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庭の整備(50)睡蓮鉢とタマリュウ

前回、竹の筧を更新しました。

ところで、この筧の右隣には盆栽棚があります。
この盆栽棚を設置する際、昔の石臼を有効活用して鉢植えの台(下写真で朱色矢印。写真は昨夏撮影)も設けたのですが、これが芝刈りの邪魔になるのです。

芝生の端部にあるのであれば芝刈りの支障になることはないのですが、島状に配置すると厄介です。
しかも、北側の影になるところは芝の生育も悪くなると言うオマケ付きです(写真では分かりにくいです)。
そこで、この鉢植えの台は無くすことにし、基礎の石臼も撤去することにします。

石臼の撤去跡には、前回、筧を更新する際に剥がした芝を流用して張っておきます。

芝生内に島状に配置したものと言えば、昨秋に設置した睡蓮鉢(下写真:昨秋撮影、米搗き臼を転用)もそうです。
そろそろ睡蓮の植え付け時期が近づいていますが、このままでは芝刈りの邪魔になること必至です。

ところで、芝庭を整備する際、排水路を設けるため境界にレンガを設けたのですが、それが良い具合に芝刈りの邪魔にならないのです。

写真は電動式の芝刈機。現在は刈払機を使用

そこで、睡蓮鉢の周囲も同様にレンガを使って縁石(芝の根止め)を設けることにします。
また、この機会に睡蓮鉢の設置場所を玄関前に変更します。

玄関の左手には坪庭(広さ1坪)があり、昨年に再生した敷石(石畳)を挟む形で玄関の右手に配置しようと言う考えです。

坪庭は祖父の代に造られたものですが、それに負けないものを造らねばなりませんね!

レンガの縁石は睡蓮鉢の形状に合わせて(半)円形(R=540mm)にすることにし、図を描いてレンガの配置方法を検討します。

レンガをカットして繋げることで擬似的な円形を作るわけですが、コンピュータ(CAD)によると2辺をそれぞれ約18mmで斜切りすれば良いとのこと(私の算数能力では算出不能・・・)。

コンピュータの指示寸法通り、ディスクグラインダー(ダイヤモンドホイール装着)を使って両面から切り込みを入れます。

切り込み箇所にレンガ用タガネを打ち込んで切断します。

同寸法で9個の加工完了。

これが本当に円形になるのか、設置場所に仮置きして確認してみます。

設計寸法で組み上がりました。
当たり前とは言え、コンピュータもなかなかやるものです。

こうして配置したレンガの外周で芝を切り、内側の芝を剥がします。

この箇所の芝張りは表層の砂利だけを撤去し、まき芝により行ったところです。
このため、土中から出てくる砂利をフルイ分けておきます。

芝自体は、束にして販売されているものと同じような状態で剥がれてきます。

このように芝の根は非常に浅く、このため芝張り時においては表層部の土壌改良だけでも問題ないわけです。
このことは逆に見れば、芝生では深層部への土壌改良の効果は期待できないと言うことになります。
欧米では見渡す限り芝生だけが広がっているになっているようなところがありますが、絵葉書的に美しいものの土壌としては貧しいのではないかと思います。

閑話休題。

芝を剥いだところに、まずは睡蓮鉢を据えることにします。
しかし、睡蓮鉢は昔、米搗き臼(陶製)として使われていたもので、側面にある亀裂から水が滲み出るのです。

この半年の間に鉢内の水が減るようなことはなく、漏水量は僅かなのですが、亀裂部は常に水分が補給されるため苔が生えてきています。

これが石製の睡蓮鉢なら風情があって良いと喜ぶところですが、陶製のため亀裂の拡大などの悪影響を及ぼしかねません。
そこで、据え付ける前に一旦、水を空にして止水しておくことにします。
こうした用途に用いる止水材にはいろいろあるようですが、今回は一般的なシリコンシーリング材を使うことにします。
シリコンシーリング材は外壁や浴室にも使うように水密製・耐候性を有しており、この程度の亀裂であれば最適の止水材なのではないかと思います(あくまでも素人考え。変性シリコンシーリング材は水密性が劣るようです)。

睡蓮鉢の内側から亀裂部分にシーリング。

昨秋に睡蓮鉢を設置した際は、石臼の石を基礎にし、その上に据えました。

しかし、これだと見た目にも安定感がありません。
それでは、米搗き臼として使われていたときはどうなっていたのかと言うと、下写真のとおり土中に埋められていたようです。

これにならって下部(1/3程度)を土中に埋めて据え付けることにします。
睡蓮鉢の据付場所に穴を掘り、その底に砂利(先にフルイ分けしたもの)を敷き詰めます。

レベルで水平を確認しながら据え付けます。

続いて、境界部にレンガを据え付けます(コンクリート等は不使用)。

さて、睡蓮鉢とレンガとの間のスペースをどうするか?
少し綺麗目の小石を敷き詰める案が思い浮かびますが、やはりここはタマリュウで植栽することにします(馬鹿のひとつ覚え!)。

芝を剥がした分だけ土が減っているため、これを補足する山砂を建材屋さんで購入(軽トラ1.5車分。今回はこの一部使用)。

山砂を投入、敷き均します。

タマリュウは先日、シバザクラを植栽したときにポット苗(10ポット)を一緒に購入してありますので、それを植え付けます。

ケチってポット苗の数が少ないため隙間があいています・・・。
2〜3年もすれば埋まるでしょうし、その成長過程を見るのもまた楽しみです(実際には雑草取りに追われることになります)。

庭の整備(49)竹の筧の更新(改良)

前回、シバザクラの植栽箇所を拡張しました。

ところで、上写真の朱色矢印で示す箇所に竹の筧が写っていますが、倒れて手水鉢に寄り掛かった状態になっています・・・。
この筧や手水鉢は、3年半前に外便所を解体・撤去した際、その跡地に設けたものです。
そして、3年半の間に竹製の筧が劣化したわけです。

筧を新しく作りかえることにし、古いものを撤去します。

根元を直接、地面に埋めてあったため、埋設部分が腐朽しています。
この部分さえ問題なかったならば、見た目は悪いものの後1〜2年は使えたのではないかと思います。
竹を腐朽しにくくするには、地面に直接、接しないようにすれば良く、そうすれば5年はもつようなりそうです。
そこで、コンクリートの基礎を設け、その上に竹を立てる構造とします。

基礎には竹を固定するための支柱をあらかじめ設けておくことにします。
支柱には塩ビ管を用いることにし、手元にある塩ビ管と竹を実際に組み合わせて適当なサイズの塩ビ管を選定します。

VU40A(外径48mm)に竹を挿すようにすると、ちょうど良い塩梅です。
塩ビ管(支柱)を含む基礎は恒久物になりますので、次回、筧を更新する際は、内径が48mm強の竹を伐り出してくれば良いことになります。

VU40A(外径48mm)だと、ちょうど建築ブロックの空洞内(約50mm×約80mm)に収まりますので、廃材の建築ブロックを再利用して基礎を作ります(型枠を使わずに済みます)。

建築ブロックと塩ビ管との隙間にモルタルを詰めます。

この基礎は、天端が地面より少し高くなるように設置しますので(雨水が溜まらないようにするため)、地上部の面積が少しでも少なくなるように天端の角をハツっておきます(芝刈りに刈払機を使用するため)。

続いて、筧本体を作っていきます。
既設のものは丸竹をそのまま使用したのですが、加工や、稈のなかにホースを通すのに苦労しました。
苦労してもいずれは乾燥により割れてしまいますので、最初から割って使うことにします。
そうすれば節を取るのも簡単です(玄翁を使用)。

ただ、割って使う場合、上端の節による止水が期待できなくなりますので、柱部分よりも一回り太い竹を使って天蓋を設けます(止水だけでなく、割った竹の固定にもなります)。

口部分は一回り細い竹(約30mm)を用い、それを柱部分に固定できるようにホールソー(φ30mm)を使って穿孔します。

口部分は丸竹のまま使うため、中を水が通るように節を鉄筋など(今回はロープ固定金具を使用)を使って打ち抜いてあります。

あとは柱部分にビニールホース(散水用)を通して組み立てるだけですが、ホースを無理に曲げると力が掛かってしまうため、柱部分と口部分との接続箇所にエルボ(下写真で朱色矢印)を使うことにします。

下写真のとおりホースを通します。

柱部分をシュロ縄で結ぶとともに天蓋を被せて組み立てます。

筧の設置箇所に基礎を据え付けます。

基礎の天端が地面より高く、芝より低くなるようにしています。
また、基礎(支柱)の鉛直がとれていないと筧本体も傾いてしまいますので、レベルを使って調整しています。

支柱に筧本体を立て、ホースを散水栓に繋げば完成です。

蛇口を開けると井戸水が出てきました!

新しい竹の筧から澄んだ水が流れ出てくるのは、なんとも清々しいものです。

この筧や手水鉢は、ちょっとした手洗い用に使おうと考えて設けたのですが、八割方は小鳥や野良猫の水呑場として使われているような状況です。