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雨水対策(1)雨樋の掃除

当地では冬季、北西の季節風(鈴鹿山脈から伊勢湾に吹き抜ける「鈴鹿おろし」)が吹きます。
そして、我が家は西に里山(防風林を兼ねる)があるため、木や竹の枯れ葉が敷地へと吹き飛ばされてきます。

そんな季節風も、過日の春一番のあとは弱まりつつある一方、間もなく「菜種梅雨」の時期を迎えます。
ということで、落ち葉がたまった雨樋を掃除して菜種梅雨に備えることにします。

まずは主屋の大屋根に掛かる軒樋から。
下屋の屋根に登って作業することになります。

主屋は厨子(つし)二階と呼ばれる形式で、通常の本二階に比べ大屋根の高さが低くなっています。
そのため、下屋の屋根に登るだけで容易に樋掃除ができます。

さて、落ち葉のたまり具合は。

上写真で手前が山側(西側)になりますが、やはり山側ほど堆積量が多くなっています。
たくさんたまっているとは言え、これでも里山整備(枯れ竹の除去や間伐)をおこなう前に比べると1/3程度に減っています(今回の樋掃除は今冬初めてですが、以前は2ヶ月も経たないうちにこのような状態になっていました)。

軒樋の落ち葉を取り除き、続いては、たて樋です(下写真は主屋の裏側)。
特に集水器付近がたまりやすく、棒で引っ掻く程度で取り除けるレベルではありませんので、たて樋をバラします。

たて樋は通常、接着剤を使って接合してあるためバラしにくいかと思います。
しかし、我が家は余りにも落ち葉が多いため、一部を接着剤を使わずに接合し、バラしやすいようにしてあります(たて樋は「でんでん」でも固定されているため、勝手に外れてしまうということはないようです)。

で、たて樋の中は。

なんとか雨水が流れる状態ですが、詰まるのも時間の問題ですね。

他にも土蔵や倉庫の樋を掃除して、ゴミ袋一杯分の落ち葉がたまりました。

本当はこれで終わりではなく、樋掃除ができていない建物が残っているのです。
その建物は最も山に近いところにある離れ(下図で左下)です。

上図には樋の位置と向きを矢印で示してありますが、そのうち赤色と黄色が落ち葉がたまりやすいところです。
離れは最も落ち葉がたまり掃除する必要性が高いのですが、実際には15年ほど前に新築して以来、全くできていない状態です・・・。

と言うのは、離れは2階建てで、所有している二連梯子(7m)を掛ければ届く高さなのですが、下図のとおり山の斜面が迫っていて足場を確保できないのです。

上図で梯子は75°の角度で掛けてありますので、もう少し立てればよさそうなものですが、実際には法肩の土が軟弱でとても梯子を支えられるような状態ではありません。

この斜面は昭和30年代に樋(先代の離れ)の故障から崩壊しており、再び崩れたときには離れ自体の倒壊につながりかねません。
そこで、とりあえずは軒下に板を並べて、樋から溢れ出る雨水の落下により地面が削られてしまうのを防いでいます。

これはあくまでも応急措置であり、ちゃんとしたものとして次のような方策を考えています。

  • 樋カバーの設置
  • 恒常的な足場の設置
  • 樋を撤去し、地面に雨水を受ける側溝的なものを設置

いずれにしても、斜面自体の強化(土留め及び植栽)とともに対策を講じていこうと思います。

<続きます>

雑草対策

前回、畑の草生栽培について書きました。

田舎では畑のほかにも管理すべき土地が広く、その雑草対策に苦労しています。
今回はその雑草対策について書きたいと思います。

その前に自宅周辺の環境について紹介します。

我が家は小高い丘(標高約30m)のうえにあります。
丘の下には水田(標高約10m)が広がっています。
丘のへり(河岸段丘)は緩やかな斜面で、里山(雑木や真竹の混合林)となっています。

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上図で朱色で着色したところが我が家の敷地です。

畑を含む敷地面積は約800坪(約2,500m2)です。
その約半分(1反強)が畑となっています。

また、隣接する里山は約3反(約3,000m2)の面積があります。

合計約5,500m2と、田舎でも広いほうだと思います。
(自宅に隣接していない山林や水田は含んでいません。)
昭和初期まではこの3分の1の面積(約1,900m2)だったのですが、昭和初期及び戦後直後に隣家(2戸)が都会へ出たことで現在の面積まで膨れたそうです。

さて、これだけの土地を片手間で除草するというのは現実的に不可能です。
除草剤の使用は避けたいという思いもあります。
畑は草生栽培するとしても、それ以外の土地をどうするかです。

1 徹底的な除草

除草(草取り)するところは最小限としています。
草取りは大変ということもありますが、大地の表面は植物で覆われているのが自然な状態だと思います。
動物の肌が毛で覆われているような感じでしょうか。
そう言えば、人間が毛無し猿だというのは不思議です。
大昔の祖先が雑草に対するがごとく邪魔ものとして抜いてしまったのでしょうか(^_^;

除草箇所は、建物の周囲と、玄関アプローチ及び駐車場です。

除草は基本的に除草剤を使わずに手作業で行っています。

(1)建物の周囲

建物の周囲はさすがに除草せざるをえません。
植物が生えていると湿気がたまり、建物を痛めます。
土間コンや砂利敷きにすれば除草しなくてもすみます。

昨年の主屋の改修工事で減築した箇所です。
軒下でも定期的に除草しないと雑草がはびこります。

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雨滴の跳ね返り防止のためにも砂利をひく予定ですが、まだできていません・・・
跳ね返りが少しでも減るように、応急的に古瓦を並べてあります。
(妻面で、かつ下屋に樋もありますので、雨滴はそれほど多くありません。)

(2)玄関アプローチ及び駐車場

全面砂利敷きのため、除草しています。

玄関前は特にそうですが、草丈が大きくなったり、ヤブガラシ(通称:貧乏蔓)のような蔓草が生えたりしていると空家(我が家のようなボロ屋の場合は廃墟!?)のように見えてしまうものです・・・

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玄関アプローチは砂利敷きになっていますが、昔は自然石による敷石だったそうです。
今も砂利の下に埋もれた状態ですので、いずれ再生したいと思っています。

2 他の植生による除草の軽減

畑の草生栽培と同じように、草は草でもって制するという考えです。
その草は、「苔」と「芝」です。

(1)木を植え、苔を生やす

これは現在の里山の中の様子です。

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草はあまり生えていません。
自然の状態においては、樹木や草がバランス良く共生し、草だけが旺盛に繁茂するということはないようです。
除草は、人間が木を伐り倒し開拓したことによって生じた苦役なのかもしれません。

その山を模倣したものが日本庭園ですが、庭には自然と苔が生え、雑草が生えにくくなっています。

我が家には庭が3箇所(前庭、裏庭、坪庭)ありますが、写真は前庭です。

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3年ほど前までは笹庭と化していたのですが、叔母にも助けてもらい笹を駆除したところ苔が復活しました。
ときどき除草はしていますが、草の勢いは弱く、除草は(比較的)楽です。

除草は軽減されますが、庭には樹木の剪定作業が付いて回ります。
手間もお金も要しますので、今では新しく庭(特に日本庭園)を作ることはほとんどありません。
昔は、鑑賞としての目的もあったでしょうが、剪定すればそれを肥料や燃料として得ることができ、しかも除草が軽減されるというようにメリットが大きかったのだと思います。
そのため、我が家のように隣が山であるにも関わらず、3箇所も庭を作るようなことをしたのかもしれません。

意外にも苔庭で除草が軽減されるということが分かりましたので、裏庭も苔の再生(=草取り)を始めています。

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(2)芝を生やす

苔で除草の軽減が図れることが分かったことで、芝生にも興味を抱くようになりました。

主屋と表庭(日本庭園)との間には空きスペース(約15坪)があり、昔は農作業場として使われていたそうです。
その後、自動車を乗り入れるようになったことから、砂利敷きになりました。

主屋の改修工事後には、少し見た目の良い砂利を追加しようと思っていました。
しかし、設計していただいた建築士さんとの話しで、砂利敷きは夏の照り返しがキツイという話しがあったこともあり、芝生にすることにしました。

まだ、この夏前に芝生を張ったばかりです。

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いまは芝生の勢いが強いこともありますが、砂利敷きのところに比べると除草の手間はかかっていません。
生えてくる草も「コニシキソウ」ばかりで簡単に抜けるような状況です。

3 畑の草生栽培

これは、前回の記事に書いた通りです。

以上が、現時点での雑草への対処方法です。
除草の手間を減らし、土地の力を生かす、まだまだ試行錯誤が続きそうです。