きつくり(庭木の剪定)」カテゴリーアーカイブ

庭木の剪定(23)マキ垣の剪定と挿し木

ツツジの花が咲き終わった五月連休明けから、ツツジサザンカ、ツバキ、サカキ、サツキの順で庭木を剪定してきました。
そして、春の剪定で残すはマキ(新芽が固まるのが遅い)の生垣のみとなりました。
マキ垣は延長が50mもあるため一日に少しづつ進めます(早朝の1時間弱)。
そして、トータルで10日かかって完了。

下写真で中央付近には以前、生垣の中にカキの老木があったのですが、2年ほど前に伐採しました。
その痕跡も、マキの枝葉で覆われて分からなくなりつつあります。

梅雨中は成長が一時休止しますので、しばらくの間、刈り込んだ直後のスッキリした状態が維持されます。
とは言え、梅雨明けとともに土用芽が伸び始めますので、4ヶ月後(11月)には再度(軽く)剪定することになります。

生垣の天端の刈り込みには昨年から電動式バリカン(ヘッジトリマー)を使っていますが、ブレード(刃)の長さがあるため容易に平面が出せます(ただ、切り口は刈り込み鋏に比べて雑な感じになります)。

マキ垣を剪定するのは、生垣の維持のためもありますが、剪定に伴い発生する枝葉を畑のマルチ&有機資材として利用すると言う目的も大きいです。

このため、作業の手順は朝一番で前日の剪定屑を畑に持っていき、豆類(+夏野菜)を播種したうえ剪定屑でマルチング。
そして、ガーデンバックを空にしてから生垣の刈り込みを始めると言うことを繰り返しています。

ところで、上写真にはマキ垣(常緑針葉樹)とカキ(落葉果樹)、そして畑が写っていますが、その三者がうまい具合に配置されていることに今さらながら気付きました。
食用(+畑の肥沃化)にすることだけを考えればカキなどの落葉果樹だけを植えたいところです。
しかし、自然界で落葉果樹だけと言うのは不自然な状態で、なんらかの弊害が生じる恐れがあります。
それを補完するためにも垣根に常緑針葉樹を用いてあるようです。
古人は現代人のように学問的な知識は無かったものの、現代とは異なって自然に近い生活をしていただけあって、こうしたことが経験的にわかっていたのかもしれません。

マキ(イヌマキ)の新芽は柔らかく適度に細かいため、マルチ材としても扱いやすいです。
このため、さらに増やすべく果樹園(落葉樹が主)に植えても良さそうです。
そこで、剪定した枝葉を使って挿し木により増やしてみたいと思います(わざわざ挿し木をしなくても、里山で自生えの苗木を入手できるのですが・・・)。

ところで挿し木と言えば、以前チャボヒバの枝葉を使って行いました
しかし、根付くことなく枯れてしまいました・・・(下写真で朱色矢印)。

伐採(秋)後、半年ほど経った枝葉を使ったことに無理がありましたし、時期(春)も悪かったかもしれません。
その点、今回のマキは元気の良い新芽で、時期的(夏挿し)にも申し分ありません。
剪定した枝葉(挿し穂)を水に浸けて1時間程度、水上げをします(形成層を出すため切り口の表皮を薄く削ってあります)。

そして、水を十分に含ませた鹿沼土に挿せば完了です。

ついでにモッコクの新芽も挿しておきます(そもそもモッコクが挿し木できるものか知らないのですが)。

以前、近所の方にイトヒバを頒けてほしいと頼まれていましたので、イトヒバとサツキの新芽もとってきます(サツキは生垣の補植用)。

同様に挿し穂の作成、水上げをしたうえ挿します。

活着してくれますように!

庭木の剪定(22)みどり摘みとハイニガナの除草

連休中に満開を迎えたツツジの花。

連休終盤には花が散り始めたことから剪定することに(花が散って間も無く花芽がつくため、剪定するなら早い時期が良いことになります)。

老木で既に形ができていますので、現状を維持させる分だけ全体を弱く刈り込んでいます。

一方、成長段階のマツは新芽がグングンと伸びています。

そこで、これらの新芽を摘んだり、切り詰めて剪定します(みどり摘み)。
新芽を摘む際に前年葉をもみ上げると、いかにも手入れが行き届いているような感じになるのですが、今回はパス。

成長が著しく、最も高いところは10尺(3m)の脚立に登っても手が届かなくなりました。
そこで、上写真で朱色線のところで切って芯止めすることにします。
また、上方向に大きくすることができないことから、昨春から門冠りの樹形になるように仕立て始めていますので、その方向(上写真で朱色点線)に新芽を誘引します。

芯止めするため切除した枝は上写真では小さく見えますが、実際には結構な太さと長さがあります(手袋や手鋸の大きさと比較)。

昨年の新芽が一年でこれだけ大きくなるのですから驚きです。

門冠りに仕立てることで、玄関アプローチへの木戸の代わりになるのではないかと思っていますが、どうなることやら。

続いて、内部の苔庭を手入れします。
コケの状態は良いのですが、雑草の二ガナがたくさん生えてきています。

二ガナでも、これは下写真のとおり土中に匍匐茎(ランナー)を伸ばして増えるタイプのハイニガナになります。
このランナーから葉を点在させるように出すため、除草しようとしても葉が千切れるだけで非常に厄介です(葉だけを取ることで逆に勢いを増す結果に)。

ハイニガナはこの時期だけ花を咲かすため花茎を出すのですが、その根元に中心部が存在することを昨春見つけました。
そして、その中心部を狙って引っ掻き出すと、うまい具合に全体を除去することができるのです。

そこで、花茎が出ている今のうちに一気にハイニガナを除草することにします。
下写真のようなところはランナーを伸ばして勢力を拡大していますが、いくつかある花茎の根元をそれぞれ草取り器(下写真で赤色の柄)の櫛刃を引っ掛けて抜き取ります。

ピンポイントで中心部を狙え、周囲のコケへの影響を最小限に留めることができます。

そんなことで根こそぎ除去できるのですが、何しろたくさん生えています。
1回につき2時間ずつ作業し、それを4回(計8時間)行ってようやく完了・・・。

ちなみに、ハイニガナが急激に増えたのは除草剤の使用が関係していると思っています。
以前、この庭はササ庭と化しており、ちょうど5年前に除草剤を塗布してササを一掃しました。
ササだけではなくコケも一時的に弱ったため、そのときにハイ二ガナが勢いを加増。
そして、枯死したササの根で土が肥え、それを栄養にして一気に増殖したのかもしれません。

除草剤は表面的な効果に目が向かいますが、反面、見えないところで混乱を引き起こしているように思えてなりません。

<続きます>