ続けてきましたが、3年かかってようやく整理できました。

上流側が片付いたとして、次は下流側(上写真で右側)です。
下流側についても、上流側と同様に密集した竹(モウソウチク)が隣地へ倒壊しています。

上流側と下流側の間については、水田に沿ってスギやヒノキが植林されているため、それによって竹の倒壊が抑えらています。
しかし、竹の勢いは凄まじく、背後からスギやヒノキを押しており、いつ水田側に出てきてもおかしくありません。

そこで、竹を水田から約5m控えるように伐採することにします。
こうすればスギやヒノキとの間に5m幅の緩衝帯ができ、鬱蒼とした林内に風が入るようになるかもしれません。
この伐採を下流側の隣地まで行えば、隣地に竹が倒れることもなくなるように思います。

と言うことで、上流側から下流側に向けて竹の伐採開始。

モウソウチクは太くて重いうえ、密集しているため厄介です。
さらに最初は作業場所すら確保できませんので、とりあえず伐倒・玉切りだけし、田面に出したうえで枝払いします。

入口側の竹を伐採してみると、スギの樹形がよく分かるようになりました。

見事に山側の枝がありません・・・。

下流側へと伐採を進め、スギやヒノキの背後部分について伐採完了(単純な繰り返し作業とは言え、モウソウチクの伐採は本当に厄介です)。

日差しが入るようになりましたし、方角的に西風(冬の季節風)や東風(夏の海風)がここを吹き抜けていくことでしょう。

スギやヒノキも気持ち良さげです。

スギやヒノキの背面に日差しが入るようになったため、水田側から見ても明るく感じます。

伐採した竹は枝払いしたうえ棚積みして腐るのを待ちます。

林内だけでは収まらず田面側にも置いています。
たかが5m幅を伐採しただけで、これだけの量です。
これだけあれば1年間のボイラーの燃料を賄えそうで、そう思うと伐採して残置するだけと言うのは勿体ないものです。

<続きます>