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竹ボイラーの導入(4)暖房&井戸水クーラー

前回、ボイラー本体の配置を含む全体的な計画を検討しました。

<平面図>

<横断図>

ところで、ウッドボイラー自体はパソコンの本体と同じように本体だけでは機能しません(焼却炉としては使えます)。
用途に応じて、パソコンで言うところのアプリケーションに相当する熱交換器などを追加することで、給湯システムや床暖房システムを構築するようになっています。
そこで、こうした拡張ができるようにボイラーの背面には配管の接続口(ソケット)がいくつか設けられています。

このうち最上部の4口については、内側(貯湯槽)に熱交換器(フレキ管)を接続できるようになっています。
つまり、この接続口に水を送れば、熱交換器を経て、もう一つの接続口から湯が出ることになります。
4口あると言うことは、この回路(水→湯)を2つ作れることになり、1台のボイラーで給湯しながら床暖房するということも可能になるわけです(このN-200NSBは、ウッドボイラーのなかで最も小さい機種なのですが、工夫すれば熱交換器を2つ設置することも可能とのこと)。

これらの下にある接続口が貯湯槽のオーバーフロー用、そして最下部のものがドレーン用です。

そして、真ん中にある2口にはニップル(両側が外ネジのパイプ)が差し込んであり、ボイラーを運搬する際に取っ手として使っています。
メーカー(エーテーオーさま)の方に教えていただいたのですが、実はこの接続口も貯湯槽と繋がっているそうです。
そして、農家の方で、ここから直接、温水を取り出し、温室内に敷設した配管(架橋ポリ)を循環させることで暖房として使っている方がみえるとのこと。

暖房に用いるには熱交換器(ボイラー側)が必要だと思い込んでしまっていましたが、言われてみれば温水をそのまま循環させるだけ(超単純!)でも暖房が可能なわけです。
もちろん、床暖房のように不凍液を循環させるためには熱交換器が必要となります。
これに加え、一般的な床暖房のような密閉システムともなると、私のような素人が手を出せるものではありません(技術面だけでなく、私の場合、コスト面でもですが・・・)。

一方、先の温水循環による暖房システムであれば、基本的には配管と循環ポンプだけで構築できそうです(これができるのもウッドボイラーが無圧開放型だからだと思います)。
せっかくボイラーを導入し、給湯利用だけでは勿体ないですので、この単純な仕組みにより暖房システムも構築してみたいと思います(もちろん自己責任のうえです)。

施工については、まずは給湯システムを構築し、後々、暖房システムを追加するのでも良いのですが、そうすると配管などで二度手間になってしまいますので、一緒にやってしまうことにします。
そこで、先に検討した配置図に暖房用の配管(温水往路、復路の2本)を追加します。

配管は給湯(水)用2本、暖房用2本の計4本となります。
暖房用の配管の途中には循環ポンプを設置します。
2系統の配管やポンプによりボイラー周りが複雑になりそうです。
本職の設備屋さんなら、なんてことはないのでしょうが、私のような素人の場合、配管どうしが糸のように絡んでしまいお手上げになるかもしれません。
そこで、ボイラーを挟んで給湯用(2本)と暖房用(2本)の配管に分けるようにしています(途中からは並列)。

これらのパイプ(4本)を主屋に引き込み、台所と居間の境付近に立ち上げます。
そこから給湯用のパイプ(2本)は台所側(上図で右側)、暖房用(2本)は居間側(上図で左側)へと分岐させる考えです。

さて、暖房用に温水を引き込みますが、これをどうやって暖房として用いるのか?
床(床板と断熱材との間)に配管すれば床暖房になりますが、床は一昨年の改修工事で作り直したばかりです。
このため、銅管やエロフィン管(フィン付きのパイプ)から放熱させるような単純な暖房器具(熱交換器)を自作したいと思っています。

このような単純な器具であれば、夏はこれに井戸水を流して冷房器具としても使えそうです(結露するため、床暖房に冷水を流すことはできません)。
そこで、先の配管(暖房用の2本)を井戸まで繋げられるようにします(ボイラーは経由しない)。

エアコンやエコキュートは空気熱を利用したヒートポンプですが、この井戸水クーラーは地中熱を利用したヒートポンプシステムになるかと思います。
このような井戸水クーラーは工場などで実際に使われているようですが、小規模なシステムでも実際に機能するものでしょうか??
いずれにせよ、暖房システムに少し配管を伸ばすだけですので、この井戸水クーラーも視野に入れてボイラーの導入を進めることにしたいと思います。

<続きます>

竹ボイラーの導入(3)全体計画

7月下旬にボイラー本体(ATOウッドボイラー)が納入されましたが、現在まで倉庫に置いた状態になっています・・・。

ボイラーの導入に向け、まずは全体的な計画(ボイラー及び管路の配置)を検討することにします。
ボイラーの水源には井戸を使いますが、この井戸には昨年に電動ポンプを設置したことから、ボイラーへ井戸水を圧送できるようになっています。
そして、ボイラーで熱した井戸水は、給湯用(炊事・風呂等)として使う考えです。
と言うことは、ポンプ(倉庫内に設置)や台所・浴室などの水回り(主屋)に近いところにボイラーを設置すれば、配管延長が短くなり、電気(電動ポンプ運転)や熱のロスが小さくなります。

これを考慮し考えたのが下図の配置案(平面図)です。

井戸のポンプは倉庫内に設置してありますが、ボイラーも同じ倉庫内に設置し、ポンプの近くになるようにしています。
そして、この倉庫の対面には主屋(台所などの水回り)がありますので、倉庫と主屋の間にある通路を横断する形で水と湯の2本のパイプを配置しています。

ちなみに、ウッドボイラーは下図のとおり熱交換器を通して給湯する仕組み(直圧式)ですので、井戸のポンプだけで蛇口(給水栓)まで圧送できます。
このため、ボイラーから圧送するためのポンプを改めて設けることはしていません。

ボイラーを屋内設置することから、火災予防のため、薪ストーブのときと同様に建物(可燃物)との離隔をとる必要があります。
ウッドボイラーの取説を読むと、消防法を考慮し次の離隔を取るように記載されています(別途、各自治体の条例を遵守)。

  • 後面:1.5m以上
  • 側面:1.0m以上
  • 正面(焚き口側):2.0m以上

ボイラーを設置する倉庫は鉄骨構造&トタン張り(不燃材)のため、建物との間に関しては上記の離隔をとる必要はありませんが、この範囲内に可燃物を設置しないようにしなければなりません。

下写真で物入れが置いてあるところにボイラーを設置することになりますが、ボイラーの側面側については不燃材の壁になるため問題ありません。
ボイラーの正面と後面については、ちょうど倉庫の出入口(正面側:幅6尺、後面側:幅3尺)と重なりますで、ここに可燃物を置かないようにすれば安全と言えそうです。

ボイラーの配置を決定するには本体だけではなく、煙突も要検討です。
そこで、断面図を描いて煙突の配置を検討します。

煙突は壁出しとし、煙突トップが横引き(約1.2m)の2倍以上、かつ屋根から1m以上高くなるようにしています。
煙突の効果を考えると、壁出しではなく、真っ直ぐに立ち上げて屋根出しにしたいところですが、屋根材がスレート(不燃材)の大波であるため、屋根出しにすると煙突がダムのようになって雨水を堰き止めてしまうのです。
壁出しの場合でも庇を貫通させる必要があるのですが、こちらの屋根材は同じスレートでも小波のため、なんとかなるように(安易に)考えています。
煙突と建物(可燃物)との離隔については、基本的に不燃材ですが、基準の300mmはとるようにしています。

ボイラーの配置はこれで問題がなさそうですので、今後、これをベースに詳細を詰めていくことにします。

<続きます>