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井戸の再生(23)ヘドロ

井戸浚い(さらい)をするため、前回、エアーリフトポンプを試作しました。

今回は実際に動作させ、土砂混じりの水を揚水できるか確認することにします。

井戸の近くで作業することになりますので、安全対策(転落防止)として歩み板(ブリッジ)を使って足場を設けます。

エアーリフトポンプの揚水管(塩ビ管)を井戸内に入れ、コンプレッサーを始動。

ちゃんと揚水され、井戸底に近づけると土砂混じりの水が揚水されてきます。
写真のため動作状況を伝えることができませんが、通常のポンプ(水中ポンプやエンジンポンプ等)のように時間的に一定の流量があるのではなく、間欠的な揚水です。
動作状況を表現すると「ゲボー・・・(数秒)・・・ゲボー・・・(数秒)・・・ゲボー」のような感じです。

とりあえずは揚水できることがわかり一安心です。
ところで、井戸底から揚水される土砂混じりの水は、黒い泥状で、匂いが相当キツイです。
まさにヘドロなのです。
降雨時には地表面から土砂だけでなく枯れ葉なども流入していたはずで、それが腐ってヘドロ状になって井戸底に溜まっているようです。
先にポンプの動作状況を「ゲボー」と人が吐くときのような表現になったのは、このヘドロ状の水が勢いよく吐出されるのを見て、あたかも井戸が吐いているかのように感じたからなのです。

揚水管(塩ビ管)で井戸底の様子を探ると、凸凹があるようです。
凸部分を吸わせると土砂混じりの水ですが、凹部分でヘドロ状のものが出てきます。

コンプレッサーは空気吐出量が100L/min(0MPa時)のものを使っていますが、レギュレーター(流量調整)全開で揚水量が最も多くなるような感じです。
エアーリフトポンプで井戸浚いができそうなことはわかりましたが、土砂の堆積量が相当ありそうなことを考えると、揚水量をもう少し増やしたいところです。
そこで、今回の試運転の結果を踏まえてエアーリフトポンプを改良することにします。

揚水量を増やすには、(1)揚水管の口径を大きくすることと、(2)エアー量を増やすことが考えられます。
揚水管の口径とエアー量からは流速(=エアー量×4/π/口径^2)が決定しますが、エアーリフトポンプによる揚水には一定の流速が必要であるように(感覚的に)思います。
従って、揚水管の口径だけを大きくすると流速が遅くなり、その結果、揚水されなくなることがありえます。
そこで、揚水管の口径(φ20mm)は変えずにエアー量を増やすことにします。

追加のエアー源としては、浄化槽(曝気)用のブロワを用いることにします(現在、レギュレータ全開でコンプレッサーがフル稼動状態のため、ブロワと併用することによりコンプレッサー側の負荷を小さくしたいとの考えもあります)。
ブロワでも合併浄化槽用のものは能力が高く、80L/min(10kPa時)程度の空気吐出量があります。
新品を購入すると5万円程度しますが、ヤフオクでジャンク品(日東工器 LAG-80(N))を3千円弱で入手しました。

ブロワの配管はVPφ13相当ですので、散水等で使う一般的なゴムホースを接続することができました。
そこで、揚水管にはゴムホースを接続するように下図のとおり変更し、そのゴムホースへコンプレッサーとブロワから送気できるようにします。

<変更前>

<変更後>

揚水管(VPφ20)にチーズ(φ20×φ13)を取り付け、ゴムホース(内径15mm)を接続できるようにします。

ゴムホースの元側では、コンプレッサーとブロワのそれぞれからのエアーの流入させられるようにします。

コンプレッサー(100L/min)に加えブロワ(80L/min)を稼動させることで、最大180L/min程度のエアーを送気できるようになりました。

庭の整備(22)笹の駆除

我が家の敷地は無用に広い(約800坪)ため、夏の間は草刈りや草取りに追われているような有り様です。
このため以前は除草剤を使って対処していたのですが、弊害も多いことから4年程前に除草剤を使うのを止めました。

除草剤の弊害として、除草剤に耐性のある「イシクラゲ」(下写真で黒いワカメ状のもの)だけが繁茂してしまうことがあるのですが、その状態で除草剤を止めたため、イシクラゲに加え無数の雑草が生え出し(下写真)、当時は途方に暮れてしまいました。

しかし、草は生えるのが自然であることを思うと、手間と時間をかけて全ての面積を除草するなんて馬鹿らしくてやっていられません。
そんなことで、できるだけ除草しなくて済むように、畑(敷地面積の約半分)は草生栽培を行うことにし、砂利敷きだった庭を芝生にするなどしました(以前、「選択と集中」というビジネス用語?が流行りましたが、除草する箇所の選択と集中を図ったわけです)。

<畑の草生栽培>

<芝庭>

そして、除草する箇所については、除草剤に手が伸びそうになるのを我慢して根気よく草取りを続けたところ、あくまでも一部ですが、ほとんど草取りをしなくても良い状態になってきました(下写真。最初の写真と同じ場所です)。

砂利敷きのため本来は雑草が生えにくいのでしょうが、無数の草が生え出したのは除草剤を止めた反動だったのかもしれません。
こうしたことから除草剤もタバコなどと同じように一度使うと手放せなくなってしまうのではないかという危うさを感じています。
そして、草刈りや草取りではいくら頑張ったところで雑草を駆逐してしまうことはないでしょうが、除草剤を使えば不可能ではないはずです。
除草剤の使用が拡大し、我が国土から雑草が消滅(=砂漠化、またはイシクラゲ化)なんてことにならなければ良いのですが。

こんなことを書きながら何ですが、実は今でも除草剤を使っているところがあるのです・・・。
それは、苔庭からの笹の駆除です。

下写真の苔庭も以前は笹庭と化していたのですが、除草剤の力を借りて笹を根絶させました。

笹は網目状に根を張っていますので、地上部だけを丹念に取り除いても直ぐに復活します。
全ての根を掘り上げれば良いのでしょうが、苔までズタズタにしてしまいますし、手間も掛かります。
そこで、笹だけに除草剤を塗布することで根まで枯らしてしまうのです。

下写真は昨夏の井戸周辺の状態です。

この井戸周辺を整備したいと考えており、昨夏、笹に除草剤を塗布しました。
その結果、現在では下写真(再掲)のとおり笹がかなり減っています。

それでも下写真(一部)のとおり残っているものがあります。

これらの笹に除草剤を塗布して駆除することにします。
除草剤の塗布には下写真のようにトングに太糸を巻きつけたものを使います。
これを除草剤に浸し、笹の葉だけに塗布するのです。

除草剤はグリホサート系(ラウンドアップ等)のものを原液、あるいは二倍程度に薄めたものを使いますので、大変危険です。
ゴム手袋を二重にはめ、防護メガネやマスクを着用。
さらに雨合羽を着るぐらいの慎重さが必要です。

除草剤の塗布後、晴天で暑い日が続きましたので、1週間後には下写真の状態に。

笹のように根を張っているものでさえ、このとおり枯死させてしまいます。
恐ろしいほどの威力です。

<続きます>