古民家再生」カテゴリーアーカイブ

竹ボイラーの導入(1)水質検査

今年の目標に掲げたとおり、年内に竹ボイラーを導入したいと考えています。
裏山の竹などを熱源として利用するとともに、水源には昨年にポンプを設置した井戸を使う考えです。

竹や井戸水を利用する際の留意事項をボイラー・メーカーに問い合わせたところ、いくつかの助言をいただきました。
特に井戸水については硬度(水に含まれるカルシウム及びマグネシウム)が高い場合が多く、その場合、配管などにスケールが析出し問題を引き起こすので注意してほしいとのこと。

このことを聞いて思い出したのが、半年程前、析出したスケールにより電気ポットが故障したことです。

飲用には水道水(市の上水道)を使っていますので、我が家の井戸水の硬度が高かったわけではありません。
しかし、井戸水の硬度を調べたことはなく、ボイラーの水源として適しているのかどうか見当がつきません。

昨年から井戸水を使っているものの、まだ水質検査を行なっていませんので(現在は雑用水として利用)、今回、ボイラーの水源としての適否を含めて水質検査を行うことにします。

井戸水の検査項目については厚生労働省の要領において次の11項目が示されており、近くにある登録検査機関(三重県環境保全事業団)で検査していただけます。

  • 一般細菌
  • 大腸菌
  • 硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素
  • 塩化物イオン
  • 亜硝酸態窒素
  • TOC
  • pH値
  • 臭気
  • 色度
  • 濁度

しかし、この項目は飲用の適否を判断するのに必要となる最小項目だと思われ、硬度など直ちに健康に及ぼさないものは含まれていません。
検査機関に問い合わせたところ、上記(検査費用:7,560円)に加え硬度(1,620円)の検査も可能とのこと。

水質検査の時期的にちょうど良い頃(夏季で細菌類の活動が活発)ということで検査を依頼すると自宅に採水容器が送られてきました。

この容器に自身で採水し、返送します(上写真は採水済)。
大小二つの容器があり、小さいほうの包みには「滅菌済」と記載されていますので細菌類の検査用なのかもしれません。

一週間ほどで検査結果が判明。

  • 一般細菌:390個/ml(100個/ml以下)
  • 大腸菌:陰性(陰性)
  • 硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素:3.5mg/l(10mg/l以下)
  • 塩化物イオン:10.3mg/l(200mg/l以下)
  • 亜硝酸態窒素:0.004mg/l未満(0.04mg/l以下)
  • TOC:0.3mg/l未満(3mg/l以下)
  • pH値:6.7(5.8以上8.6以下)
  • 臭気:異常なし(異常なし)
  • 色度:0.5度未満(5度以下)
  • 濁度:0.05度未満(2度以下)
  • 残留塩素:0.01mg/l未満(水道水では0.1mg/l以上)
  • 硬度:38mg/l(300mg/l以下)

()内が(水道水としての)基準値

基準値を超過しているのは一般細菌のみで、それ以外は基準値に収まっています。
一般細菌については、我が家の井戸のような浅井戸(不透水層の上の地下水)だとこの程度の値が検出されてもおかしくありませんし、ひょっとすると採水時に誤って手が触れてしまったのかもしれません(素人考えです)。
水道水の場合、このような細菌類を塩素滅菌で全滅させるのですが、それと引き換えにカルキ臭(0.1mg/l以上の残留塩素)がするわけですね。

肝心の硬度については、基準値(300mg/l以下)内の38mg/lです。
とりあえずは基準値内で一安心です。

しかし、この基準値内であるはずの水道水(市の上水道)を使っていてもポットに結構な量のスケールが析出しました。
水道水の硬度はどの程度で、そもそも水源は何なのでしょうか?
市のホームページを確認すると、我が家に給水されている水道水は鈴鹿川(一級河川)沿いに掘られた深井戸(不透水層の下の地下水)から取水されているとのこと。
深井戸の水は浅井戸の場合に比べ滞留時間が長いため、硬度は高くなる傾向にあるそうです。
市の水質検査結果を確認すると54mg/l(H28平均)とあり、確かに我が家の井戸(38mg/l)よりも高い値となっています。

我が家の井戸水の硬度は基準値内で、かつ市の上水道よりも低いことから、ボイラーの水源として利用するのは適当と言えそうです。
ちなみに基準値(300mg/l以下)は水道水としてのものであり、エコキュート(電気給湯器)などではこれよりも厳しい設置条件(200mg/l以下)を設けているようです。

ボイラーの導入は涼しくなった秋以降にDIYにて行う予定です。

<続きます>

土蔵の修繕(6)柱・土台等の取り替え

大工さんに柱や土台などの構造部分を取り替えてもらうため、その事前作業として前回、土台基礎の補修などを行いました。

また、取り替える予定の柱について、その下部に取り付けられている鉄板を外したところ、シロアリ被害により断面の2/3程度が欠損していることがわかりました。

<鉄板の取り付け状況>

<シロアリ被害の状況>

元々この柱も取り替える予定でいたのですが、鉄板で覆われてシロアリ被害が隠れていたため、比較的しっかりしていると思っていたほどなのです。

ところで、この鉄のカバーは柱に直接、雨がかからないようにし、ひいてはシロアリなどによる腐朽を防止するためのものだと思います。
それなのに、この覆われた箇所だけがシロアリ被害に遭っているような有り様です・・・。

そう言えば、主屋の改修工事を設計・監理していただいた建築士さんが「木材にこのようなカバーをするのには良し悪しがある」と仰ってみえました。
完全にカバーされているのならまだしも、中途半端な状態で雨水が入ってしまえば木材が乾きづらくなりますし、また、通気が遮断されることでシロアリにとって住み心地の良い環境になりそうです。

さらに、この柱の近くには以前、センリョウなどの植物が自生し、柱の下部を覆っていました。

通気の悪さに加え、植物により適度な湿気が補われ、シロアリにとっては天国だったわけです・・・。

ほかにも同様に鉄板が取り付けられている柱がありますので、鉄板を外して確認することにします。
鉄板の下には、さらに板の覆いが取り付けられています。

厳重と言えば厳重ですが、その分、シロアリ被害などが見つかりにくくもなり・・・。

この板の覆いも外します。

先の柱以外はなんともなっておらず、やれやれ一安心です。

そして、当初の予定を早めていただき、大工さんによる施工が始まりました。

仮の柱で屋根を支え、既設の柱や土台が撤去された状態になっています。
柱と土台の樹種は檜で、梁は赤松です。
また、土台には防腐効果を期待して塗装(オイルステイン)してあります(据付前にDIY)。

何のトラブルもなくアッと言う間に完成。
さすが大工さんです!

下写真の面(南側面)は土壁で仕上げられるようにしていただきました。

わざわざ土壁にしなくても適当な外壁材を張っておけば十分なのですが、反対の北側面(上写真で奥側)が土壁になっていますので、こちらも土壁にすると統一がとれそうです(昭和初期に鶏小屋を設ける前はこちらも土壁だったのだと思います)。
手間はかかりますが、材料はタダ(主屋の改修工事で発生した壁土)ですからね(^_^)

<続きます>