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避暑部屋から避寒部屋へ(露出コンセントの増設)

前回、主屋の厨子二階(屋根裏)に地デジのアンテナを設置しました。

アンテナとテレビとを結ぶ配線(上写真で黒色の同軸ケーブル)も厨子二階の床上に敷設しました。
テレビの配線をキチンと敷設したことで、仮設状態の電気の配線(上写真で灰色のVVFケーブル)が目につくようになりました・・・。

電気の配線は、もともとは居室側に露出配線されていたのですが、目障りなことと厨子二階を有効利用するため4年前の改修工事において厨子二階に配線し直してもらいました。
その際、各照明やコンセントへの支線部分については、改修工事後にDIY施工(天井等の化粧工事的な部分)する予定であったため仮設にとどめておいてもらったのです。
その後、なんとか天井のDIY施工も完了しましたし、日常生活における電気(器具)の使い方も固まってきたことから、それらを踏まえて配線を一部修正するとともに本設することにします。

配線の現状は下図(単線図)のとおりです。

分電盤からの配線は3系統(上図で朱色・青色・緑色の線)に分かれています(内1系統は離れへの専用線)。
それらから分岐させて各部屋に1箇所の照明と1(または2)箇所のコンセントを設けているだけです。
さらに照明のオン・オフも器具側で操作するものとして壁スイッチを設けていないため、とても単純・明快な配線になっています。
実は、上図には水廻り(20年程前にリフォーム)の部分は含まれていないのですが、水廻り部分は壁スイッチに加えて3路・4路回路を多用しているため配線は超複雑になっています。
確かに壁スイッチや3路回路等を使うと見た目や使い勝手が良くなりますが、方向として脱電気を目指す私にとって、これは違うのではないか感じ、4年前の改修工事の際に設計士さんや電気屋さんに極力単純・明快な配線になるようにお願いしたのです。
照明やコンセントの数も最小限にしてもらい、その後の生活に応じて必要があれば増設する考えです。

そして、改修工事が終わって4年が経ちましたが、今のところ大きな不便は感じていません。
ただ、今年の夏にエアコンを設置して避暑部屋にしたところに、もう1箇所コンセントがほしいと思っています(既設のコンセントは下写真でテレビ背面の壁に埋め込まれています)。

この部屋にエアコンを設置して痛感したのが、部屋の広さが6畳と狭いため冷房がすぐ効き、しかも電力消費量も少ないことです。
このため、冬もここを避寒部屋として有効利用したいと思っています(朝晩はLDKに薪ストーブを焚くため昼間のみ)。
そして、暖房器具についてはエアコンだと加湿されないため石油ファンヒーターを使いたく、その電源をとるコンセントがほしいわけです。

新設するコンセントは、ファンヒーターを置く場所から既設コンセントの対角になる場所に設置することにします。
配線については、既設の分岐箇所(ジョイントボックス)から引っ張ってくれば良いのですが、この機会に厨子二階にもコンセントを設けることからジョイントボックスも追加し、そこから分岐させることにします(下図で朱色線の配線。既設の照明やコンセントの配線も一部変更します)。

文章で説明したり上図のような配線図で表すとややこしく感じますが、超単純な並列回路で、並列回路を習った小学生なら設計できるレベルの配線です(施工には電気工事士の資格が必要です)。

それでは上図のとおり配線していきます。
まずは、既設のジョイントボックスから新設する予定のジョイントボックスの位置までVVFケーブル(2.0×2C)を敷設して幹線を延長します(この時点では既設の配線とは接続しません)。

次にコンセントや照明への支線を敷設します。
新設するコンセントについては、近くに壁がないため(古民家は壁が少ない)必然的に露出型のもの(下写真)になります。

上写真で左が従来からあるもので、右がパナソニック社のリファインシリーズ(コスモシリーズの露出型版?)のものです。
リファインシリーズのものは奥行きが小さく、ネジ頭も露出していないなどデザインも洒落ています(20年もすれば流行遅れになるのでしょうが)。
4年前の改修工事で電気屋さんが設置したコンセントがこのシリーズのものだったため、それらに統一してリファインシリーズを採用することにします(若干高価なため、厨子二階に設置のコンセントは従来のもので我慢です^_^;)。

コンセントを差し鴨居にネジ留めし、VVFケーブルを結線。

露出コンセントの場合、結線するのに面倒な輪作りをする必要があったのですのが、なんとリファインシリーズでは輪作りせずに芯線をそのまま挿し込むだけで良いようになっています。

厨子二階(天井裏)に向けてVVFケーブルをステップルで固定します。

コンセント自体はまだしも、VVFケーブルが目に付きます・・・。
このため、VVFケーブルの露出部分が少なくなるように天井近くの差鴨居のところに設置しています(こうするとファンヒーターの電源をとるのに延長コードが必要になりますが、夏になればファンヒーターとともに延長コードも撤去してスッキリさせる考えです)。

厨子二階用のコンセントも設置します。

こちらは従来のとおり芯線を輪作りして結線しなければなりません。

ほかにも照明等の配線を一部変更し、それぞれのVVFケーブルを新設するジョイントボックス(幹線の末端)のところまで敷設して結線。

単純な並列回路ですので、黒色の電線(非接地側)と白色の電線(接地側)に分けて結線すれば良いことになります(クイックコネクタを使用)。

結線箇所には安全のためプラスチックカバー(商品名:ナイスハット)を被せておきます。

最後に既設のジョイントボックスで結線しますが、ここまでは電気がきていますのでブレーカーを落として検電器で通電していないことを確認したうえ着手します。

増設分はこれで完了ですが、ついでに仮設状態のままになっているVVFケーブルをステップルで留めて本設します。

やはり配線がキチンとする気持ち良いものです(まだドアホン用の通信線が仮設状態ですが・・・)。

今回、厨子二階にコンセントを新設しましたが、早速これを利用して下写真の電話ユニット(下写真で中央。その右は電話機の親機)を設置しました。

これはソフトバンク社が提供している「おうちのでんわ」と言うサービスを受けるために必要になる機器です。
「おうちのでんわ」は自宅の固定電話を月額500円程度(ナンバーディスプレイを含めて1,000円弱)に削減できるという謳い文句のサービスです(電話番号も変わりません)。
携帯電話の普及により固定電話は要らないように思うものの今すぐに廃止するわけにもいかないため、通信費削減のためNTTの回線から乗り換えることにしました(NTTの回線は休止扱い)。
このユニットは要は携帯電話で使われているLTE回線の受信装置で、このため電波を受信しやすいところに設置する必要があります。
先に設置したテレビアンテナと同様、厨子二階だと電波が良好だろうとここに設置したわけです。
「おうちのでんわ」に乗り換えてひと月以上が経ちますが、今のところ固定電話と全く変わることなく使えています(固定電話用の通信線を撤去できてスッキリしました)。

下写真が現在の厨子二階の状態です。

屋根裏の無駄なスペースだと思っていましたが、①空気層断熱、②採光、③自然換気、④薪ストーブの煙突配管、⑤テレビアンテナ設置、⑥電気の配線、⑦電話と様々に有効利用できるようになりました。

本題のファンヒーターについても、増設したコンセントにつないで運転できるようになりました。

能力の小さいファンヒーターですが、6畳のため直ぐに暖かくなります。
テレビ、ファンヒーターと揃い、あとはコタツとミカンを準備すれば避寒部屋の完成です^_^

屋根裏へ地デジアンテナを設置

今年の夏、畳敷きの一角を避暑部屋にするため、エアコンとともにテレビを設置しました。

テレビの電波はケーブルテレビを通じて受信しており、その引込口は主屋の表側(南東角)にあります。

4年前に改修工事を行うまでは、ケーブルテレビのほかにも電気や電話のケーブルも主屋の表側に輻輳していたのですが、こうした目障りなものがあるとボロ屋が一層ボロくみえてしまうため改修工事の際に電気屋さんにスッキリ整理していただきました。
ケーブルテレビの引込線だけが残っているのは、いずれアンテナに移行したいと考えており、そうすれば引込線自体を撤去できるためです。

ところで、我が家は小高い丘状のところに所在することもあってアンテナでもテレビ電波を良好に受信できます。
このため、20年程前にケーブルテレビが供用開始した際には加入しなかったのですが、近所の家からアンテナが撤去されていくなか我が家だけアンテナが立っているのは恥ずかしいと後から加入したと言う経緯があります。
ケーブルテレビだと地上波のみならずBBCやCNNと言った海外放送や映画・スポーツ専門チャンネルも視聴できますが、我が家にそのような教養や趣味をもつ者はおらず宝の持ち腐れです。
それにアンテナであればNHKの受信料は別として月々の料金なんて要りませんし、近年は外観を損なわない平面アンテナが普及していることからケーブルテレビからアンテナに戻りたいと考えているのです。
とは言え、私自身、テレビ(のコンテンツ)に関心がないこともあって、なかなか手をつけられずにいましたが、テレビの設置場所が固まったことからアンテナの導入に向けて着手することにします。

まずは現状の把握から。

平面図

ケーブルテレビのケーブルを主屋の南東角から引き込み、同軸ケーブル(5C)を厨子二階(屋根裏)の床上に配線。途中で分配して2箇所のテレビにつなげています。

次にアンテナの設置位置を検討します。
アンテナは当然、電波塔の方角に向ける必要があります。
テレビの電波は昔のまま名古屋のテレビ塔から発信されているのだろうと思っていたのですが、今回調べて2003年から瀬戸デジタルタワー(愛知県瀬戸市)に移っていることを知りました。
瀬戸デジタルタワー(35° 11′N, 137° 4′E)と自宅のそれぞれの緯度経度から三角関数を駆使して!?方位角を算出すると約50°であることが分かります。

旧VHFチャンネルの電波は瀬戸デジタルタワーから発信されていますが、旧UHFチャンネル(県内向けのローカル局)は県内(長谷山)のテレビ送信所からです。
この方位角も同様に算出すると約219°となり、瀬戸デジタルタワーとほぼ真逆になります。
このため、両方を受信するにはアンテナを2箇所設置する必要がありそうです。
旧UHFチャンネルは見られなくても構わないように思いますが、テレビフリークほどそうしたチャンネルを好む傾向にあるのでどうしたものか・・・。

アンテナの設置場所については、平面アンテナにする予定のため設置が容易となる屋根の妻面(東側)にすると良さそうです。
東側の妻面に取り付ければ、下図で朱色矢印で示すとおり瀬戸デジタルタワー(旧VHFチャンネル)の方角に向けられます。

一方、津テレビ送信所(旧UHFチャンネル)については、別のアンテナを南側の壁に設置するしかなそうです(上図で青色矢印)。
外観的にも主屋の表側になって目につきやすい場所のため、やはりこちらは見送りたいです。

平面アンテナは下写真のDXアンテナ社のもの(UAH201)を購入(ネット通販で6,000円弱)。

電波が良好な場所(のはず)のためブースターが搭載されていない強・中電界地域用(従来の八木式アンテナ20素子に相当)のものにしました。
また、デザインアンテナだけあって数種類の色の設定があり、外壁(板張り+オーク色で塗装)に合わせてブラックブラウン(黒と茶色の中間)を選択しました(売れ筋はホワイトのようで大手家電量販店系SHOPにも関わらず届くまでにひと月近くかかりました・・・)。

届いたアンテナを外壁に取り付ける前に厨子二階(屋根裏)にて電波の受信状況をチェックしてみることにします。
と言うのは、電波が良好な場合、屋根裏であっても受信できると聞いたことがあるからです。
何しろ、我が家の厨子二階(屋根裏)は広く、至るところに隙間があって半屋外のようなものですから(下写真は厨子二階に設置してある薪ストーブの煙道部)。

アンテナとテレビを持って厨子二階に上がり、アンテナとテレビを接続。
そして、アンテナを瀬戸デジタルタワーの方角に向けます(iPhoneのコンパスアプリが便利です)。

そうすると全然問題なくテレビが映ります!

テレビの設定画面でアンテナレベルを確認できるようになっており、それを見ても62(30以上で映り、43以上を推奨)と十分な値(ケーブルテレビでも60前後)です。

このため、アンテナは厨子二階に設置することに変更し、アンテナを持って歩いてアンテナレベルが高くなるところを探ります。
そうすると意外にも場所によって大きな差があり、それを図示すると下図のようになります。

平面図

電波塔と逆(南側)の壁に近づくとほとんど映らなくなることから、電波は建物に入ると大きく減衰するようです。
アンテナレベルが高い北側の壁沿いについて、西に行くほど小さくなるのはその方向に鉄骨倉庫があるためだと思います。

と言うことで、アンテナレベルが最も大きくなる北東の角にアンテナを設置することに決定。
アンテナを取り付けるための柱を立てます。

上下の位置については、理屈では高いほど良くなるはずですが、実際には屋根により阻害されるようで、上写真で金具を取り付けてあるところが最もアンテナレベルが高くなりました。

アンテナを取り付け、瀬戸デジタルタワーの方角に向けて固定します(方角については計算通りの50°で最大値を示しました)。

屋内へのアンテナ設置であれば台風などの影響を受けませんし、アンテナ自体も長持ちしてくれそうです。
5年ほど前、柴などが大量に置かれたままになっていた厨子二階を苦労して片付けたのですが、こうして厨子二階の空間が活用されると苦労が報われるように感じます(厨子二階の空間を利用して、まだまだ遊べそうです^_^)。

アンテナを本設したため、改めてアンテナレベルを確認。

64とケーブルテレビのときよりも高くなっています(高くても映像が綺麗になるわけではありませんが)。

アンテナを愛知県のほうに向けているため、本来は放送エリアではない愛知県のローカルテレビ局まで映ります(アンテナレベルは39と低い)。

でも映ってほしいのは愛知県ではなく三重県内のローカル局です。
県内のローカル局は電波塔の方角が逆のため無理とは思いつつチャンネルをかえてみると・・・。

アンテナレベルは若干低い(46)ものの問題なく映ります!
電波塔が近くて電波が強いこともありますが、どうも平面アンテナは裏面からも電波を拾うことができるようです。
アンテナを2本設置するしかないと思っていましたので、労力・費用の面で助かります(費用に関してはケーブルテレビを受信し続けることに比べれば安いものですが)。

ケーブルテレビの引込箇所から離れた場所にアンテナを設置したことから、各テレビへの配線を下図のとおり変更することにします。

元の配線材料を流用し、同軸ケーブル(S-5C-FB、下写真で黒色のケーブル)を床上に敷設し、接栓(継手)を使って器具(アンテナ、テレビ等)と接続します。

こうしてきちんと配線すると気持ち良いものです(電気や電話の配線(上写真で灰色のケーブル)がまだ仮状態ですが・・・)。

テレビが2箇所あるため、配線の途中で下写真の分配器(500円程度)を使って分岐させています(分配器を入れるとアンテナレベルが低下します)。

配線に関しては今話題?の4K8Kテレビにも対応できるレベルのものになっていると思いますが、古民家や里山の生活においてそうしたものは無用の長物(かえって邪魔になるもの)でしょう。