遊休農地活用」カテゴリーアーカイブ

遊休農地の活用(7)所在不明の耕作放棄地

我が家は先祖代々、農家です(現在、販売目的の営農は行っていないものの、法的には一定面積の農地を所有していることから農家に位置付けられています)。
このため先祖伝来の農地を所有しており、その大半は自宅近くの水田(約75a=7,500m2)です。
これらの水田は、以前は亡き父が兼業で耕作していたのですが、平成の初めに実施された県営圃場整備事業により大規模・集約化されたことから、現在は大規模営農されている方に全て耕作していだいています。

このほかにも田畑が少しあるのですが、それらは自宅から離れていることもあって50年以上昔から貸地としていました。
このため、私自身、どこに所在するのかさえ知らず、父が亡くなって相続登記する際、公図を頼りに現地に行ったところ、いずれも荒れ果てた状態になっていました。

奥側の荒地が我が家の水田(2013年5月撮影)

これらの田畑があるのは山あいで、圃場整備が行われておらず狭小地(10a)で水利も天水頼りです。
このため、時代とともに借り手がいなくなり、20年以上にわたり耕作放棄状態になっていたのです。
亡き父は自宅近くの水田(75a)を耕作していたため、ここまでは手が回らなかったのですが、私の代になって耕作する必要がなくなり、その分の余裕ができたため5年ほど前から耕作放棄地(や里山)の再生に向けて取り組み始めました。

上写真の耕作放棄地については、定期的に草刈りなどの管理を行って現在、下写真の状態にまでなっています。

2018年9月撮影

上写真の水田のほかには畑が2箇所あり、そのうちの1箇所(3a)は既に管理できていますが、問題は残る1箇所が所在さえはっきりしない状況なのです・・・。
公図(明治期に調製された旧土地台帳の付属図ベースのためアバウト)からすると下写真で中央の荒地だと思われるのですが、昔から我が家で直接耕作していないこともあって近所の長老に尋ねてもご存知ありません。

2013年5月撮影

遠目にはそれほどでもないですが、近くで見ると相当な荒れ具合です・・・。

2013年5月撮影

隣接する農道の通行の妨げにもなりかねず、草刈りだけでもしなければと思うのですが、我が家の土地だと言う確証が得られません。
こうした中、昨春、この近くにある畑(貸し地)の管理が我が家の手に返ってきました。
草刈りなどで定期的に通うことにより、この地区で耕作される方(長老)とも話しをする機会が得られ、この結果、先の荒地についても我が家の土地であることがはっきりしました。

こうなれば、あとはやるだけです。
草が枯れ、蜂やマムシなどが出なくなるのを待ち、この冬の間に全体を一度刈ることにします(とりあえずは最後の1箇所なのでやる気も出ます!)。

以下、現況です。

畑の一角にあるエノキ(またはムクノキ)が大きくなっています。
蔓も巻きついており、その影響なのか株立ちしている幹の一本が道路側に折れています。

(2018年4月撮影)

北側から見ると高さ3mを越す篠竹が密集しています。

(2018年10月撮影)

南側から見るとセイタカアワダチソウ(の黄色い花)が目立ちます。

(2018年10月撮影)

セイタカアワダチソウであれば楽勝と思ったのも束の間、近くで見るとノイバラのジャングルで早くも戦意喪失です・・・。

(2018年10月撮影)

遊休農地の活用(6)ヒラタケの植菌と丸太椅子

9月に襲来した台風(21号)により、山との境いにある大きなエノキの幹の一本が折れました。

折れた幹は薪ストーブの燃料にするために既に玉切り・薪割りしてあります(実際に使うのは2年乾燥させた後)。

薪だけにするのは勿体ないように感じ、直径10cm程度のところはキノコのホダ木として使えるように長め(約1m)に玉切りし、そのまま畑に置いた状態になっています(下写真で手前側のもの)。

そして先日、ホームセンターに行ったところ、各種キノコの種駒が販売され始めていました。
ここ数年、この時期にシイタケの種駒1箱(100駒入、原木3〜4本分)を購入して植菌しており、今年もシイタケの種駒を購入するつもりでいたところ・・・。
種駒のパッケージに記載されている樹種別の対応表を確認すると、なんとエノキは「−」で不適となっています。
見た感じはいかにもシイタケが上がりそうに感じていましたので意外です。
では、エノキに適したキノコは何かと確認すると、ヒラタケが「◎」で最適となっています(ほかにはエノキやクリタケが適)。
そこで、ヒラタケの種駒を1箱(100駒入、500円弱)購入。

ヒラタケの植菌について、この畑の近くで耕作されている方と話しをするなかで、ヒラタケは小口からも上がるため、下写真の太いところを輪切りしてホダ木にしたら良いのではないかと教えていただいました。

先に玉切り・薪割りが終わっているようなことを書きましたが、実は根元に近い太いところは倒した状態のままで放ってあるのです。
太いところは薪割りするのが大変なため、この冬の間にでも時間をかけて玉切り・薪割りすれば良いと思っていたのです。

ホダ木にするならチェンソーで玉切りするだけで済みますので、割るのに苦労しそうなところを20cm程度の厚さで玉切り。

次に植菌用のドリルビットを使って小口面と樹皮面に穿孔し、種駒をハンマーで打ち込みます。

このような太径短木の場合、小口面に直径(35cm)の半数(15個)、樹皮面に直径の同数(30個)程度を植菌できるとのこと。
よって、太径短木2本と小径長木1本に植菌しました。

植菌後は、シイタケの場合と同様、すぐに仮伏せすることになりますが、太径短木の場合は植菌した小口面を重ねて2〜4段程度重ねて積むそうです(上写真の状態)。
そして、保温・保湿のためダンボールなどで包んでおきます(梅雨前の本伏せに移行するまで)。

こうしてホダ木に使っても原木はまだ残っています。
そう言えば、近くで耕作されている方が、「夏場、大きなエノキが木陰になって一休み(お喋り)するのに丁度良い」と話されてみえたことを思い出しました。
そこで、一番太い部分(50cm程度)を座るのに良い高さに玉切りし、丸太椅子を設置しておいてあげましょう。

下写真は上写真と同じ場所を今春に撮影したもので、当時は笹薮と化してエノキに近づくことすらできなかったのですが、それがエノキの木陰で一休みできる空間となりました。

最後に残った原木(それでも軽トラ1車分)は持ち帰り、薪とすることにします。