日別アーカイブ: 2019-06-08

庭の整備(52)表札の自作

一昨年の秋、庭木のチャボヒバ(ヒノキ科)1本を伐採しました。
伐採したものは玉切りして薪にするつもりが、薪にして燃やすだけでは勿体ないように感じ、昨秋、一部分を板に製材しました(バンドソー使用)。

同じ頃(昨秋)、郵便受けを設置したのですが、その下にスペースがあるため、この板を使って表札を作って取り付ければ良いのではないかと考えたのです。

製材してから半年(伐採後一年半)が経ちましたので、そろそろ表札の作製に取り掛かることにします。
まずは表面をカンナ掛け(自動カンナ盤使用)。

この面に彫刻刀を使って文字を彫るわけですが、その下書きをどうするか?
ワープロの文字を印刷し、それをトレースする手があるものの、わざわざ表札を自作するのにそれでは面白くありません。
また、我が家のようなボロ屋には悪筆の自筆のほうが釣り合いが取れて良いかもしれません。

自筆するとしても太い筆を持っていないため、筆ペンを使ってなぐり書き。

悪筆に加え、「書は人なり」と言われるように性格の歪みが文字にも現れています・・・。
これではあんまりですし、彫刻刀で掘りにくいためパソコンに取り入れて傾き等を補正します。

文字だけでは寂しい感じだったため、左側に竹(稈の部分)の図柄を入れてあります。
家紋は「笹竜胆」なのですが、彫るのが大変なため「笹竜胆」→「笹」→「竹」と易きに流れた結果です。

これを実寸大で印刷し、輪郭を板に転写します。

あとは根気よく彫刻刀を使って彫っていきます。

文字全体を彫るのは大変ですので、輪郭付近だけを彫って中心を盛り上げる「カマボコ彫り」としています。

ただ、この彫り方の場合に厄介なのが小さい文字です。

慎重に彫ってはいるものの、私の力ではどうしても粗が目立ってしまいます。

出来は別にして全て彫り終えました。

文字と図柄部分には墨入れするため、その滲み止めとして「との粉」を塗布します。

余分なとの粉を拭き取って下地の完成。

問題はどのような塗料を使って文字や図柄の墨入れを行うかです。
以前、同様にして温・湿度計を作ったことがあります。

このときは屋内使用のためベンガラ(朱色)を柿渋で溶いたものを使って墨入れしました。
柿渋は塗膜(タンニン成分)を形成するため、ある程度の防水機能は期待できるものの、それでも長期に渡る屋外使用は厳しいものがあります。

止むなく化学製品に頼ることして、その場合、まず考えつくのが次の方法です。

  1. 文字と図柄部分(着色):墨(黒色)や水性塗料(緑色)を塗布
  2. 全面(防水):ニスを塗布

ニスで保護するのは一般的ですが、そもそもニスは透明色の合成樹脂塗料でしかありません。
このため、耐候性に劣り、屋外使用の環境では早晩、塗膜が剥離してきそうです。
個別には耐候性を謳う商品もありそうですが、それでも塗り替えが前提になるかと思います。
塗り替えるのであれば、全面にニスを塗布するのは避け、文字と図柄部分にだけ合成樹脂塗料を塗布して着色するほうが良さそうです。

と言うわけで、文字と図柄部分に合成樹脂塗料(今回は水性のアクリルエマルジョン系塗料。ダイソーで1缶100円)を塗布。

これにニスを塗布することはないとしても、板自体が長持ちするように浸透性(オイルステイン)の木材保護塗料(XyladecorやOSMOが有名)を塗布しておくと良さそうです。
しかし、Xyladecorや手元にあるVATON(大谷塗料)には有機溶剤が配合されているため、先に塗布した合成樹脂塗料(プラスティックのようなもの)に悪影響を及ぼしかねません。
有機溶剤が配合されていない水性の木材浸透保護塗料がないものかとホームセンターで探したところ、そうしたものがありました(下写真。日本ペイント社製)。
安価(1缶500円)だったこともあり、それを購入して全面(表・裏・側面)に塗布。

木材浸透保護塗料と言っても、この塗料の樹脂成分は合成樹脂です(OSMOやVATONは天然樹脂)。
こんなことなら耐候性は劣るとしても亜麻仁油を全面に塗っておく程度で良かったかもしれません。
いずれにしても私のような素人にとって塗装の組み立ては難問です。
このような場合、看板屋さんはどのような塗料を選択していているのでしょうかね。

塗料の乾燥後、いよいよ取り付けです。
以前、郵便受けを設置したときと同様に配管用のサドルバンド(SUS)を用いて取り付けます。

正面から見るとこんな感じです。

これで、郵便配達員の方が代わっても迷うことはないでしょう(郵便受けの名前シールは安っぽいため、これまで貼ってありませんでした)。