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里山再生:カシの植樹と苗木作り

前回、里山のムクノキを伐採しました。

下写真で手前側の切り株が伐採したムクノキです。

上写真で奥にある大きな木もムクノキ(隣家の敷地内)ですので、これから落ちた種から成長したのかもしれません。
今回伐採したムクノキも大木でしたが、奥のムクノキがあまりにデカイため切り株が小さくみえます。
奥のムクノキは根本で直径1m近くあるかもしれません。

樹皮が短冊状に剥がれていますが、老木になると、このような特徴的な樹皮になるため一見してムクノキだと分かります。

大きなムクノキと言えば、自宅から5kmくらいのところに国の天然記念物に指定されているもの(下写真。椋本の大椋)があります。

椋本の大椋 津市観光協会公式サイトより

この大椋は樹齢1,500年以上とのことですので、先のムクノキも老木と言ってもまだまだ成長段階なのでしょう。

このような巨樹は別にしても昨今は大きな木が自宅敷地内にあるのは嫌われがちです。
しかし、大きな木があることは大地にとってはあらゆる面でプラス要素で、ひいては人間にも良い影響を与えてくれるように感じています。
このため、木を守りたいと思う一方、私は薪などとして使うために木を伐っています。
そこで、伐採とともに植樹もしたいと苗木を育てています。
その内のひとつが下写真のカシ(アラカシ)です。

これらは一昨年の春に竹ポットに移植したもので、実生3年です。

この苗木のうちの一部(3本)は昨春に自宅裏の里山に植樹したのですが、それがどうなっているか確認してみると無事育っています。

ちなみに、一昨年の春に竹ポットで苗を作るとき、試しに一部を直接ここに植え付けましたが、それは根付かず昨春時点で既に無くなっていました。
と言うことは、カシの場合、実生2年以上育苗したうえ山に植樹すれば良いことになります。

と言うことで、先の竹ポットの苗木(実生3年)を植樹することにします。
昨年カシを植樹した斜面に、今年は8本を植え付け(下写真撮影後に竹の支柱を設置)。

上写真でも分かるとおり、ここは急な斜面(勾配:1割程度)になっています。
竹が生えているものの、竹は根が浅く、斜面を安定させる力は限られているため植樹し始めたわけです。
上写真で竹以外にもところどころ緑色の植物が生えていますが、これはスイセンやヒガンバナです。
昨年、庭の整備等で撤去したスイセンやヒガンバナの球根をここにバラ播いておいたのです。
これらも根を張って斜面を守ってくれることでしょう。

あと、昨年12月に伐採したスギの跡地にもカシの苗木を植え付けます。

スギに代わるものを植樹するわけですが、既にカシやツバキが自生しているため結局1本植えれば十分でした。

ところで、スギを伐採したことで自宅に飛んでくる落ち葉が激減しました。
以前は雨樋が詰まらないように頻繁に屋根に登って掃除をしなければならなかったのですが、竹の間伐、そしてスギの伐採により雨樋掃除だけでなく、庭の落ち葉掃きも楽になりました(薪ストーブやウッドボイラーの焚き付けとして杉葉を近くで拾えなくなったのは残念ですが)。
そんなことで自宅に近接しているところは常緑広葉樹で成長が穏やかなカシやツバキを植樹するようにしています。

カシの苗木はすべて使いましたし、今後も山へ植樹していく予定ですので、今年も苗木を作ることにします。
庭にカシの木(アラカシ)からドングリが落ちて自生えした幼木が生えています(実生1年)。

これらを抜いて竹ポットに移植。

成長の良いものは来春には山に植樹できるぐらいになっていることでしょう。

里山再生:ムクノキの伐採と薪作り

冬季に作業を行っている自宅裏の里山整備ですが、竹の間伐については今シーズン分を終えました。
樹木については特段支障になっているものはない一方、薪ストーブ用の薪(再来年に使う分)がほしいため伐採することにします。
既に目星を付けているものがあり、それは下写真で朱色矢印で示すムクノキです。

樹高20mを超える大木ですが、てっぺんのほうで幹が「く」の字に曲がっています。
以前は竹が生えていたので、その勢いに押されたようです。

根本から見上げても途中から複雑な方向に曲がりくねっていますが、全体的には重心は果樹園側にあるように感じます。

重心の方向や、掛かり木になる可能性、伐採後の材の運搬を考慮して果樹園側に伐倒することにします。
ただ、伐倒方向には数年前に植えた果樹があり、ムクノキの樹高から下敷きになる可能性があります。
そのときはそのときですが、一応、ロープで牽引して伐倒方向をコントロールできるか試してみることに。
スローラインを何度かトライして、なんとか下写真で朱色矢印で示すところにロープを掛けられました。

高いところに掛けるほどテコの原理により大きな力が作用して有利になるのですが・・・。

アンカーにする木にロープを引いてみると、なんと先にロープを掛けた箇所は樹高の1/5程度の高さしかありません!(下写真で朱色矢印が今回伐倒するムクノキ)。

これでは木を引き起こすような力は掛けられないでしょう。
ロープは伐倒方向の目印ぐらいにしか使えそうにありません。

それでは、ロープの方向を目印にして正確に受け口を作ったうえ追い口を切ります。
そして、伐倒。

無事伐倒できたものの、追い口が上写真で手前に向かって低くなっています。
追い口側(上写真で左側)にカシの木が隣接しており、それを切らないように気を取られてチェンソーの保持がいい加減になってしまいました。
今回は狙った方向に倒れたものの、これだとコントロールを失う可能性があり、これは大反省点です。

チェンソーワークは大失敗でしたが、ムクノキ自体はうまい具合に果樹と果樹の間を抜けて倒れてくれました。

先端の枝がスギの木に掛かる程度で、ほぼ無傷で済みました。

てっぺんのほうで「く」の字に曲がっていたところは下写真のようになっていました。

ムクノキは巨木にもなる木で、大きく枝を広げるようなイメージがありますが、このムクノキは、この「く」の字になっているところより下に枝は全くありません。
竹の勢いに押され、竹の高さを超えるところでしか枝を広げられなかったわけです。

伐倒したムクノキはいつものとおり玉切り&薪割りしてストーブ用の薪にします(下写真で木肌に少し赤みのあるのがムクノキ。黄色いのはアカメガシワ)。

ムクノキはエノキと同じ科(アサ科)の樹木で、エノキ同様に密度が高いため火持ちの良い薪になります。
ただ、重量があるので運搬が大変なのと、若干繊維が素直でなくて割りにくいです(太いところは楔で2分割しておかないと斧だけでは太刀打ちできない感じ)。

ところで、上写真で奥に写っているのが昨夏に設置した第3号薪棚です。
左の第2号薪棚と合わせてL字形で囲われた、このスペースを今シーズンから薪割り&薪の仮置き場として使っています。
薪はしばらくこの状態で雨ざらしにしたうえ(雨ざらしにする理由はアクや油分を落とすため)、梅雨明け頃に薪棚に収納するつもりです。