地震対策」カテゴリーアーカイブ

地震対策(2)食器棚&冷蔵庫の転倒防止

地震対策として背の高い家具(食器棚&冷蔵庫)が転倒しないように壁に固定することにし、前回、食器棚の天板にクッションフロアを貼りました(クッションフロアは水拭き掃除をしやすくするため)。

上写真のとおり金具を使って壁と食器棚とを連結しますが、食器棚の天板はペラペラの合板でしっかりと金具を取り付けられそうにありません。
そこで、12mm厚の合板(フローリング材の端材)を使って補強しておきます(合板は食器棚の框に対してビス留め)。

この補強板に対して上写真で朱色実線のとおりL形の金具を取り付けます。
L形の金具として、強度があり、しかも安価なものとして思いついたのが棚受けです。
百均で1組(2枚)110円のものを購入して取り付け。

棚受けはクロスの色に合わせて白色のものを選びましたが、クロスが経年(20年)とタバコのヤニで変色しているため結構目立ちます・・・。

同様に左右2箇所に取り付けて食器棚の固定が完了。

今回は百均の棚受けを利用しましたが、ホームセンターには耐震用の様々なものが売られています。
こうしたものを利用すれば考える必要もないのかもしれませんが、今回のように独自に施工した場合に気になるのが、果たして大規模地震に耐えうるのかと言うことです。
私個人の感覚では十分で、もしこれで食器棚が倒れるようなら、そのときは家自体が倒れているのではないかと思います。
とは言え、何か数値的なものを把握できれば、金具等の材料を選ぶ際などに目安になります。

地震により食器棚を転倒させようとする力は、中学か高校の理科で習ったとおり(食器棚の重さ)×(地震の加速度)です。
食器棚の重さについては収納物を減らすよう努力するとしても、厄介なのは地震の加速度です。
新たな地震が発生するたびに、とんでもなく高い値が記録されるなど、私の中学レベルの頭ではとても対応できるものでありません。
そこで、私が一応の目安としているのが食器棚などの重量に0.2〜0.5を乗じた力です。
今回の食器棚や冷蔵庫の重量が100kgfとすれば、作用する力は20〜50kgfになります。
今回設置した棚受け2箇所に両手を掛けてぶら下がる(体重>50kgf)ことができそうですので、とりあえず私個人の判断としてはOKとなります(この考えは個人的なもので当然責任は負えません)。

続いて、冷蔵庫の転倒防止を図ります。
冷蔵庫も食器棚と同様に棚受けを取り付けたいところですが、さすがに冷蔵庫にビス留めするのはヤバそうです。
どうしたものかと思っていると、冷蔵庫の裏に取っ手(左右2箇所)があります。
この取っ手は冷蔵庫の運搬時に使用するものだと思いますが、これにロープをかけて壁と連結すると良さそうです。
ただ、問題はどのようにして壁にロープを留めるかです。
ホームセンターでロープ留め(テントを張る際などに使用するJ形の金具)が売っているコーナーを物色すると良さげなもの(下写真)を発見!

この金具は「アイプレート」と呼ぶようですが、どういう訳かSUS製のものしかなく(海で使うもの?)、1個500円近くします。
SUSとしても高いように感じ、AliExpressを調べると1個100円程度で販売されています。
注文、そして中国から届くのを1ヶ月ほど待って手にしたのが上写真のものです。
アイプレートのサイズ・耐荷重はいくつかありますが、先述の目安からサイズ:35×30mm、耐荷重:50kgf/個のものを選択しました。

これを壁(柱の位置)にビス留めして取り付けます。

そして、ロープで冷蔵庫と連結しますが、ロープは引張強度(6mm、360kgf←50kgf×安全係数8)や価格(100円/m)などからエステル製のものを採用。

合成繊維ですので、ロープの末端はライターで炙って処理しています。

ロープを結んで完了!

食器棚、冷蔵庫ともに固定できました。

実際に大規模地震が起こればどうなるかは分かりませんが、とりあえずはできる範囲のことを行って一安心です。

地震対策(1)古民家(伝統構法)の耐震化

新聞やテレビを見るとコロナ!コロナ!で、発生から10年が経とうしている東日本大震災のことなどもはや忘れ去られたかのような状況です。
しかし、地震は忘れた頃にやってくると言いますし、東南海・南海地震などは明日起こっても不思議ではないほど発生確率が高いとされています。
そんなことで、5年前に主屋(古民家)の改修工事を行った際には当然、地震対策を考えざるをえませんでした。
しかし、古民家のような昔の木造建築で用いられいる伝統構法を対象にした耐震診断や設計の手法は十分に整備されていない状況。
普通に耐震診断すれば「危険!」と言う結果が出るわけで、まるで違法建築に住んでいる犯罪者のような扱い・・・。
かと言って、金具などを用いてガチガチに固めるなど、伝統構法の良さ(竹がしなるように地震力に対抗)を無くすような耐震化は行いたくありませんでした。
文化財などで採用されているクッションダンパー(耐用年数あり)により補強する手もあるのですが、最終的には設計・監理していただいた建築士さんの助言を得て「余計なことは行わず、痛んでいる土台などをキチンと直す」と言うシンプルな方法で行いました(耐震化に係る補助要件に合致しないため補助金は受けずに実施)。

柱や梁などの木材は伐採後100年をピークに強度が高くなるそうですし、我が家の古民家は昭和19年に発生した昭和東南海地震(当地で震度6)を耐え抜いた実績があるのですから、痛んでいる部分さえ修理しておけば同レベルの地震には耐え得るだろうと言う考えです。

耐震診断の数値上は今でも「危険!」のままですが、耐震化に詳しい複数の建築士さんに実際のところはどうなのか伺ったところ、少なくともバタリと倒壊することはないと言うのが共通見解でした。
ただ、古民家のような伝統構法は、先に書いたように竹がしなるようにして地震力に対抗するため地震の際には、まるで船に乗っているかのように建物自体が揺れるそうです。
船酔いはしても良いとしても、心配なのは家具などが転倒し、その下敷きになったり、逃げ口を塞いでしまうことです。

主屋(古民家)には以前は背の高い家具がたくさんあったのですが、これまでに片付けと地震対策を兼ねて多くを整理した結果、現在、転倒して危険そうなものは下写真の食器棚と冷蔵庫ぐらいです。

食器棚と冷蔵庫の背後は石膏ボード下地の壁で、頭上も同じく石膏ボード下地の天井になっていますので、何らかの方法で両者を固定することで転倒防止を図ることにします。

固定方法を検討すべく、天井裏に上がって壁や天井の状態を確認します。

固定方法については天井との間に突っ張り棒を入れるのが容易ですが、天井の下地が石膏ボードや野縁のため強度面で不安です。
強度を確保するには柱(または間柱)に対して固定したいところです。

そこで、下写真のように金具を使って柱と連結することで家具を固定することにします。

ところで、上写真のような家具の上は埃が積もりやすいものです。
定期的に掃除機をかけたり水拭きして掃除するのですが、天板が無塗装の合板のため水拭きがしにくいと感じています。
以前、座布団収納箱(下写真)を設置した際、天板にクッションフロアを貼ったところ掃除しやすくなっため、金具を取り付ける前に食器棚の上部にもクッションフロアを貼っておくことにします。

目に付くところでなく模様を合わせる必要もないため、切り貼りする前提で最小数量分(3尺幅のものを60cm分。500円弱)のクッションフロアをホームセンターで購入してきました。

今思うと、上に物を置いたりするわけでもないため壁紙用のクロス(クッションフロアより安価)で十分でしたね・・・。

接着剤(合成ゴム系)を使って貼り付け。

これで金具を取り付けられます。

<続きます>