古民家再生」カテゴリーアーカイブ

古民家の自然換気(10)床板張り

前回、天井板を張りました。

厨子二階(天井裏)側は下写真のとおり断熱材を入れるところまで終わっています。

厨子二階は居室として使う予定はなく、電気ケーブルや煙突などの管理用として使うだけです。
このため、この状態でも用を果たさないことはないのですが、今後の作業をしやすくするためにも床板(下図で水色着色箇所)を張ることにします。

床板は最低限のもので十分で、このような場合には合板を張ることが多いかと思いますが、合板はできれば避けたいという思いがあります。
無垢材でも野地板であれば合板並みの価格(HCで坪1,700円弱)で購入することができますので、手間はかかりますが野地板を使うことにします。
野地板なら、将来、石油やガスも買えぬほど困窮したとき、1枚ずつ剥がして煮炊きに使えますからね(^_^;

荒材の野地板をそのまま使うのはさすがに厳しいものがありますので、プレーナーとアイジャクリの加工を施すことにします。
まずはプレーナー(自動カンナ盤)に掛けます。

次に溝切りカッターで2.5分(7.5mm)幅の溝を設けます。

材料が準備できましたので、玄翁と釘(38mm)を使ってトントンと張っていきます。

根太の向きが東西方向ですので、床板の向きは根太に直交、すなわち南北方向になっています。
実はこの南側に材木の末(樹木の上方)がくるようにしているのです(このような板材で末や元も言うことはないと思いますが)。
以前、大工さんに教えてもらったのですが、木材はそれが成長してきたように配置しているとのことで、確かに梁などを見ると南側(太陽の南中)に末がきています。

さて、下写真で梯子を掛けてある開口部は厨子二階への出入り口として使い、通常(特に冬季)は閉めておきます(扉を設けるつもりです)。

厨子二階へ上がるのは私だけですが、この状態では転落等の不安を感じますので、開口部の周囲に簡易な枠を設けることにします(いずれはちゃんとした柵を設けたいと思っています)。

垂木材(1.5寸×1.8寸)から木取りします。

枠には断熱材を嵌められるように溝(3分×3分)を設けています。

開口部に取り付けます。

溝のところに断熱材が嵌ります(梯子がない状態ではピッタリ収まるはず?)。

<続きます>

井戸の再生(19)井戸と湧水

我が家の敷地内に井戸が3井あるのですが、そのうちの1井については状態(構造面等)が悪くなっていることから、半年程前、現状を確認するとともに再生案を検討しました。

そのときは冬で寒かったこともあり、水が恋しくなる夏までは一旦保留(^^;)ということにしていました。
そして半年が経過し夏になりましたが、実は対応せざるを得ない状況にもなりつつあり・・・。
と言うのは、1枚目写真のとおり井筒の外側に穴があいているのですが、その穴が徐々に広がっている模様で、井筒がぐらつき、いつ井戸内に落ちてもおかしくない状態なのです。
井筒が落下すれば回収するのは困難でしょうし、井筒が落下した状態では井戸を埋めるにしろ再生するにしろネックになるに違いありません。
そこで、とりあえずは井筒を撤去するとともに、降雨時に土砂が井戸内に流れ込まないような措置を講じることにします。

ところで、自宅の裏山(里山)に大量のゴミが投棄されているところがあるのですが、そのうち地下水が湧出しているところについては今春にゴミを撤去・処分したところです。

<ビフォー>

<アフター>

この湧水(自由地下水)は砂礫層と粘土層との境から染み出ており、その高さを地表面から測ると3〜3.5mです。

このとき、近くの井戸(自由地下水)の水位を測ると地表面-3.1mになっています(下図で「2017.3.18」)。

従って、この湧水と井戸の水脈は同一のものであると推測できるかと思います。

さらに湧水の位置と方向を図示すると下図(湧水は左下)のとおりです。

以前、地下水は上図のとおり南から北に向かって流れていると想定しましたが、湧水はこれを裏付けるもののように思います。

<続きます>