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竹ボイラーの導入(2)ボイラー選定

裏山の竹(熱源)や井戸(水源)を活用するため、ボイラーの導入を計画しています。
このため、今年7月に井戸水の水質検査(飲用10項目+硬度)を行ない、ボイラーの水源として問題ないことを確認したところです。

次に、導入するボイラーの機種を検討することにします。
ボイラーの燃料としては竹を考えていましたが、これまでに裏山や敷地を管理するなかで竹だけではなく木も多く発生することがわかってきました。
このため、ボイラーの機種選定においては、竹に特化したものではなく、木質資源全般を燃料にできる汎用的なものを対象とします。

このようなボイラーで、価格面でなんとか手が届くもの(それでも価格はガス給湯器の4倍程度・・・)として次のものが候補に上がりました。

  • モキ製作所「無煙薪ボイラ」
  • エーテーオー「ウッドボイラー」

この内のモキ製作所と言えば、昨年導入した薪ストーブ(MD80Ⅱ、下写真)のメーカーです。

このストーブはシンプルな構造に特徴があるのですが、ボイラーについても、耐久性や自由度(様々な用途への対応)を重視することからシンプルな構造であることが第一条件であると考えています(ガス給湯器などはボタンひとつで使えて便利ですが、構造が複雑で中身がブラックボックス化されているのとは正反対の指向です)。

このような観点から、両者の詳細をネットで調べてみます。
まず「無煙薪ボイラ」については、薪ストーブのシンプルさから同様と思われるのですが、残念ながらネットからは詳しい情報を得ることができませんでした・・・。


(モキ製作所HPより)

もう一方の「ウッドボイラー」については、外観が洒落ているゆえにガス給湯器などのように構造が複雑でブラックボックス化されているような第一印象を抱いたのですが、調べてみると実はとてもシンプルな構造であるようです。


(「ウッドボイラー」リーフレットより)

語弊があるかもしれませんが、ボイラー本体は五右衛門風呂のようなもの(無圧開放型)とも言え(もちろん熱効率・耐水性・安全性に格段の向上あり)、用途に応じて熱交換器などを追加することで、給湯システムや暖房システムを構築できるようになっています。
このシンプルさと自由度の高さに魅力を感じ、メーカーに種々の疑問点を問い合わせみることに。
その結果、竹を燃料として使用する際の留意事項等についても助言いただき、最終的にウッドボイラーを導入することに決めました。
あと機種選定に当たっては、伊那谷(長野県)で古民家を再生されてみえる野人さん(ブログのハンドルネーム)がこのウッドボイラーを使ってみえることも大きなポイントになりました。

ウッドボイラーは数種類の機種が設定されていますが、選んだのは最も小型(安価)のN-200NSB(貯湯容量:200リットル)です。
小型と言っても、給湯の目安は3箇所、床暖房だと2箇所とのことですので、我が家には十二分の能力です。

こうしたボイラーを導入する場合、通常は設備屋さんに据付・配管工事を含めて依頼するものだと思いますが、今回は全てDIYにて行うつもりですので、ボイラー本体はメーカーから直接購入することにします。
ちなみに、今回は自家用井戸のみを水源にするクローズドなシステムとするため私のような個人(無資格者)でも配管工事ができるのですが(技術的に可能かは別問題です・・・)、自治体の水道を使う場合は法令(水道法及び自治体の給水条例)により禁止されているため業者に依頼せざるを得ません。

そんなことで、ボイラー本体が届きました。

実際には7月下旬には届いており、現在まで倉庫内に置いた状態になっています・・・。

<続きます>

竹ボイラーの導入(1)水質検査

今年の目標に掲げたとおり、年内に竹ボイラーを導入したいと考えています。
裏山の竹などを熱源として利用するとともに、水源には昨年にポンプを設置した井戸を使う考えです。

竹や井戸水を利用する際の留意事項をボイラー・メーカーに問い合わせたところ、いくつかの助言をいただきました。
特に井戸水については硬度(水に含まれるカルシウム及びマグネシウム)が高い場合が多く、その場合、配管などにスケールが析出し問題を引き起こすので注意してほしいとのこと。

このことを聞いて思い出したのが、半年程前、析出したスケールにより電気ポットが故障したことです。

飲用には水道水(市の上水道)を使っていますので、我が家の井戸水の硬度が高かったわけではありません。
しかし、井戸水の硬度を調べたことはなく、ボイラーの水源として適しているのかどうか見当がつきません。

昨年から井戸水を使っているものの、まだ水質検査を行なっていませんので(現在は雑用水として利用)、今回、ボイラーの水源としての適否を含めて水質検査を行うことにします。

井戸水の検査項目については厚生労働省の要領において次の11項目が示されており、近くにある登録検査機関(三重県環境保全事業団)で検査していただけます。

  • 一般細菌
  • 大腸菌
  • 硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素
  • 塩化物イオン
  • 亜硝酸態窒素
  • TOC
  • pH値
  • 臭気
  • 色度
  • 濁度

しかし、この項目は飲用の適否を判断するのに必要となる最小項目だと思われ、硬度など直ちに健康に及ぼさないものは含まれていません。
検査機関に問い合わせたところ、上記(検査費用:7,560円)に加え硬度(1,620円)の検査も可能とのこと。

水質検査の時期的にちょうど良い頃(夏季で細菌類の活動が活発)ということで検査を依頼すると自宅に採水容器が送られてきました。

この容器に自身で採水し、返送します(上写真は採水済)。
大小二つの容器があり、小さいほうの包みには「滅菌済」と記載されていますので細菌類の検査用なのかもしれません。

一週間ほどで検査結果が判明。

  • 一般細菌:390個/ml(100個/ml以下)
  • 大腸菌:陰性(陰性)
  • 硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素:3.5mg/l(10mg/l以下)
  • 塩化物イオン:10.3mg/l(200mg/l以下)
  • 亜硝酸態窒素:0.004mg/l未満(0.04mg/l以下)
  • TOC:0.3mg/l未満(3mg/l以下)
  • pH値:6.7(5.8以上8.6以下)
  • 臭気:異常なし(異常なし)
  • 色度:0.5度未満(5度以下)
  • 濁度:0.05度未満(2度以下)
  • 残留塩素:0.01mg/l未満(水道水では0.1mg/l以上)
  • 硬度:38mg/l(300mg/l以下)

()内が(水道水としての)基準値

基準値を超過しているのは一般細菌のみで、それ以外は基準値に収まっています。
一般細菌については、我が家の井戸のような浅井戸(不透水層の上の地下水)だとこの程度の値が検出されてもおかしくありませんし、ひょっとすると採水時に誤って手が触れてしまったのかもしれません(素人考えです)。
水道水の場合、このような細菌類を塩素滅菌で全滅させるのですが、それと引き換えにカルキ臭(0.1mg/l以上の残留塩素)がするわけですね。

肝心の硬度については、基準値(300mg/l以下)内の38mg/lです。
とりあえずは基準値内で一安心です。

しかし、この基準値内であるはずの水道水(市の上水道)を使っていてもポットに結構な量のスケールが析出しました。
水道水の硬度はどの程度で、そもそも水源は何なのでしょうか?
市のホームページを確認すると、我が家に給水されている水道水は鈴鹿川(一級河川)沿いに掘られた深井戸(不透水層の下の地下水)から取水されているとのこと。
深井戸の水は浅井戸の場合に比べ滞留時間が長いため、硬度は高くなる傾向にあるそうです。
市の水質検査結果を確認すると54mg/l(H28平均)とあり、確かに我が家の井戸(38mg/l)よりも高い値となっています。

我が家の井戸水の硬度は基準値内で、かつ市の上水道よりも低いことから、ボイラーの水源として利用するのは適当と言えそうです。
ちなみに基準値(300mg/l以下)は水道水としてのものであり、エコキュート(電気給湯器)などではこれよりも厳しい設置条件(200mg/l以下)を設けているようです。

ボイラーの導入は涼しくなった秋以降にDIYにて行う予定です。

<続きます>