古民家再生」カテゴリーアーカイブ

雑草対策

前回、畑の草生栽培について書きました。

田舎では畑のほかにも管理すべき土地が広く、その雑草対策に苦労しています。
今回はその雑草対策について書きたいと思います。

その前に自宅周辺の環境について紹介します。

我が家は小高い丘(標高約30m)のうえにあります。
丘の下には水田(標高約10m)が広がっています。
丘のへり(河岸段丘)は緩やかな斜面で、里山(雑木や真竹の混合林)となっています。

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上図で朱色で着色したところが我が家の敷地です。

畑を含む敷地面積は約800坪(約2,500m2)です。
その約半分(1反強)が畑となっています。

また、隣接する里山は約3反(約3,000m2)の面積があります。

合計約5,500m2と、田舎でも広いほうだと思います。
(自宅に隣接していない山林や水田は含んでいません。)
昭和初期まではこの3分の1の面積(約1,900m2)だったのですが、昭和初期及び戦後直後に隣家(2戸)が都会へ出たことで現在の面積まで膨れたそうです。

さて、これだけの土地を片手間で除草するというのは現実的に不可能です。
除草剤の使用は避けたいという思いもあります。
畑は草生栽培するとしても、それ以外の土地をどうするかです。

1 徹底的な除草

除草(草取り)するところは最小限としています。
草取りは大変ということもありますが、大地の表面は植物で覆われているのが自然な状態だと思います。
動物の肌が毛で覆われているような感じでしょうか。
そう言えば、人間が毛無し猿だというのは不思議です。
大昔の祖先が雑草に対するがごとく邪魔ものとして抜いてしまったのでしょうか(^_^;

除草箇所は、建物の周囲と、玄関アプローチ及び駐車場です。

除草は基本的に除草剤を使わずに手作業で行っています。

(1)建物の周囲

建物の周囲はさすがに除草せざるをえません。
植物が生えていると湿気がたまり、建物を痛めます。
土間コンや砂利敷きにすれば除草しなくてもすみます。

昨年の主屋の改修工事で減築した箇所です。
軒下でも定期的に除草しないと雑草がはびこります。

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雨滴の跳ね返り防止のためにも砂利をひく予定ですが、まだできていません・・・
跳ね返りが少しでも減るように、応急的に古瓦を並べてあります。
(妻面で、かつ下屋に樋もありますので、雨滴はそれほど多くありません。)

(2)玄関アプローチ及び駐車場

全面砂利敷きのため、除草しています。

玄関前は特にそうですが、草丈が大きくなったり、ヤブガラシ(通称:貧乏蔓)のような蔓草が生えたりしていると空家(我が家のようなボロ屋の場合は廃墟!?)のように見えてしまうものです・・・

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玄関アプローチは砂利敷きになっていますが、昔は自然石による敷石だったそうです。
今も砂利の下に埋もれた状態ですので、いずれ再生したいと思っています。

2 他の植生による除草の軽減

畑の草生栽培と同じように、草は草でもって制するという考えです。
その草は、「苔」と「芝」です。

(1)木を植え、苔を生やす

これは現在の里山の中の様子です。

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草はあまり生えていません。
自然の状態においては、樹木や草がバランス良く共生し、草だけが旺盛に繁茂するということはないようです。
除草は、人間が木を伐り倒し開拓したことによって生じた苦役なのかもしれません。

その山を模倣したものが日本庭園ですが、庭には自然と苔が生え、雑草が生えにくくなっています。

我が家には庭が3箇所(前庭、裏庭、坪庭)ありますが、写真は前庭です。

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3年ほど前までは笹庭と化していたのですが、叔母にも助けてもらい笹を駆除したところ苔が復活しました。
ときどき除草はしていますが、草の勢いは弱く、除草は(比較的)楽です。

除草は軽減されますが、庭には樹木の剪定作業が付いて回ります。
手間もお金も要しますので、今では新しく庭(特に日本庭園)を作ることはほとんどありません。
昔は、鑑賞としての目的もあったでしょうが、剪定すればそれを肥料や燃料として得ることができ、しかも除草が軽減されるというようにメリットが大きかったのだと思います。
そのため、我が家のように隣が山であるにも関わらず、3箇所も庭を作るようなことをしたのかもしれません。

意外にも苔庭で除草が軽減されるということが分かりましたので、裏庭も苔の再生(=草取り)を始めています。

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(2)芝を生やす

苔で除草の軽減が図れることが分かったことで、芝生にも興味を抱くようになりました。

主屋と表庭(日本庭園)との間には空きスペース(約15坪)があり、昔は農作業場として使われていたそうです。
その後、自動車を乗り入れるようになったことから、砂利敷きになりました。

主屋の改修工事後には、少し見た目の良い砂利を追加しようと思っていました。
しかし、設計していただいた建築士さんとの話しで、砂利敷きは夏の照り返しがキツイという話しがあったこともあり、芝生にすることにしました。

まだ、この夏前に芝生を張ったばかりです。

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いまは芝生の勢いが強いこともありますが、砂利敷きのところに比べると除草の手間はかかっていません。
生えてくる草も「コニシキソウ」ばかりで簡単に抜けるような状況です。

3 畑の草生栽培

これは、前回の記事に書いた通りです。

以上が、現時点での雑草への対処方法です。
除草の手間を減らし、土地の力を生かす、まだまだ試行錯誤が続きそうです。

倉庫の整理(7)軍手掛け作製

倉庫整理が続きます。

庭仕事や農作業には軍手が必須です。
当然、軍手は汚れます。
以前は(今も?)、汚れたままその辺りに放っておくようなことが多々ありました・・・
そうすると、次に使うときには汚れたものを使う気にはなれず、新しいものを出してくるという横着をしてしまいがちです。

軍手を大切に扱うことができるように、今回は軍手掛けを作ります。

軍手掛けも竹を使いたいと思います。

以前、工具を整理するときに竹でペンシル立てを作りました(ブログへの投稿はありません)。

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竹は円筒であるために、角材に比べると固定するのが困難です。
竹のデメリットのひとつだと思います。

ペンシル立ての場合は、上部の一部を切り取り、板状にすることで固定しやすくしました。
この方法で軍手掛けも作りたいと思います。

脱線しますが、工具掛けの全容です。
安物工具の寄せ集めと言ったところです・・・
時代ものもありますが、祖父や父のものがたくさんあります。
農具は高祖父の代から5代に渡り求めたものですが、こちらの歴史は新しく3代分です。

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閑話休題。
軍手掛けを作ります。

竹の固定方法は、ペンシル立てと同じ方法(竹の一部分を切り取る)とします。
竹に軍手を被せるようにしますので、ペンシル立てとは天地逆となります。

軍手を被せやすいように、竹は直径1寸弱(20mm程度)の細身のものを使います。
この竹(8本)を、厚さ6分(18mm)の胴縁材(廃材)に固定します。

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軍手のペアが一目でわかるように竹の高さを変えています。
また、雨天時などに洗った状態のまま軍手を掛けることを想定して、水が溜まることがないように節のない部分を使っています。

こう見ると、竹の径が細いにも関わらず節と節の間はずいぶん長いものですね。
ここで使っている「真竹(マダケ)」という種類の竹は節間が長いことが特徴のひとつですが、なるほどと思います。

ビスで固定します。

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こちらは裏面になりますので、表からはビスは見えなくなります。

竹の切り込み部分がありますので、ビスを2本使わなくてもしっかり固定されます。

竹を板状に切り取ったところでビス留めしていますが、板状といっても少しの丸みが残ります。
このためビスを強く締めすぎると竹に割れが生じてしまいます。
角材のほうを竹にあわせて加工すれば良いですが手間がかかります。
検討課題です。
(ペンシル立ての場合は、竹の内側からビス留めしたので問題ありませんでした。)

以前に作った道具掛けの下に取り付けます。

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軍手を掛けやすいように少し前方に傾きをつけています。

軍手を掛けるとこのようになります。
(汚れた軍手で恐縮です・・・)

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作業の安全を祈って合掌。
五郎丸のポーズにもみえますね!

<続きます>