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庭の整備(52)表札の自作

一昨年の秋、庭木のチャボヒバ(ヒノキ科)1本を伐採しました。
伐採したものは玉切りして薪にするつもりが、薪にして燃やすだけでは勿体ないように感じ、昨秋、一部分を板に製材しました(バンドソー使用)。

同じ頃(昨秋)、郵便受けを設置したのですが、その下にスペースがあるため、この板を使って表札を作って取り付ければ良いのではないかと考えたのです。

製材してから半年(伐採後一年半)が経ちましたので、そろそろ表札の作製に取り掛かることにします。
まずは表面をカンナ掛け(自動カンナ盤使用)。

この面に彫刻刀を使って文字を彫るわけですが、その下書きをどうするか?
ワープロの文字を印刷し、それをトレースする手があるものの、わざわざ表札を自作するのにそれでは面白くありません。
また、我が家のようなボロ屋には悪筆の自筆のほうが釣り合いが取れて良いかもしれません。

自筆するとしても太い筆を持っていないため、筆ペンを使ってなぐり書き。

悪筆に加え、「書は人なり」と言われるように性格の歪みが文字にも現れています・・・。
これではあんまりですし、彫刻刀で掘りにくいためパソコンに取り入れて傾き等を補正します。

文字だけでは寂しい感じだったため、左側に竹(稈の部分)の図柄を入れてあります。
家紋は「笹竜胆」なのですが、彫るのが大変なため「笹竜胆」→「笹」→「竹」と易きに流れた結果です。

これを実寸大で印刷し、輪郭を板に転写します。

あとは根気よく彫刻刀を使って彫っていきます。

文字全体を彫るのは大変ですので、輪郭付近だけを彫って中心を盛り上げる「カマボコ彫り」としています。

ただ、この彫り方の場合に厄介なのが小さい文字です。

慎重に彫ってはいるものの、私の力ではどうしても粗が目立ってしまいます。

出来は別にして全て彫り終えました。

文字と図柄部分には墨入れするため、その滲み止めとして「との粉」を塗布します。

余分なとの粉を拭き取って下地の完成。

問題はどのような塗料を使って文字や図柄の墨入れを行うかです。
以前、同様にして温・湿度計を作ったことがあります。

このときは屋内使用のためベンガラ(朱色)を柿渋で溶いたものを使って墨入れしました。
柿渋は塗膜(タンニン成分)を形成するため、ある程度の防水機能は期待できるものの、それでも長期に渡る屋外使用は厳しいものがあります。

止むなく化学製品に頼ることして、その場合、まず考えつくのが次の方法です。

  1. 文字と図柄部分(着色):墨(黒色)や水性塗料(緑色)を塗布
  2. 全面(防水):ニスを塗布

ニスで保護するのは一般的ですが、そもそもニスは透明色の合成樹脂塗料でしかありません。
このため、耐候性に劣り、屋外使用の環境では早晩、塗膜が剥離してきそうです。
個別には耐候性を謳う商品もありそうですが、それでも塗り替えが前提になるかと思います。
塗り替えるのであれば、全面にニスを塗布するのは避け、文字と図柄部分にだけ合成樹脂塗料を塗布して着色するほうが良さそうです。

と言うわけで、文字と図柄部分に合成樹脂塗料(今回は水性のアクリルエマルジョン系塗料。ダイソーで1缶100円)を塗布。

これにニスを塗布することはないとしても、板自体が長持ちするように浸透性(オイルステイン)の木材保護塗料(XyladecorやOSMOが有名)を塗布しておくと良さそうです。
しかし、Xyladecorや手元にあるVATON(大谷塗料)には有機溶剤が配合されているため、先に塗布した合成樹脂塗料(プラスティックのようなもの)に悪影響を及ぼしかねません。
有機溶剤が配合されていない水性の木材浸透保護塗料がないものかとホームセンターで探したところ、そうしたものがありました(下写真。日本ペイント社製)。
安価(1缶500円)だったこともあり、それを購入して全面(表・裏・側面)に塗布。

木材浸透保護塗料と言っても、この塗料の樹脂成分は合成樹脂です(OSMOやVATONは天然樹脂)。
こんなことなら耐候性は劣るとしても亜麻仁油を全面に塗っておく程度で良かったかもしれません。
いずれにしても私のような素人にとって塗装の組み立ては難問です。
このような場合、看板屋さんはどのような塗料を選択していているのでしょうかね。

塗料の乾燥後、いよいよ取り付けです。
以前、郵便受けを設置したときと同様に配管用のサドルバンド(SUS)を用いて取り付けます。

正面から見るとこんな感じです。

これで、郵便配達員の方が代わっても迷うことはないでしょう(郵便受けの名前シールは安っぽいため、これまで貼ってありませんでした)。

庭の整備(51)蓮の植え付けとメダカ

前回、睡蓮鉢(昔の米搗き臼を再利用)を設置しました。

睡蓮鉢と言う名称から「睡蓮」を植えるものと思っていたのですが、ブログのコメント欄で海子さん(ハンドルネーム)から「蓮」も同様にして育てることができると教えていただきました。
しかも、蓮の葉は仏壇やお墓に供えることができるとのこと(蓮は仏花)。
我が家は仏教ですし、主屋の古民家にも蓮のほうが合いそうです(睡蓮→モネの絵画→洋風!?)。
そういうわけで、睡蓮から蓮を栽培することに変更!

時期的(5月連休時分)に蓮の苗(レンコン)を入手したいと思っていると、叔父から「浄土真宗高田派の本山(近くにあります)に蓮の会があり、その会員になると苗(株分け)を頒けてもらえる」と言う情報を入手。
しかし、調べてみると年会費が1万円と高額のため(どうりで豪華絢爛な寺院が建つはずです)、フリマで千円の苗を調達。

蓮と言っても園芸用のもの(花蓮)で、出品者によると品種は「小舞妃」とのことです。

「泥中の蓮」と言われるように、蓮の苗は泥のなかに植え付けます。
ちょうど草刈りのために田圃に行くことがあるため(五月連休前後)、そのときに田土を採ってくることにします。

草刈り後、バケツ1杯分の土を採取。

土を採取する際、実はなんとなく土が汚いように感じて最初スコップを使っていたのですが、そのうち直に触れるようになると田土の感触はなんとも心地良いもので、汚いと思う気持ちも吹き飛びました。
私自身、ブログに書いているとおり比較的自然と接することが多いものの、それでも随分と自然から離れたところに来ているものだと思わざるを得ませんでした。

さて、採取した田土は睡蓮鉢に直接入れても良いのですが、今後の管理や株分けを行いやすいように別の鉢に入れ、この鉢を睡蓮鉢の中に沈めることにします。
睡蓮鉢の中に入るサイズの植木鉢を用意し、底に田土を敷いて蓮の苗を据えます。

そして、鉢の上部まで埋めます。

この植木鉢を10cm程度浸水させるようにしたいのですが、このまま睡蓮鉢に入れては水深が深くなりすぎるため適当な高さの植木鉢を入れて上げ底します。

蓮の苗を植え付けた鉢を据えて水を張れば植え付け完了です。

ただ、このままでは夏にボウフラの温床になること間違い無しです。
ボウフラ予防のためにメダカを入れるとしても、近所の川や水路からメダカが消えて久しいです。
ホームセンターに行ってみると売ってはいるものの、なんと1匹500円(改良メダカ)もします!
15匹程度入れるとしてメダカに1万円近くかけるのもどうかと思っていると、たまたま近くにメダカを飼育されている方がみえて頒けてもらえることになりました。

上写真が頒けていただいたメダカで、全部で15匹程度います。
全て改良メダカで、楊貴妃(朱色のもの)、三色、ミユキ(銀色のもの)と呼ばれる種類のものだそうです。

これらのメダカを睡蓮鉢の中に放します。

写真では伝わりにくいですが、メダカが泳ぎ回っている様子は、なんとも良いもので見飽きません。
上写真は蓮の苗を植え付けてから約1週後のもので、早くも芽が伸びて葉が開いています。
とは言え、まだまだ小さくてメダカの隠れ場所として不十分なためホテイ草(ホテイアオイの園芸種)を入れてあります。

そして、現在の様子が下写真です(苗の植え付け後、約ひと月経過)。

蓮の葉が増えて大きくなってきました。
まだ浮き葉のため現状では睡蓮のように見えますが、これから蓮らしい立ち葉が出てくるそうです。

ちなみに、今回設置した睡蓮鉢を少し離れたところから眺めると下写真のような感じになっています。

敷石(昨春に再生)を挟んで右手に祖父が整備した坪庭、そして左手に私が整備した睡蓮鉢が並ぶ形になっています。
坪庭に比べて睡蓮鉢がショボく感じますが、蓮の花が咲けば見栄えがすることでしょう。