古民家再生」カテゴリーアーカイブ

薪ストーブの導入(49)煙突掃除と自家製松煙

薪ストーブを導入し、約4カ月が経とうとしています。
朝・晩に加え、雨や雪の舞う寒い週末には一日中焚くなど、フル稼働しています。

必然的に薪の消費量が増えますので、週末に翌週分の薪をまとめて倉庫(主屋に隣接)に運び込んでおくようにしています。

そして、追加の薪を取りにいく際には、上写真のような感じで屋根を見上げ、煙突トップに異常(煙の状況等)がないか目視しています。
近頃、煙突トップのスリット部分に汚れ(煤の付着)が目立つようになってきました(写真では分かりづらいです)。

煙突掃除は、前回(稼働から2カ月後の昨年12月下旬)実施してから約2カ月が経過しています。
前回の煙突掃除ではそれほどの汚れはなく(下写真)、シーズンオフまでに煤が5mm付着(煙突掃除の目安)することはまずなさそうな状況でした。

その後、薪ストーブの稼働率が高まっていることに加え、古材をはかせてしまおうと松を中心に焚いていることから煤の付着が多くなっているようです。
一般的には煙突掃除は1シーズン1回(二重煙突の場合)で済むことが多いようです。
しかし、安全に関わることで、薪ストーブ初心者の私にとって横着は許されませんので、今シーズン2回目の煙突掃除をおこなうことにしました。

屋根にあがって煙突トップを回収。

あちゃー、これは酷い。
付着量の多いところでは5mmはありそうです・・・

とは言え、サラサラの粉状ですので掃除用ブラシで簡単に落とせます。

煤はそのまま地面に落とすには量が多いため、バケツに回収しました。

この煤はほとんどが松に由来しますので、これぞまさに「松煙」ですね!
「松煙」は墨の原料ともされるもので、古民家では「弁柄」(朱色顔料、原料は酸化鉄)と混ぜて古色塗りに使ったりします
今回のものは赤味の色合いもあるため、弁柄を加えなくてもこれだけで古色塗りができそうです。

ところで、この松煙をこれまた自家製の柿渋で溶いて古色塗りをすると面白いことになりそうです。
現在、主屋(古民家)のなかで、その主屋の古材を薪として焚いて暖をとっています。
それで発生した煤を顔料とすることは、元の木材をもう一度、古民家のなかに戻してやることになります。
また、灰のほうは柿の木の周りにでも振り撒いておけば、果実から柿渋となり、また古民家へと戻ってきます。
こんなことを思うと、人間やその家もまた自然の循環の一端を担っているように感じます。

閑話休題。

さて、掃除の終わった煙突トップを持って再度、屋根に上がります。
そして、煙突内を覗き込み状況を確認します。

こちらも酷い!
付着量は5mmまではいかないですが、多いところで3mm程度あります。

「下水・煙突ソージ器」を挿し込み、数回上下させて煤を落とします。

煙突トップを戻して煙突掃除完了。

煙突に付着した煤が落ちたのか、煙突周囲の屋根瓦にも多少汚れが見られます。
安全のためだけではなく、屋根を汚さないためにも煙突掃除はマメにおこなったほうがよいのかもしれません(広葉樹メインならそれほど気にする必要はないでしょうが)。

おまけで、鼻づまりしていた自分の鼻がとおったかのようにスッキリした気分にもなりますね(^_^)

<続きます>

土蔵の修繕(1)

先日、ブログ仲間の素人大工さんとのコメントのやりとりで「三和土を施工するなら、この時期に融雪剤(塩化カルシウム)を買っておいたほうがよいよ」とのアドバイスをいただきました。

三和土(たたき)とは、その昔、セメントがなかった時代に土間を固めるのに使われていたものです。
三和土と書くように「粘土」「石灰」「ニガリ」の三種類の材料を締め固めてつくるそうです(素人大工さんによるニガリを省略した「二和土」もあるそうです)。

我が家の古民家(主屋)も昔はもちろん土間でしたが、15年ほど前に床上げしたため、主屋には土間が残っていません。
それにも関わらず三和土と言うのは、土蔵の軒下(庇)の土間を補修したいと考えているためです。

その土間は、雨漏り(その後、屋根の葺き替え済)により亀裂や砂状になっているところがあり、そこに野良猫が糞をしていくのです(^_^;
とりあえずは猫よけのために古瓦を被せてあるのですが(下写真)、このままでは余りにもずさんです。
そこで、三和土で土間の補修というわけです。

特に三和土にこだわっているわけではありませんが、主屋の改修工事で発生した壁土を早く使ってしまいたいこと、それになんとなく面白そうです(^_^)

ところで、この土蔵の築年数は不明ですが、主屋の古民家(明治44年築)よりも古く、築100年以上です。
と言うのは、明治中頃に描かれた絵図(下図)を見ると、主屋は先代の藁葺きのものですが、この土蔵は既に描かれているからです。

このような古いものを、土間と言えども手間暇をかけて補修する必要があるのか?
知人やご近所、親類との間で話題になったときも、土蔵は不用ではないかという方が大半です。
それもそうで、我が家には土蔵とは別に鉄骨倉庫が2棟あり、物入れは十二分にあります。

一方、15年ほど前に屋根の葺き替え(庇部分のみ)をおこなっていることもあり(下写真)、今すぐに壊すのはもったいないような状況です(その費用で解体・撤去も可能だったのですが・・・)。

そんなわけで、当面は修繕の範囲内で手を入れて使い続けることにし、その後の状況や、必要に応じて調査をおこない改修または解体の判断をすることにしました(要は問題の先送りです・・・)。

1年ほど前から、片付け・掃除、庇の柱・梁の取り替え、土壁の新設、下見板(鎧シブキ)張り(下写真では未施工)、漆喰の塗り替えなどをおこない、現在に至っています。

今後、三和土を施工するため、この冬の間に融雪剤(塩カル)を入手する予定ですが、実際の作業は5月以降になりそうです(冬季の週末は里山整備をおこなっています)。
そこで、三和土の施工までに、土蔵関連でこれまでにおこなってきたことを時系列で紹介したいと思います(ブログ記事のネタ切れのとき、不定期で・・・)。

<続きます>