投稿者「里山古民家」のアーカイブ

屋外水栓の凍結対策

当地(三重県鈴鹿市)は比較的温暖ですが、それでも冷え込みの厳しい朝には屋外の水栓が凍結するようになってきました。
屋内の配管まで凍結するようなことはないので特段の支障はないのですが、そのままでは水道管の破裂や漏水につながる恐れがありますので、凍結対策を講じることにします。

昨シーズンと同様に、蛇口をパイプカバー(ポリエチレンフォーム)で包み、雨に濡れないようにビニールシートを被せます。

この屋外水栓は冬の間も使いますので(水源が井戸水で暖かい)、ビニールシートを捲ればハンドルを回せるようにしてあります。

一方、下写真の水栓は水源が上水道(自治体運営)で、先の水栓(井戸水)を整備してからはほとんど使わなくなっています。
(排水路に隣接していて夏場に長靴や刈払機を洗うのに便利なため、いずれは水源を井戸水に切り替えるとともに、蛇口の位置を下げようと思っています。)

この水栓の防寒対策ですが、パイプ(立ち上げ部分)は通年カバーを被せてあるので問題ないとして、対策が必要なのは蛇口部分です。
先の水栓と同じようにしても良いのですが、当面使う見込みがないため蛇口自体を取り外すことにします。

量水器内の止水栓を閉じて水が出ないことを確認してから、蛇口をモーターレンチ(パイレン、上写真で朱色と銀色のレンチ)を使って取り外します。

パイプが白管と呼ばれる鉄管(SGP)のため錆びついていて苦労するかと思いましたが、難なく取り外せました。
ところで、蛇口(Pjオネジ)は通常、水栓ソケット(Rpメネジ)に取り付けるように思いますが、この蛇口は上写真のとおりエルボ(Rcメネジ)に直接取り付けてあります。
と言うことは、蛇口のPjオネジはRcメネジにも接合できるわけです(蛇口の位置等の調整は不可)。

  • ◎ Pj(オネジ)——→ Rp(メネジ)
  • ◯ Pj(オネジ)——→ Rc(メネジ)
  • × Pj(オネジ)——→ G(メネジ)

こうすると水栓ソケットが不要になりますので、これを施工した設備屋さんは1円でも安く工事費を抑えようとしてくれたのでしょうね。

取り外した蛇口です。

余談ですが、この蛇口はボイラーの給湯栓(仮設)に流用しました(蛇口を取り外したのは凍結防止の目的もありますが、これに使いたかったのです・・・)。

元の水栓は蛇口を取り外した状態になっていますので、プラグ(白、100円程度)を取り付けて止水しておきます。

配管の一部(エルボ部分)が剥き出しになっていますので保温のために古布を巻きます。

古布が濡れてしまわないようにビニール袋を被せて凍結対策完了です。

最後に井戸ポンプの露出配管部(倉庫内)です。

ボイラーの整備(給水管からの取り出し)においてパイプカバーを取り外してありますので、まずは元に戻します(下写真は昨シーズンのもの)。

倉庫内のため紫外線劣化はないだろうとパイプカバーは剥き出しのままでしたが、「ビニールキャンバス」を巻いて養生しておくことにします。

直線部は容易に巻けますが、エルボやチーズ部分を綺麗に巻くのが難しく、タブついたところはさらにビニールテープを巻いています。

竹ボイラーの導入(23)自作床暖房パネル③熱交換器検討

前回で床暖房パネルの木工部分(床板の張りつけを除く)が出来上がりました。

この中に床暖房のシステムを仕込むことになりますが、その構造は下図のとおりとします。

熱交換器となる銅管は床板と断熱材との間に配管しますが、さらに床板との間に放熱板(アルミ平板 t=0.3mm)を挟むことで床板への伝熱量を増やしたいと考えています。
伝熱面を広くすることで熱抵抗を小さくしようというわけです(下式)。

熱抵抗 R=1/k(熱伝導率)・L/A(表面積)

上式からは伝熱量を増やす(熱抵抗を小さくする)ためには熱伝導率を大きくすることも有効であることがわかります。
このため、放熱板には熱伝導率の大きい銅板(k=398)を用いれば良いのですが、コスト面からアルミ板(k=236)を採用しています・・・(結露する環境下では銅管とアルミ板との異種金属腐食に留意が必要)。

同じ考えから銅管自体も表面積を大きくすれば(口径を大きく、延長を長く)、伝熱量を増やせることになります。

伝熱量Q=U・A(表面積)・△t(温度差)

(銅管の中に流すお湯の温度を高くし(上式で△t)、流量を上げれば更なる伝熱量の増加が期待できそうです。)
しかし、銅管の口径や延長をヤミクモに大きくするわけにはいきませんし、口径や延長、流量には密接な関連があるため、システム全体でバランスをとって決定する必要がありそうです(例えば、口径・延長とは無関係に流量を増やせば、管路抵抗が大きくなって流れなくなったり、流速が速くなりすぎてシステムに損傷を与えかねません)。

それでは、いくつの口径の銅管をどれだけの長さ配管するのが適当なのか?
本来はシステムの全体を設計するとともに暖房器具の詳細を詰める必要があるのでしょうが、私のような素人にとっては敷居が高すぎます。
そこで、いくつかのメーカーの床暖房システムの構成を断片的に調べてみると、熱交換器のパイプ(架橋ポリエチレン管または銅管)は口径2分(2/8inch、8mm)か3分(3/8inch、10mm)のものを使っていることが多いようです。
また、温水を循環させるポンプは揚程6m程度の性能のもの(グルンドフォスUPS25-60等)を採用し、それを使って10L/min程度の流量で温水を循環させているのではないかと思います。

そこで、これらを参考(真似!?)にして銅管は外径φ9.52mm(内径約8mm)のものを使うことにします。
この銅管に仮に流量3L/min(3系統あるとして10L/minの1/3)の温水を循環させるとき、管内の流速は1m/s程度(速くも遅くもない)になり、なるほどメーカーのシステムは良い感じになっていることが分かります。

流速 V=流量/断面積=(3/1,000×60)/(π×8/1000^2/4)≒1m/s

我が家のシステムでうまくいく保証はありませんが、φ9.52mmの銅管を用いることで見切り発車!(システム全体の検討はポンプの選定の際に行うつもりです)

一方の延長については床暖房パネル内(950mm×650mm)になるべく長く収まるように図を描きながら検討します。

今回用いるナマシ銅管は焼きなましにより曲げやすくしてあるため、役物(エルボ)を用いることなく曲げ配管が可能です。
ただ、一定の曲げ半径を超えると座屈してしまいます(パイプベンダーと呼ばれる道具を使えば相当小さく曲げることができるようです)。
手で曲げられる許容曲げ半径が分かると良いのですが分からず、口径(φ9.52)の約5倍となるR47mmとしています。
また、ナマシ銅管の販売単位は3m、5m、10mのため、5mを購入するものとし、無駄が生じないように配置しています。

銅管のサイズや配置が決定しましたので、作り始めることにします。
まずは放熱板となるアルミ板(t=0.3mm)の加工から。

サイズが455mm×910mmのものを2枚購入し、切り貼りします(アルミ板の余りで銅管のサドルを作る予定)。

2枚をアルミテーブで接合。

このアルミ板の上(完成形では下)に銅管を配管することになりますので、アルミ板に配管ルートを罫書きます。

<続きます>