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サイクロン集塵機の自作(10)集塵機等設置台を作製

自作サイクロン集塵機を改良することにし、前回、基本的な仕様を決めました。

上図で左のもの(現状)を右に変更することになりますが、大きな変更点としてダストボックス及び木工用集塵機の設置台を新設します。
まずは、この設置台から作ることにします。
ダストボックスや集塵機のサイズから1辺が約50cmの立方体のスペースを確保すべく、下図を考えました。

角材で骨組みを作ったうえ、上・下面に板を張ってダストボックス(上面)及び集塵機(下面)を設置する考えです。
骨組みとなる角材のうち横框(43×23mm)は板材から木取りすることにし、いつものとおり古材(主屋の天井板と使われていた松板)を再利用します。

テーブルソーを使って(43mm+α)幅で挽き割ります。

縦框(45mm角)については105×45mmの杉材が手元にあるため、それを挽いて45mm角にします。

自動カンナで分決め。

上写真で奥に木杭が写っていますが、これは昨冬伐採した杉の枝を使って作ってみたものです。

所定の寸法で切断。

罫書き。

ホゾ穴あけ。

ホゾを加工。

そして、各部材が揃いました。

組み立て。

次に、この骨組みの上・下面に板を張ります。
板は合板を使いますが、ちょうど必要サイズ以上の廃材(12mm厚。廃材のため穴があいています)があるため、それを再利用します。

板張り。

重量のある集塵機を載せてみても12mm厚の合板のため、しっかりしています。

一方、上面に載せるダストボックスは集塵機のように重くありませんし、その荷重も直接、骨組みにかかるため薄い合板(5.5mm厚)を使うことにして張り付け。

ブログ記事は流していますが、実際には面取りしたり目違いを払ったりして結構丁寧に作り込んでいます。

と言いつつ、合板を切る際に罫書き線を見誤り、下写真のとおり1箇所大きな目違い?が生じています・・・。

新たに合板を切り出すのも勿体ないですし、かと言って、このままではいかにも素人工作っぽく見えてしまいます(素人ですが)。
そこで、框側をカンナで削って誤魔化すことに!

ダストボックスを載せると下写真のようになります。

このダストボックスも再利用品です。
しっかりした造りで、円筒の形からワイヤーでも収められていたのだろうと思っていましたが、先日これを見た近所の方から溶接材(溶接棒)のパッケージだと教えてもらいました。
確かに「特殊鋼」です。

元々取り付けてあったキャスター(自在タイプ)を取り付け直して設置台の完成です。

サイクロン集塵機の自作(9)前方設置 or 後方設置?

前回、木工用集塵機(下写真で左下の青色の機械)を入手したため、自作サイクロン集塵機を改良することにしました。

サイクロン集塵機は自作してから5年が経ちます。
色々と改良したいところはありますが、今回のメインは現在サイクロン集塵機のブロワ(送風機)として使っている家庭用掃除機に代わり、よりパワーのある木工用集塵機を使う点になります。

ところで、サイクロン集塵機は下図のように粉塵混りの空気から粉塵を分離して回収するものです。

ここで上図にある家庭用掃除機(F)は粉塵混りの空気をサイクロン装置に送り込む役割を果たすものであり、単純に木工用集塵機への置き換えが可能です。
上図(現状)では家庭用掃除機はサイクロン装置の後方(アウトレット側)に設置していますが、サイクロン装置の前方(インレット側)に設置してもサイクロン装置は機能するはずです(下図)。

家庭用掃除機は粉塵混りの空気を送れないこともあってサイクロン装置の後方に設置するしかありませんでしたが、木工用集塵機は粉塵混りの空気を送れるため前方に設置することも可能になります。
前方に設置することのメリットのひとつは、上図からもわかるようにサイクロン装置周りがシンプル(アウトレット管がほぼ不要)になることです。

サイクロン集塵機は身近なところにも使われており、そのひとつがコイン精米機です。
下写真はよく利用するホームセンターに設置されているコイン精米機ですが、配管を見ると前方設置タイプであることがわかります。

前方設置タイプであればアウトレット管は要らなそうなものですが、サイクロン集塵機の粉塵回収率は100%ではないため客に粉塵が掛からないよう吐口をサイロの後方に向けるようにしてあります。

また、大工さんの作業場などで使われる本格的なサイクロンのシステム(下図)も同様に前方設置タイプです。

マキタ 総合カタログより

サイクロン装置周り(配管)がシンプルになることから今回は前方設置タイプにしようかとも思ったのですが、前方設置にするぐらいなら木工用集塵機に付属のダストバッグを使えば良いのであって、そもそもサイクロン装置なんて要らないと言うことにも・・・

一方、後方に設置する最大のメリットは、集塵機の前方で粉塵が集塵されるため集塵機の負担(粉塵によるファンの損傷等)が小さくなることだと思います。


家庭用の充電式クリーナもサイクロンにするためのアタッチメントが市販されていますが、これは後方設置タイプで、ゴミがクリーナ本体に到達する前にサイクロン装置で集塵するようになっています。

なにしろ、以前充電式クリーナをメンテしたときに痛感したとおり、クリーナのフィルターだけでは粉塵を捕捉しきれずに本体内にも入り込んでしまうのです(下写真)。

マキタ社のカタログ(2枚上の写真)では「ゴミ捨て簡単、サイクロン」と謳っていますが、サイクロンアタッチメントを装着するメリットはクリーナ本体の保護のほうが大きいように思います。
せっかくサイクロン集塵機にするのですから、充電式クリーナと同じく後方設置タイプにすることにします。

ところで、木工用集塵機は家庭用掃除機に比べ、かなり重いです(大きさは余り変わらない)。
これまでのように設置すればサイクロン集塵機が不安定になって転倒しかねません。
かと言って、横に置くとスペースを取りますので、下図(右側)のようにサイクロン集塵機の下部に木工用集塵機を設置できるようにしてスペースを節約するとともに、その重さを生かしてサイクロン集塵機を安定化させることにします。

また、基本的な仕様として、インレット管を木工用集塵機の大風量にも耐えられるようにアルミダクト(換気扇に使われるものでペラペラ)からダクトホースに変更します(口径は木工用集塵機にあわせてφ75mm)。
一方、アウトレット管は今回、後方設置タイプとし粉塵による断面阻害がないため口径を絞り(φ75mm→φ40mm)、塩ビ管(VU40A)を使って配管することにします。

<続きます>