里山再生」カテゴリーアーカイブ

里山再生:門松作り

早いもので今年も終わりです。
今年もなんとか本ブログを継続することができましたが、今年はブログ記事のほとんどが工事記録のような感じになってしまいました・・・。
もちろん、敷地や田畑、里山の管理もやっており、どちらかと言えばそちらのほうが関心が強いのですが、いかんせん自然に任す手法(自然農法等)で行なっているため取り立てて書くようなこともないのです(工事についても取り立てて書くべきようなことはやっていないのですが・・・)。

里山の管理と言えば、例年、門松を作るための竹の伐採から、そのシーズンを始めています(昨年は作った門松を年賀状に使用しました)。

今シーズンも門松作りから里山管理をスタートすべく、自宅に隣接する里山で竹を伐採して門松を作ることにします。
作り方は基本的に昨年までにブログに書いている内容と同じですが、竹を斜め切りする際に使う治具(下写真)の使い勝手が良くない(竹をしっかりホールドできない等)ため改良することにします。

竹の斜め切りは、私はバンドソー(帯鋸盤)を使って行なっています。
治具のサイズを検討するため、バンドソーのテーブルの大きさやブレード(帯鋸)の位置を図面に落とします。
そして、直径90mmの竹を20°の角度で斜め切りするものとし、切断開始時及び完了時の竹の位置から治具のサイズを決定します。

この結果、治具のサイズを下図のとおりとします。

このサイズで合板を切り出し、その斜辺に竹を押しつけてホールドする高さ50mm程度(>φ90mm÷2)の角材を取り付けます。

切断時の写真は撮り忘れましたが、φ90mmのように太い竹でも安定して送材することができました。

ほかの手順は例年通りのため記載を省略し、いきなり竹の加工完了です。

近所の方からも頼まれているため、今年は4組分を作りました。

そして、自家栽培した葉牡丹や南天、千両などを飾り付けて完成です(今年は姪っ子に飾り付けてもらいました)。

門松の笑い顔とともに良いお正月を迎えられそうです。
皆様におかれましても、どうぞ良いお年をお迎えください。

里山再生:カシの苗木作り

冬季に行っている山仕事は、4月上旬までに終えました。
山仕事は、これまでは伐採(木や竹)を中心に行ってきましたが、今シーズンからは植樹(クヌギとスギ)も始めることができました。

クヌギ:4本
スギ:11本(+他の場所に6本)

伐採は、個人的には薪ストーブの燃料が入手できることにもなるため嬉しいものの、その反面、生きている木を伐ると言うのは辛いものもあります。
その点、植樹は木の生命力を感じることができて楽しいものです。

植樹を実際に行って感じたのは、植樹自体は容易(穴を掘って苗木を植え付けるだけ)なのに対し、苗木をタイミングよく準備しておくことの難しさです。
今回は、たまたま実験的に畑で育てていたものが移植にちょうど良い大きさになっていたため良かったのですが、計画的に植樹するにはそれを見越して苗木を育てておく必要があるわけです。

と言うことで、2、3年後の植樹を見越して苗木を準備することにします。
今年から5年かけて自宅に隣接する竹林を縮小する計画のため、その後に植える苗木を準備しておくと良さそうです。
苗木の樹種について、竹林の風下には隣家があるため、クヌギやコナラなどの落葉樹だと大量の落ち葉により迷惑をかけてしまうため不適です。
常緑樹で、しかも用材や薪炭材として使えて良いと感じているのがカシやツバキです。

カシであれば、自宅の庭にカシがあり、秋に落ちたドングリからたくさん自生します(苔庭のため、苔がゆりかごになって発芽しやすいようです)。
いつもは草取り時に抜いているのですが、昨年は抜かずにそのままにしておいたところ、冬を越して下写真の状態にまで育っています。

ここで大きくするわけにはいきませんので、山に植樹するまで一旦、竹ポットに移植して育てることにします。
移植ゴテで掘り上げてみると、既に根が深くまで入っているため直根を途中で切ってしまいます。

そこで、掘らずに引っ張ったところ、うまい具合に直根が切れることなく抜けてきます。

その代わり、細根がほとんど取れてしまっています。
今の時期であれば復活するでしょうし、何より掘り上げる必要がないため楽チンです。

草抜きのようにして幼木を採取。

しばらく水に浸けて水揚げさせておきます。

この間に幼木を植え付ける竹ポットを作ります。
竹は、この冬に伐採したものの中から太いもの(真竹、φ○mm程度)を使います。
節が底になるようにレシプロソー(竹用ブレード装着)で切断し(L=○mm)、底に水抜き用の穴を電動ドリルで1箇所(φ10mm)穿孔。

出来上がった竹ポットに幼木を植え付ければ完成です。

ただ、この状態では転倒しかねませんので、これまた竹を利用して固定用の支えを施しておきます。

ポット育苗の場合、畑への地植えの場合と違って水遣りしなければなりませんが、生育状況を観察しやすいのが良いですね。

下写真は昨春に自生えのビワを竹ポットに移植したもので、接ぎ木の台木にするつもりです。

元気よく成長し、台木としてちょうど良い大きさになっています。
接ぎ木することにし、園芸種のビワから穂木を採取して接ぎます。

実は昨春、地生えしているものに直接、接ぎ木したのですが、夏に雑草に埋もれ、草刈りとともに切ってしまいました・・・。
その点、ポット育苗だと安心です。

竹ポットでも問題ないことがわかりましたので、来春にも接ぎ木できるように自生えしているものを竹ポットに移植しておくことにします。

ビワの育苗は、なんとなく少し湿気っているところが良いように感じ、排水路に置いておくことにします。