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木製梯子の作製(3)完成!

前回、部材を組んで梯子の形にするところまでできました。

塗装して仕上げるため一旦ガレージ内に移動させます(この日も酷暑。気温だけでなく日射しが強すぎて外で作業できる状況でありません・・・)。
あれだけ大きく反っていた左右の支柱は組んだことで真っ直ぐに戻っています。

<After>

<Before>

ちなみに、上写真<Before>と同じ向き(木表が外側)で梯子を組んでいます。
つまり、元の丸太の状態と同じです。
また、木の末側が天を向くようにしています。
梯子を掛けると、もとの木が山に立っていた状態に戻るわけです。

いつものオイルステイン(VATON オーク色。2回塗)で塗装。

この梯子は屋内の床上に立てることになります。
床はフローリング(合板)のため、滑り止めのため支柱の下端にゴムを貼っておくことにします。
ゴムは軽トラ荷台用のゴムマット(厚みがある)を再利用します。

取り付けは接着剤(合成ゴム系)に木ネジを併用します(木ネジの頭が出ないようにゴム側に皿取りをしています)。

これで木製梯子の完成です!
主屋(古民家)に移して設置。

古色に近い色(オーク色)で塗装してあることもあり、それほど違和感がありません。
先述のとおり、こうして梯子を掛けると、もとの木が山に立っていた状態になります。
そして、梯子を登る人間は、山の木に登って遊ぶ猿になるわけです(^_^)

梯子の上は下写真のとおりになっています。

夏は天井の開口部を開けているため問題ありませんが、冬に閉じた場合に梯子のところで隙間ができないようにしたいと思っています。

古い梯子は細かく切ってウッドボイラーの燃料として活用します。

もとの杉の木は樹齢20年程度で間伐されたものだと思います。
と言うことは、山にあった期間以上に梯子として存在したことになります(100年近く?)。
そして、最後は燃やして灰となって土に還っていきます。

今回の梯子は時間ができたときにでも新しく作り直そうと思っていたのですが、酷暑のおかげ?で図らずも早くできました。
酷暑で日中は屋外で作業できるような状況ではありませんので、以前に作った縁台を風が通り抜けるところに置いてひと休み(下写真で左下)。

ここが涼しいのは野良猫も良く知っていて、薪棚のうえで足を放り出して気持ちよさそうに寝ています(上写真で朱色矢印)。

木製梯子の作製(2)

木製梯子を新しく作り直すことにして、前回、踏み桟を加工するところまでできました。

今回は支柱から作っていきます。
支柱は踏み桟と同様、杉の母屋材(75mm角)を半分に挽き割って使うことにし、ホームセンターで4mものを1本購入してきました(1,000円強)。
バンドソーを使って挽き割っていくと木表側に大きく反り始めました。

反りは大きいですが、最終的には踏み桟で両者を組むため問題ない(元の真っ直ぐに戻る)はずです。

荒材のため電気カンナを使って表面をカンナ掛けしておきます。

支柱に踏み桟を固定するためのホゾ穴(15mm×48mm)をあけます(角ノミを使用)。

ここで、踏み桟側の作業に戻り、鼻栓(クサビ)用の穴をあけます。
この穴は下図のとおり支柱側に1分(3mm)入る形であけるようにしています(こうすることでクサビを打ち込むほど強く効くことになります)。

支柱の板厚は場所によって多少異なるため、各踏み桟の位置における板厚に応じて墨付けします。
そして、墨線のとおり穴(9mm×15mm)をあけます。

鼻栓(クサビ)を端材を使って作っておきます。

ひととおり材料の加工ができたため、面取りやサンダー掛けをして仕上げていきます。
まずは踏み桟。

通しホゾの先端について、昔の梯子のものを確認すると面取りだけでなく角も落としてあったため同様に加工しました(上写真で朱色矢印)。

支柱側も面取りやサンダー掛けして仕上げます。
また、支柱の上・下端を75°の角度で切断(実は1箇所、逆の角度で切ってしまっていることが後に組んでから判明しました。間違いを防ぐため組んでから切るほうが確実です)。

そして、組み立て!

鼻栓(クサビ)を打ち込んで仕口を固定します。

問題なく組み立てられたものの、ミスが判明!
支柱の上端について、片方だけ逆の角度で切ってしまっています・・・。

この梯子は天地逆に使うことはないため、後で左右ともに直角に切って揃えておきました(設計より2cm弱短くなりました・・・)。

試しに軒先に立て掛けてみます。

たまたま後ろにアルミ製の脚立が置いてありますが、木製梯子も捨てたものではありません。
ただ、木製梯子はアルミ製に比べて重くて取り回しが悪いため、今回のように常設での利用に限られそうです。