主屋再生」カテゴリーアーカイブ

古民家の自然換気(14)天井用板戸の設置

前回、天井の開口部(厨子二階への出入り口)に設置する板戸を作りました。

今回はこれを設置します。
下図(断面図)のとおり大和天井の梁にレールを取り付け、このレール上に板戸(戸車付き)を乗せることで開閉できるようにします。

レールと言っても単なる角材(30mm×16mm)で、梁と同系色になるように古色塗りする考えです。

レールは板戸を開閉させられるだけの延長(板戸の長さ〔1.2m〕の2倍程度)があれば良いのですが、一方で板戸を設置・撤去するためレールの無い区間(板戸の長さ〔1.2m〕以上)も必要となります。

そこで、上図のとおりレールの延長を2.2mとし、レールの無い区間(1.26m>板戸の長さ〔1.2m〕)から板戸を設置・撤去できるようにします。

まずは、レール用の角材(30mm×16mm×2.2m)を杉の間柱材(板戸を作った余り)から木取りします。

このレールが波打っていては板戸の開閉がスムーズにいきませんので、正確に水平に取り付ける必要があります。
このためビスを打つ位置にドリル(スタンド併用)を使って下穴をあけておきます(レールを取り付ける梁のほうにも水糸を張って所定の位置に下穴をあけます)。

続いて、顔料を柿渋で溶いて古色塗りします。

上写真は黒色の顔料として自家製松煙!?を使ったものですが、色付き具合が良くなく(下写真)、結局は市販のものを追加することに・・・。

レールを取り付けます。

板戸をレール上に乗せて完成(開口部を閉じた状態)。

板戸をスライドさせて開口部を開けた状態が下写真です。

<続きます>

古民家の自然換気(13)天井用板戸の作製

前回、既存の照明器具を改造し、大和天井の梁から吊り下げる形で設置しました。

ところで、この照明の近くの天井には開口部(厨子二階への出入り口)があり、現状では開けっ放しになっています。

今の時期だと換気用にもなって良いのですが、冬(または夏の冷房時)は暖気(冷気)がここから逃げてしまいます(断熱材を設置できるようにはなっています)。
そこで、必要に応じて開口部を閉じるための板戸を作ることにします。

下図が開口部を含む平面図です。

板戸はサイズ(長さ)を開口部より幾分大きくし(1,200mm)、上図矢印の方向にスライドさせて開閉することにします。

また、板戸(戸車を取り付け)をスライドさせられるように、下図(断面図)のとおり大和天井の梁にレール(30mm×16mm)を設置します。

板戸のサイズ(幅)は大和天井の梁の間隔(803mm)から片側5mmの離隔を確保し792mm(≒803−5×2)としています。

以上により決定した板戸の長さ(1,200mm)と幅(792mm)をもとに骨組みを描きます。

最も単純なホゾ組みですが、自分の実力で図面なしでは加工ミスを犯すことでしょう(^^;
骨組みとなる角材は、手元にある杉の間柱(3.5寸×1寸×3m)から木取りすることを考慮し、30mm×26mmとしています。

図面ができましたので、後は余計なことを考えずに作っていきます。
まずは木取りから。

続いて、墨付け。

手間の掛かるホゾ加工。

で、楽しみの組み立て(^_^)

骨組みに対して羽目板(天井板として使ったものの余り)を張ります。

柿渋を塗布します。

ここで今更ながら戸車を取り付けるための穴を掘っていないことに気づきました・・・。
ただ、一般的な建具と異なり戸車の設置箇所がノミを使って掘りやすいところでヤレヤレ。

天井用の板戸の完成です。

<続きます>