投稿者「里山古民家」のアーカイブ

竹ボイラーの導入(17)ガルバ製雨樋の自作

前回、ボイラーの煙突を下写真の状態まで設置できました。

ところで、可燃材の屋根材(ポリカーボネート製)を取り外した状態になっていますが、実は可燃材はこの屋根材だけではないのです。

煙突からの離隔距離300mm内に塩ビ製(可燃材)の雨樋もかかっています。

この樋と煙突との離角距離を測ると下図のとおり15cm弱しかありません。


<平面図>

樋も防火対策を講じる必要がありますが、今なら屋根を取り外していますので、この機会に不燃材の樋を取り替えることにします。
ただ、一般的な樋であれば不燃材のもの(ガルバ鋼板製、銅板製等)が市販されていますが、この樋は倉庫などで使われる大型の角樋ですので不燃材のものを入手するのは難しそうです。
そこで自作することにし、取り替える必要がある延長を上図から求めると600mmとなります。

この区間の樋を塩ビ用の手鋸で切って取り外します。

取り外したものから断面形状を確認すると、この角樋の種類は下図の「M型120角」のようです。

新しいものはガルバ生地のトタン(不燃材)を使って作る考えですが、問題となるのは既設(塩ビ製)のものとどうやって接続するか?です。
トタン板は薄い(0.27mm厚)ため、既設のものの上に被せる形(上図で朱色線)で接続すると良さそうです。

このことを考慮して展開図を描きます(展開図を描くほどでもないのですが、いずれ更新するときの覚え書きになるだろうと、後になって作成しました)。

以前、作製した防護カバーなどと同様の手順で作っていきます。
まずは、トタン板に先の展開図を罫書きます。

上写真でトタン板の奥側にあるのが取り外した角樋です。
設置して30年以上が経過しますが、それほど劣化しておらず、まだまだ使えそうです(緑色の付着しているものはスレート屋根を塗り替えしたときのペンキです)。

万能ハサミで切断し、組み立てます。

既設のものは耳が外側に付けてありますが、今回作ったものは内側に折っています(既設のものの上に被せるため)。

既設との取り合いを確認すると良い感じです。

作製したものを取り外した区間に取り付けます。

既設との接合は、更新の際に外しやすいように小ネジとナットを使っています。

底も同様に接合します。

小ネジだけでは隙間が残りますので、シーリング材を充填しておきます(透明色のシーリング材のため分かりづらいです)。

既設の樋の色がシルバーでトタンの色と近いため、それほど違和感なく仕上がりました。

<続きます>

竹ボイラーの導入(16)煙突の設置

前回、ボイラーの煙突を下図のとおり設置することにしました。

煙突の壁出し(横引き)に必要となる煙突部材(90度フタ付曲がり:2個、半直筒:2本)もメーカー(ATOさま)より入手できましたので、煙突を設置することにします。

位置が固定されているボイラー(ATO ウッドボイラー)側から設置していきます。

まずはボイラーの煙突接続口に半直筒を差し込み、これに90度フタ付曲がり(エルボ)を繋ぎます。
これにより煙突が外壁を貫通する位置を把握できるようになります。
上記位置で外壁材(トタン)を煙突口径(φ115mm)より僅かに大きい円形で切り抜きます(ジグソーを使用)。

上写真に写っている煙突部材が追加購入した「90度フタ付曲がり」と「半直筒」です。

外壁の貫通口に直筒(1m)を差し込み、煙突支持金具で固定します。

煙突支持金具は倉庫の胴縁(鋼製)にタッピングビスを使って取り付けています。
ちなみに煙突の上下ともに胴縁がありますので、煙突支持金具は下の胴縁に取り付けることもできます(上写真で朱書き)。
しかし、金属は引っ張り強度が強いことから上の胴縁に取り付けて煙突支持金具に引っ張り強度が働くようにするのほうが望ましいように思います。
そうすると、仮に煙突支持金具が木製であれば、逆に下側に設置して圧縮強度が作用するようにさせてやることになります。

外壁のトタンは不燃材で、煙突との離隔距離(最低150mm)を確保する必要がありませんので、煙突と壁との間には下写真のとおり僅かな隙間があるだけです(この隙間には今のところシーリングはしないつもりです)。

続いて屋外側です。

横引きの直筒にエルボを繋ぐと、屋外側の立ち上げ管の(水平)位置を把握できるようになります。

煙突は倉庫の庇を貫通させることになりますが、現状の屋根材はポリカ製の波板(波の形状:スレート小波)で可燃材ですので、これを直接貫通させるわけにはいきません。
このため、煙突との離隔距離(300mm)内にある波板(2枚)を取り外すことにしますが、その前に下げ振りを使って煙突位置をマークしておきます。

屋外側煙突の振れ止めのため、下写真位置(倉庫胴縁箇所)にも煙突支持金具を取り付けます。

しかし、煙突支持金具(支え脚)の襟長さに対して外壁トタンの角波間隔が狭く、角波と接触してしまいます。
そこで、金具(SUS製)側を一部を切断することにします。

ディスクグラインダーに切断砥石を装着して切断。

直筒を立ち上げ、支持金具で固定します。

<続きます>