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耕作放棄地の再生(24)草刈りと植生の遷移

再生中?の耕作放棄地について、3月末まで隣接する山の整備(竹の伐採等)を行っていましたが、そのときの水田の様子が下写真です。

田面には緑色の箇所が部分的にみられ、雑草が生え始めています。

そして、先の5月連休(上写真から約1ヶ月後)、タケノコ(孟宗竹)収穫後に生えた若竹を伐っておくため、再び訪れたときの状況が下写真です。

一面緑の絨毯で覆われ、草丈も大きくなりつつあります。
下流側の水田を見ると、既に草刈りを済まされてみえます(上流側の水田も同様)。
一昨年・昨年と、最初の草刈りを5月下旬に行っていますが、もう少し早く行ったほうが良いのかもしれません。

また、昨年9月中旬に最後の草刈りをした際に、クローバーを播種していますが、遠くから確認する限りでは、それらしきものは生えていません・・・。
そこで、田面の中に入って行って確認すると、所々で雑草のなかにクローバーが生えているのを発見。

クローバーの品種はラジノ(巨人)と言うもので、どれほど大きいのか興味があったのですが、肥沃な土地に生えているシロツメクサと言った感じでしょうか。
クローバーの生育を促すためにも、今の時期に草刈りをしておくと良さそうです(草刈りは10cm程度のところを高刈りしているため、クローバーは刈らずに残ることになります)。

そこで、今年最初の草刈りを行うことにします。
朝活(早起きして作業)として1日1時間ずつ作業。

<1日目:5月10日>

草が柔らかいため、スイスイ進みます。

<2日目:5月11日>

2日目にして田面のほとんどが終了。

<3日目:5月12日>

山裾に生えている雑木の下草を軽く刈払いして完了。

水田の面積は約1反(1,000m2)で、今回その草刈りに要した時間は計3時間程度になります。

昨年の同時期に草刈りした際のブログ記事を確認すると、昨年は約5時間を要しています。
短時間で済んだのは、定期的な草刈りによって草が落ち着いてきていることもありますが、やはり昨年より早い時期に行なったことで草が柔らかく刈りやすかったのが大きいように思います。
草刈り一つとっても、手当たり次第行うのではなく、草の状況に応じて適期に行うことが大切なのだと改めて感じます。

と言うことで、草刈りの年間スケジュール(休耕田)を次のとおり変更しておきます(備忘録)。

  • 1回目:5月上旬
  • 2回目:7月上旬
  • 3回目:9月上旬

ちょうど2ヶ月おきになるため覚えやすいです。

今回の草刈りではもう一点気づいたことがあり、それは草の植生の遷移です。
まず、笹がほとんど見当たらなくなりました。
当初はノイバラや笹(篠竹)、セイタカアワダチソウの勢力が強かったのですが、まずノイバラが弱まり、次いで笹が消えつつあるようです。
竹は3年完伐し続けると生えてこなくなると言われており、同様に笹も3年刈り続けると消えるのかもしれません。

ノイバラのあとにはミゾソバが一面に広がったのですが、今回、ミゾソバのなかにセリの群落地が広がっているのに気づきました。

このようにして草の多様性が生れてくるのかもしれませんね。

セリはこの時期、既に大きくなっているものの、柔らかいため撫でるようにして草刈りできます。

こうした草であれば草刈りも容易ですので、何もクローバーに固執する必要はないのかもしれません。

成長したセリは、同じセリ科でも有毒のドクゼリと間違いやすいそうです(私はドクゼリを実際に確認したことがありません)。
香りから食用にもなるセリだと思うのですが、念のため確認しておくことに。
ネットで調べてみると、ドクゼリはタケノコ状の太い地下茎を有することでセリと区別できるとのことで、根元から掘り上げてみました。

セリとドクゼリ(有毒)(東京都薬用植物園)

と言うことで、セリが大きく成長したもので間違いなさそうです。

ついでに、自宅敷地に隣接する果樹園についても下草を刈っておきます。

ここにも昨秋、クローバー(ラジノ)を播種したのですが、一部分にしか見当たりません・・・。

播種のタイミングが悪かったのか?
天気予報では翌日から雨天になるとのことで、余っていた種子を再度、播いておきました。

下写真は違う場所(通路部)に播種したもの(一般的なシロツメクサ)で、このような感じになれば草刈りの労力が軽減化されるのでしょうが。

<続きます>

耕作放棄地の再生(23)雑木林

前回までで、水田の北側(下写真で正面)についてはとりあえずのところ整備を終えることができました(ここまでに3シーズンを要す)。

今後は少なくとも現状を維持し、隣地に迷惑を掛けないようにしていく考えです。
また、余裕があれば山の奥側に向かって竹を後退させつつ、雑木林に移行できればと思っています。

あとは、水田を挟んで反対の南側(下写真)です。
こちらは昨シーズンから整備を始め、昨シーズンは水田にせり出している樹木の伐採や笹刈りを行いました。


(2017年4月)

竹(モウソウチク)は侵入しておらず雑木林の状態とは言え、中は蔓がはびこって下写真の状態です。

蔓に巻きつかれて枯れている木もあり、それらを整理するつもりで昨シーズン、蔓の根元を切っておきました。
1年後の現在、蔓の枯死とともに枯れ木が倒壊しています。

これらの枯れ木を玉切りし、邪魔にならないところに積んで腐るのを待ちます。

本来なら持ち帰って薪にするなり、畑に置いて堆肥化したいところですが、なかなかできないものです。

続いて、生きている木に巻きついている蔓も整理していきます。

上写真で中央付近に直立しているのが木(カシ?)で、その他はすべて蔓です・・・。

既に枯死している蔓(昨シーズンに根元を切断)が多く、意外と作業が捗ります。
蔓を整理し、笹を刈ると一気に雑木林らしくなってきます。

昔、夏になると里山でカブト虫などを採ったことを思い出しますが、当時(昭和50年代)はまだこんな感じで中へ入っていけるところがあったものです。

木立の間からは対面の山や水田を見通せるようになりました。

田面側から見ても下写真のとおりスッキリしたように感じます。

まだ一部しか整備できていませんが、暖かくなり、そろそろマムシが活動し始めますので、今シーズンはここまでとします(ブログ記事は遡って書いており、実際には3月下旬のこと)。
来シーズンは薪用に樹木を伐採しつつ整備を続けたいと考えています。

最後に、昨年に見つかった進入路跡の笹刈りをして完了
(と言っても、これからの季節は田面の草刈りが待っています・・・)。

<続きます>